越冬闘争をやりぬき全国から寄せ場・日雇い労働者が結集
全国で越年・越冬闘争を闘いぬいた寄せ場・日雇い労働者が1月12日、東京・山谷に結集し、天皇主義右翼ファシスト・国粋会金町一家の解体を新たに決意し、「反戦・反失業」の闘いの前進に向けた総決起集会を開催した。集会後には戦闘的な山谷デモを貫徹した。
1984年12月22日、山谷労働者と共に闘っていた映画監督・佐藤満夫さんが国粋会金町一家によって虐殺されて29ヵ年、1986年1月13日、山谷争議団の代表的人格であった山岡強一さんが虐殺されて28ヵ年をむかえる。
以来、山谷争議団が金町一家解体戦を放棄する中で、東京・山谷日雇労働組合は「天皇主義右翼ファシストの寄せ場支配を許すな!」「ファシストとの攻防に勝利しなければ労働者の勝利はない!」「やられたらやりかえせ!」と山谷労働者に呼びかけ、毎週金曜の朝行動や2・11「建国記念の日」粉砕の山谷朝行動を貫徹してきた。
この日の早朝、まだ暗い中、城北労働・福祉センター(センター)前に山谷の労働者が結集し、闘争参加者のために炊き出しの準備を始める。午前6時半になると炊き出し準備の部隊と山谷通りと玉姫公園での情宣隊とに分かれながら、それぞれの作業を続行する。大阪・釜ヶ崎や福岡・築港から結集した労働者がセンター前に合流してくる。情宣隊は玉姫公園の朝市でビラを配り、金町解体戦への結集を呼びかけた。
午前8時、炊き出しを開始する。できたて、ホッカホカの五目飯とトン汁が闘争に参加する仲間たちに配られた。仲間たちはあったかい朝飯で腹ごしらえをすませると、玉姫公園への移動を始める。国家権力・浅草警察は機動隊を配備し、警告のプラカード、ビデオ撮影で「公安条例」違反をデッチ上げての弾圧を策動している。仲間たちはいっそう警戒心をとぎすませ、整然と隊列を組みながら、一路、玉姫公園へと移動を始める。玉姫公園では闘争に参加すべく多くの山谷労働者が部隊の到着を待って控えていた。集会場の前列には佐藤さん、山岡さんの遺影が据えられ、各寄せ場の赤旗、支援の労組の赤旗が林立した。
玉姫公園で総決起集会
午前10時、いよいよ集会の開始だ。福岡・築港日雇労働組合の委員長が司会に起ち、全体でシュプレヒコールをあげる。まず集会冒頭、佐藤さん、山岡さんの遺影に向かって集会参加者一同が追悼の黙祷をささげる。
集会の最初に、沖縄・首里日雇労働組合から寄せられた連帯メッセージが紹介される。沖日労は、「安倍政府による改憲攻撃が本格化する中で、反共ファシストが各地で跳梁しています。沖縄も例外ではありません。抗議集会への潜り込み、辺野古や普天間など闘争現場への直接介入、ネットを駆使した悪辣なデマ宣伝などが行なわれています」「沖縄労働者人民は、カネにも暴力にも屈せず闘いぬいてきました。沖縄労働者人民は、国家権力と身体を張って立ち向かい一歩一歩闘いを前進させてきました。そうやって闘いの歴史を継承してきたのです。仲井真はそれをひっくり返そうとしているのです。絶対に許すことはできません」「2014年、激闘に継ぐ激闘を率先して担い、名護新基地建設阻止、安倍政府打倒へと進撃します」。次に、神奈川県地域連合労働組合の連帯メッセージが読み上げられた。神奈川の仲間は、「昨年、川村委員長にかけられた、サントリーの子会社、サントリーパブリシティサービス株式会社による、不当な『雇い止め』を撤回させる闘いに全力で取り組んでいます」「『九割非正規化』攻撃と対決し『労働者派遣法撤廃』を掲げ、労働法制の改悪を許さない闘いを闘いぬいていきます。戦争政策を推し進め、核武装を見据え労働者に被曝労働を強制しながら原発を推進する安倍極右政府を打ち倒す闘いに起ち上がっていきます」と訴える。
続いて、東京都地域連合労働組合、反安保労研全国センター、全国学生社会思想研究会連合からの連帯あいさつだ。東京の仲間は、「普段、米を研いだり、野菜を切ったりしたことがない仲間も慣れない手つきで一生懸命になって取り組んだ。一人ひとりが一丸となって団結したからこそ(玉姫での越冬を)やりぬくことができた」「今年の通常国会で目論まれる、労働者使い捨てをさらに推し進めようとする労働法制改悪をぜったいに許してはなりません」。反安保労研の仲間は、「世界大恐慌爆発情勢下で欧州でも移民労働者排撃を掲げるファシストが伸張してきている。ファシストとの実力攻防は闘う労働運動の必須の課題だ。金町一家事務所に向けた実力進撃を闘おう」「2014年春闘が始まっている。『連合』は資本家・安倍政府と合意文書を交わし、『デフレ克服』=資本家が儲かるための賃上げを掲げている。しかし資本家や安倍の狙いは労働者の所得を増やした上で消費の拡大、増税でいっそう労働者を絞り、搾取を強めようというものだ。