11月27日にも参院本会議で、「国家安全保障会議(日本版NSC)設置法」の成立が強行されようとしている。NSCとは、朝鮮―国際反革命戦争遂行の「司令塔」であり、言い換えれば、現代版「最高戦争指導会議」に他ならない。安倍極右政府は、NSCに集約される軍事・外交・治安関連などの情報が漏洩することを警戒するがゆえに、「NSC設置法」とセットで、「特定秘密保護法」の成立も狙っている。こんなことを許せるか。
怒りに燃える反戦・全学連の部隊は、この11月、臨時国会での「NSC設置法」成立を阻止すべく、連続的に決起した。11月12日の対国会闘争に続き、参院採決が迫る20日にも、国会進撃戦と情宣戦に取り組んだ。反戦・全学連の部隊は、ヘルメット、ゼッケンを着け、横断幕を広げて、地下鉄・国会議事堂前駅の地上口から国会をめざす。われわれの闘いを切っ先とした労働者人民の闘いの爆発に恐怖する権力は、阻止線を張り、部隊の進撃を阻止し闘いを封殺しようとするが、これに屈する青ヘルではない。弾圧策動を打ち砕き、「『NSC設置法』成立を阻止するぞ」「反革命国会を粉砕するぞ」「安倍極右政府を打倒するぞ」と、徹底的なシュプレヒコールを叩きつけていった。
反戦・全学連の部隊は、この後JR・御茶ノ水駅頭に登場し、行きかう労働者人民に、「設置法」の意図と目的を暴露し、戦争法粉砕、反革命国会粉砕、安倍極右政府打倒の闘いへの決起を呼びかけていった。横断幕を注視し、ビラを手に「戦争は絶対ダメ。若い人がもっと怒らないといけない」と声をかけてくる人。「今の世の中は、戦争に向かっている。私は戦前の生まれだけど、戦争は2度とさせてはいけない。頑張って」と共感を示す人。部隊は、こうした労働者人民の怒りと闘いへの共感を背に、情宣闘争を闘いぬいた。
狙いは戦争指導体制の構築
「NSC設置法」は、第1次安倍政府時代から検討が進められてきたもので、昨年12月に安倍極右政府が発足して以降、急速に法制化作業が進められてきた。今年5月の段階で、安倍が諮問機関の「国家安全保障会議(日本版NSC)の創設に関する有識者会議」から「法案要綱」を受け取り、5月末に自民党が法案を了承、6月の通常国会閉会前に衆院に提出し、継続審議にしてきた。臨時国会では、10月23日に衆院で審議入りしたが、11月5日の段階で民主党は、わずかばかりの「修正」で合意し、賛成に回った。こうしてろくに審議もされることなく、翌6日の衆院・国家安全保障特別委員会で与野党の賛成多数で可決、翌7日の衆院本会議で採決―可決となり、参院に送付。11月25日に参院・国家安全保障特別委員会で賛成多数で可決されるに至っている。
安倍極右政府が設立を狙う「NSC設置法」の概要は、次のとおりである。「NSC」は、首相と官房長官、外相、防衛相による定期会合で、現行の安全保障会議と同様、財務相や国土交通相らを加えた八閣僚と首相による会合も必要に応じて開く。事態に合わせてその他の関係閣僚を招集する緊急会合も設ける。また、国家安全保障担当の首相補佐官を常設し、官房副長官とともに会議への出席を認める。議長である首相が許可すれば、統合幕僚長も出席できる、というものである。さらに、関係省庁との総合調整を担う事務局として、「国家安全保障局」を内閣官房に設置するという。「国家安全保障局」は、基本方針の企画立案や、関係省庁が提供する情報の分析などを担う組織で、100人規模の体制を組み、自衛官や民間人の登用も検討するという。「総括」「戦略」「情報」など6部門の分野別に編成され、地域別では「中国・北朝鮮」「同盟・友好国」「その他の地域」に分けることになるという。この「区割り」だけを見ても、安倍政府が中国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)をいかに敵視しているかが分かるというものだ。
国会では、NSCの議事録作成が「懸案事項」とされたものの、結局、法案には何も盛り込まれず、「速やかに検討し、必要な措置を講ずる」という付帯決議が付けられただけであった。しかも決議には「措置を講ずる」期限が盛り込まれていないため、それはただの「努力目標」に過ぎない。議事録すら残さない密室の謀議で、戦争突入―遂行に関するすべての決定を下そうというのだ。安倍は、戦争がやりたくて仕方ないのだ。朝鮮反革命戦争遂行のための「司令塔」を構築するための「NSC設置法」を何としても阻止しなければならない。
臨時国会では、「NSC設置法」と両輪をなす「特定秘密保護法」の成立も狙われている。こうした戦時法制を木っ端微塵に粉砕しなければならない。安倍政府のやりたい放題の攻撃を断じて許してはならない。今こそ革命的反戦闘争の火柱を上げる時だ。
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