11月12日、防衛省・統合幕僚監部は、「南スーダン派遣施設隊」の第5次部隊の派兵を発表した。第5次部隊は、近畿地区の陸自・第三師団を主力とする。しかも今回から兵力がさらに増員されて、総勢約400人となった。その部隊が第4次部隊と交代して、南スーダンに展開することになる。11月20日には、陸自・千僧駐屯地で「派遣施設隊」の「壮行行事」が行なわれ、防衛副大臣・武田が「先輩が異国の地で築き上げた国際社会の高い評価と、南スーダンの国づくりの重要な役割を担っているという誇りを胸に、職責を果たしてほしい」と訓示している。11月22日には、先発隊約100人が愛知・中部国際空港から出撃し、そして11月30日には、本隊の第1波・約180人が大阪・伊丹空港から出撃した。12月18日からは、第2波・約120人が同空港から出撃しようとしている。
これに対して反戦・全学連の部隊は、11月26日、JR・御茶ノ水駅頭に登場し、派兵阻止の情宣戦を展開した。横断幕を広げ、御茶ノ水一帯に響くシュプレヒコールをあげる。「南スーダンへの自衛隊派兵を阻止するぞ」「自衛隊海外派兵を粉砕するぞ」「安倍極右政府を打倒するぞ」。その後、ビラまきとアジテーションを開始する。昼の賑わいを見せる御茶ノ水駅頭での情宣は、道行く労働者人民の大きな注目を集めた。ビラが次々に受け取られていく。最後に、全体で再度シュプレヒコールをあげて、情宣行動を終了した。
南スーダン第5次派兵粉砕
2011年7月、スーダンから南スーダンが分離・独立した。国連は、スーダンと南スーダンとの衝突に身構え、両者を分離させる部隊として、「国連南スーダン派遣団」(UNMISS)をただちに設置して展開させた。
2012年1月に野田政府(当時)は、中央即応連隊(宇都宮駐屯地)を主軸とする約330人からなる第1次派兵を行なった。以降、約半年交代で、計4次にわたる派兵がくり返されてきた。部隊は「比較的治安が安定している」といわれる首都ジュバに宿営地を設営した。「道路や橋梁などの社会インフラ整備を行なう」とされる。施設部隊の活動に必要な機材は、ジュバから約2000キロ離れたケニアの港湾都市・モンバサや、国連の物資集積基地があるウガンダのエンテベから輸送している。また陸上自衛官3人が、ジュバのUNMISS司令部に入り込んでいる。
日帝は「南スーダンの国づくりに貢献する」などと称して、この派兵を美化・正当化しているが、真の狙いは、自衛隊派兵の拡大と海外展開能力のアップ、そして石油権益などの利権確保だ。自衛隊の南スーダン派兵を粉砕しよう。自衛隊の即時撤退をかちとろう。
海外派兵の強化を許すな
安倍政府は、南スーダン派兵の拡大・強化をおし進めている。安倍は、今年5月の段階で、陸自・施設部隊の展開地域を、首都ジュバだけでなく、東エクアトリア、西エクアトリア両州にも拡大している。活動地域の拡大に伴い、「武装勢力との戦闘になる可能性」を理由に、「武器使用基準の緩和」まで狙っている。
それだけではない。10月31日には防衛相・小野寺が、「アフリカなど遠隔地での活動が想定される。ジブチなど既存の拠点の活用も含めて海外拠点の在り方を検討していくことが必要だ」「輸送面や長期にわたる活動を想定すれば、補給や情報収集面で体制整備に取り組む必要がある」と発言している。「海賊対処」を口実に、既にジブチに自衛隊基地が置かれていることに着目し、ジブチに自衛隊の本格的な海外拠点を構えることを目論んでいるのだ。
安倍政府は南スーダンについて、「治安が比較的安定」などと強弁して追加派兵を進めているが、とんでもない大ウソである。実際には南スーダン北部では難民キャンプへの空爆や武装勢力との戦闘が頻発している。安部政府は、自衛隊に本格的な武力行使―人民虐殺をさせたくて仕方がないのだ。
パレスチナをはじめとする中東―アラブ諸国では、大衆決起が爆発し続けている。労働者人民の怒りの矛先は、海外派兵を拡大し反革命支配への参画を強める日帝にも向けられていることを、肝に銘じなければならない。闘う全世界労働者人民と連帯し、日帝足下から革命的反戦闘争を爆発させよう。
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