「特定秘密保護法」案の衆院採決が策動されるなか、反戦・全学連の部隊は11月26日、対国会行動と情宣戦に起ち上がった。
午前10時、反戦・全学連の部隊は、地下鉄・国会議事堂前駅の地上出口まで進撃し、ヘルメットを装着して横断幕を広げる。あわてた制服警官や警視庁公安私服刑事どもが、青ヘル部隊に身構え、進撃を阻止する態勢をとる。部隊はあたり一帯に響きわたるシュプレヒコールを開始する。「『特定秘密保護法』成立を阻止するぞ」「反革命国会を粉砕するぞ」。居並ぶ制服警官どもは部隊の強制排除に出たが、そんな妨害をものともせず、反戦・全学連の部隊は、対国会行動をやりぬいた。
その後、反戦・全学連の部隊はJR・御茶ノ水駅頭に登場し、「特定秘密保護法」成立阻止の情宣行動を展開した。横断幕を広げ、御茶ノ水一帯に響くシュプレヒコールをあげる。「戦時体制形成を阻止するぞ」「朝鮮反革命戦争を粉砕するぞ」「安倍極右政府を打倒するぞ」。その後、ビラまきとアジテーションを開始する。道行く労働者・市民の注目と共感は、いつにも増して圧倒的に大きく熱い。用意したビラは次々に受け取られ、短時間のうちになくなってしまう。部隊のシュプレヒコールに呼応して、「がんばれよ」と大きな声援をあげる労働者もいた。それだけ、「特定秘密保護法」への批判と怒りが渦まいているということだ。警視庁公安刑事どもは遠巻きで見ているだけで、手出しすらできない。最後に、全体で再度シュプレヒコールをあげて、情宣行動を終了した。
「治安維持法」弾圧の再来
安倍極右政府は、今臨時国会において、「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法」と両輪をなす「特定秘密保護法」の成立を画策している。11月26日に衆院を通過させ、会期末である12月6日までの参院での可決―成立を狙っている。
「特定秘密保護法」は、政府が「特定秘密」と認定した情報について、漏洩した者、さらに情報を受け取った者を、重罪扱いにして処罰するための法律である。
政府が言うところの「特定秘密」の範囲は、「防衛」「外交」「スパイ活動などの特定有害活動の防止」「テロ活動の防止」の「四分野」とされ、国務大臣ら行政機関の長は、「漏洩が日本の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある情報」を「特定秘密」に指定することができるとされる。公務員らが「特定秘密」を漏らした場合、最長で懲役10年の罰則となる。
「特定秘密」をどう定めるかの基準は、時の政府の判断一つで決められることになる。つまりは、政府が「特定秘密」と決定しさえすれば、いくらでも情報を統制できるということである。国会や国会議員ですら、まともにチェックもできず、しかも政府判断一つで「特定秘密」を永久に秘匿できるのだ。もはや、やりたい放題である。公務員を萎縮させて内部告発を封じ、「帝国の官吏」として公務員労働者を統制し、沈黙と屈服を強制するものでもある。
「特定秘密」に関わる情報を受け取ることも重罪扱いされることになる。それによってメディア統制が強化され、政府に都合のいい情報ばかりが垂れ流されるのは必至だ。メディア自身も萎縮し、競って翼賛報道に励むことになるのは明らかだ。いくら法律の条文に、「報道の自由」「知る権利」について「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、…法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは…正当な業務」だと付け足そうが、何の歯止めにもならない。具体的に何が「特定秘密」になるかについて、政府の判断一つで決まる以上、何を報道すればいいのかも、結局は政府の判断で決められることになる。
安倍政府は、外交、軍事、治安に関する情報統制を徹底的に強化し、戦時体制を作ってしまおうというのだ。かつての「大本営発表」のごとく、労働者人民にウソの情報を流して、戦争に総動員していこうというのだ。断じて許すわけにはいかない。
「秘密保護法」を葬り去れ
「特定秘密保護法」案をめぐる議会内諸政党の動向が、翼賛国会の惨状を余すところなく示している。与党だけの可決強行に対する労働者人民の猛反発に恐怖する安倍政府は、補完勢力である「日本維新の会」「みんなの党」との「修正協議」を進めた。その結果、「みんなの党」は11月18日に、「首相による『指揮監督権』を新たに盛り込む修正案」で合意。「日本維新の会」も11月20日、「第三者機関の設置の検討」「一部の例外を除いて60年後に情報公開」を盛り込むことで合意した。
「特定秘密保護法」案は、11月26日午前の衆院・国家安全保障特別委員会での採決強行に続き、同日夜に衆院本会議で採決が強行され、自民、公明と「みんなの党」の賛成により可決―参院送付となった。法案に賛成していた「日本維新の会」は「強引な採決に反発」するポーズをとって、本会議を欠席したが、やっていることに大差はない。
反革命国会内の攻防に、労働者人民の運命をゆだねることはできない。労働者人民の実力闘争・武装闘争の爆発で、「特定秘密保護法」を葬り去ろう。反革命臨時国会を粉砕しよう。
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