増税分にも満たない賃上げ要求で闘いを切り縮める『連合』を踏みしだき、『生活できる賃金を!』と、2014年春闘をたたきつけていこう、3月全労交春闘総決起集会に結集しよう」。全国学生社思研連合の仲間は、「全国の各寄せ場で取り組まれた越年・越冬に社思研の仲間が参加し、ともにやりぬいた。大学資本が学費を値上げし、ますます労働者の子供達の進学が困難になってきている。入学できても学費ローンを背負わされた上で、就職すら望めない。政府・資本に対する学生の怒りは確実に蓄積されてきている。山谷や寄せ場の闘いと結びつく労学連帯の闘いへと学生を組織し革命的学生運動の飛躍・前進を切り開く決意だ」「跳梁する右翼ファシストとの熾烈な撃滅戦を担い、安倍極右政府打倒にともに起ち上がっていこう」。
金町一家解体の山谷デモが爆発
闘いの基調提起に東京・山日労の委員長が起つ。「右翼ファシストが活性化している。『在日特権を許さない市民の会(在特会)』は、各地で反革命襲撃をくり返している。山谷―全国の寄せ場は天皇主義右翼、ヤクザの暴力に反撃し、労働者の闘いと団結を実力で防衛してきた拠点だ。山谷―全国の寄せ場から撃ってで、右翼ファシストを撃滅していこう。1・12日雇い労働者全国総決起集会を闘い、改憲と核武装に突撃する安倍極右政府を打倒していこう。2014年の激闘へと進撃していこう。全国の寄せ場・日雇いの仲間たち!
ともに闘う仲間たち! 黙って野垂れ死ぬな! やられたらやり返せ! これがおれたちの闘いの基調だ。隊列をうち固め、機動隊のかべを突き破って山谷をゆるがすデモにうって出よう」と基調が提起された。参加者全員の圧倒的な拍手で基調は確認されていった。
集会の最後は、全国の寄せ場からの決意表明だ。まず、東京・山日労の仲間が、「金町一家解体を掲げ、毎週金曜日の朝行動を続けてきました。また、金町とつるむ浅警―国家権力の弾圧を粉砕し、闘いぬいてきました。佐藤さん・山岡さん虐殺に対する報復をやりとげるまで仲間の先頭で闘っていく。12月28日から1月6日までの10日間、この玉姫公園を拠点に、越年・越冬闘争を貫徹しました。さらに『反戦・仕事よこせ』の闘いを強化して闘いぬきます。寄せ場春闘の大爆発にむかって闘います」と決意表明をおこなった。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間は、「越年・越冬の人民パトロールを集中して実施した。オニギリ、カイロ、防寒着、軍手・軍足を野宿している仲間に配り、『生きてヤツラにやり返そう』と呼びかけてきた」「明日、日雇全協が集会をやるようだが、釜日労が呼びかけたビラには佐藤さん・山岡さん虐殺に対する怒りも報復の気概もない。ただ拝むだけでは宗教団体と何ら変わりがない。おれたちは殺された仲間に対する怒りに満ちた報復戦、金町解体戦をかならずやり遂げる」「野垂れ死に攻撃にやり返す『仕事よこせ』の闘いを行政に対して、建設資本に対してたたきつけていこう」と檄を発した。福日労の仲間は、「福岡でも『愛国党』や『在特会』がチャチな敵対を繰り返しています。撃滅戦の大爆発を切りひらこう」「仲間たちの収入源であるアルミ缶の回収を福岡市が『条例』で禁止しようとしています。『生活保護より働いて生活したい』という仲間たちに『死ね』という攻撃です」「すでに福岡市に対する『木曜行動』を開始しています。1月30日には市役所に向けた『仕事よこせ』のデモに起ち上がります」と抱負と決意を明らかにした。それぞれの決意に圧倒的な拍手が送られた。
集会を終え、実力進撃の準備が万端整った。全国寄せ場交流会の部隊は横断幕、各組合・団体の旗を先頭にして玉姫公園から山谷一帯を席捲するデモに進撃を開始する。明治通り沿いにある金町一家事務所に至るの路地の入口には機動隊が盾を構えて阻止線を張っている。公安デカどもや機動隊が「立ち止まるな!」と怒鳴ってくるが、デモ隊は堂々と布陣して、金町一家事務所に対して「佐藤さん・山岡さんの虐殺に報復するぞ!」「金町一家を解体するぞ!」と怒りのシュプレヒコールをとどろかせた。泪橋交差点を山谷通りに左折して、浅草警察のマンモス交番前では、再び隊列を止め「金町とつるむマンモス交番を許さんぞ!」とシュプレヒコールを叩きつける。再びデモ終点の玉姫公園に近づくと、仲間同士がスクラムを固く組みなおし、駆け足の歩調で進撃する。公園前路上で楯を構える機動隊に迫る戦闘的なデモを貫徹した。集会とデモを終えた仲間たちは、清川区民館に会場を移し、各寄せ場での越冬闘争の報告と交流会を開き、全国寄せ場春闘集中行動の大爆発を誓い合い、この日の闘いをしめくくった。
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