対国会行動と情宣戦に決起
11月12日、反戦・全学連の部隊は、自衛隊法改悪案の参院採決―成立阻止の闘いに起ち上がった。
午前10時、反戦・全学連の部隊が地下鉄・国会議事堂前駅の地上出口に到着し、ヘルメットを装着して準備を整え、ハンドマイクを取り出すと、制服警官数名が出口に駆け寄り通行を阻止してくる。反戦・全学連の部隊の国会前登場に恐れをなし、暴力的な妨害に出てきたのだ。これを許さず、国会議事堂付近一帯に響きわたるシュプレヒコールを挙げる。「自衛隊法改悪を阻止するぞ」「自衛隊海外派兵の拡大・強化を粉砕するぞ」「反革命国会を粉砕するぞ」。制服警官どもは、声を荒げて「警告」をわめき散らし、弾圧を画策してくる。反戦・全学連の部隊はこれを敢然と打ち破り、一切の弾圧を封殺して、対国会行動を終えた。
続いて反戦・全学連の部隊は、午前11時、御茶ノ水駅頭に登場し、自衛隊法改悪阻止を訴える情宣行動を展開した。横断幕を広げ、御茶ノ水一帯に響くシュプレヒコールをあげる。「自衛隊による労働者人民虐殺を許さないぞ」「安倍極右政府を打倒するぞ」。その後、ビラまきとアジテーションを開始する。臨時国会では、戦争法案が矢継ぎ早に提出され、これを御用マスコミが「成立は確実」などと書き立てている。戦時体制形成が加速する状況への疑問が、労働者人民・学生の中に急速に広がっている。こうした中での情宣行動には、道行く人々から大きな注目と共感が寄せられ、ビラも次々に受け取られていった。警視庁公安刑事どもは遠巻きで見ているだけで、手出しすらできない。最後に、全体で再度シュプレヒコールをあげて、情宣行動を終了した。
自衛隊法改悪を弾劾する
安倍極右政府は、今年1月下旬の段階で、国会内に「在外邦人の安全確保に関するプロジェクトチーム」を設置。3月には「自衛隊による車両での陸上輸送を認めることを柱とする自衛隊法改正への提言」を取りまとめた。そして4月19日の閣議で、「海外での争乱など緊急時に邦人を救出するための自衛隊法改正案」を閣議決定した。
内容は、現行の航空機・船舶に加え、車両での邦人輸送を認めることが柱であり、さらに輸送中の保護対象者を拡大し、現地で面会する家族や随行の政府・企業関係者らも武器で防護できるよう改める、というものである。「車両での邦人輸送」が追加されたことにより、「航空機や船舶が待機する空港や港までの陸路も装甲車などで邦人を保護できる」とされた。「派遣要件」も、現行の「安全が確保されていると認めるとき」との表現を「(外相と防衛相が)危険を避ける方策を協議し、安全に輸送できると認めるとき」などと大きく「緩和」した。
この改悪案は通常国会に提出され、5月23日に衆院で審議入りし、そのまま継続審議扱いされた。これに対して民主党は、現在の武器使用の規定とされる「正当防衛」だけでは飽き足らず、「自衛官がテロリストなどの抵抗を抑えるため武器を使えるよう武器使用基準を緩和すること」などを要求した。その結果、「海外で活動する自衛隊の適切な武器使用の在り方を引き続き検討すること」などを盛り込んだ付帯決議を、衆院安全保障委員会で採択することで、安倍政府と折り合いがつけられた。つまり、安倍政府と民主党が戦争突撃の強硬さ、凶暴さを競いあった結果、自衛隊の派兵と武装の強化に道を拓く最悪の改悪案として、「修正」されたのである。そして、10月31日の衆院安全保障委員会で可決され、11月1日の衆議院本会議で、自民党、公明党の与党だけでなく、民主党、「日本維新の会」、「みんなの党」、「生活の党」などの賛成多数で可決された。改悪案は、8日には参院に送付され、やはりろくな審議も行なわれることなく、14日に参院外交防衛委員会で可決され、15日の参院本会議で可決―成立となった。臨時国会での自衛隊法改悪強行を徹底的に弾劾する。
海外派兵の強化を粉砕せよ
そもそも今回の自衛隊法改悪のきっかけは、今年1月17日、「血盟団」を名乗るアルジェリアの武装グループが、アルジェリア南東部のイナメナスにある日帝傘下の石油プラント会社・日揮の天然ガス関連施設に乱入し、従事していた日本人をはじめ、外国人多数を人質をとって立てこもったことであった。これに対して、米帝―帝国主義の支援を受けるアルジェリア軍が強引な突入作戦を強行した結果、日揮の日本人社員10人が死亡している。
アルジェリア政府は、地下資源の切り売り―利権確保を最優先させている。そんな利権の一角に食い込んでいた日帝の尖兵こそが、日揮であった。「国益」を生み出してきた日揮をバックアップしてきた日帝・安倍政府は、口先では「人命最優先を」としながらも、「人質殺害事件」直後に、さっそく「動乱に身構えた邦人救出のための自衛隊派兵」を言い出すなど、より強硬に自衛隊の海外派兵の強化、すなわち国際反革命戦争への参画強化を主張してきた。
パレスチナをはじめとする中東―アラブ諸国で、大衆決起が爆発している。アフリカ諸国でも闘いが拡大している。その怒りの矛先は、中東反革命支配に参画し、さらにアフリカでの利権漁りに奔走する日帝にも向けられていることを、肝に銘じなければならない。自衛隊による労働者人民の虐殺を許してはならない。安倍政府の中東―国際反革命戦争への参戦を粉砕しよう。
現在、自衛隊は、陸・海・空三自衛隊によるソマリア沖での「海賊対処活動」、陸自施設部隊による南スーダンPKO派兵を継続している。特にソマリア沖では、隣国・ジブチに自衛隊の海外基地を設置するまでになっている。自衛隊海外派兵の拡大・強化が進んでいる。その狙いは、日帝の海外権益を武力で確保することであり、何よりも自衛隊を「労働者人民虐殺の軍」として再編・強化することで、朝鮮反革命戦争に備えることにある。自衛隊の海外派兵の拡大・強化を粉砕し、即時撤退をかちとろう。
自衛隊がイラクに派兵された2004年以降、帝国主義軍隊特有の「腐敗」が蔓延し、「徒手格闘訓練」にかこつけたリンチ―虐殺が横行し、あるいは自殺者が続出するという実態が暴露されている。海外派兵の強化、朝鮮反革命戦争の切迫のなかで、自衛隊員の動揺や怒りが広がっている。われわれは、プロレタリア革命を見すえた喫緊の課題として、反軍工作を強め、隊内叛乱を組織化しなければならない。革命的反戦闘争の爆発をかちとり、戦争遂行の安倍極右政府打倒へ進撃しよう。 |