街頭情宣・抗議集会に決起
10月31日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、自衛隊統合実動演習粉砕闘争に決起した。緊急の呼びかけに応えた沖縄・首里日雇労働組合もともに結集し闘った。
正午、パレットくもじ前に登場した部隊は、ビラ撒きとアジテーションを開始する。「自衛隊による沖縄蹂躙を許してはならない。自衛隊統合実動演習を粉砕しよう」「排外主義煽動を粉砕し、戦争遂行体制をうち破ろう。『尖閣諸島』(中国名・釣魚列島)を意識した『離島奪還訓練』を許すな」「安倍は、自衛隊観閲式で『防衛力は、その存在だけで抑止力となるといった発想は捨てろ』と呼びかけた。安倍は、戦争がしたくて仕方がないということだ。こんな政府は打倒するしかない」「反軍感情を抑え込み、反戦・反基地闘争を叩き潰すことをも意図した軍事演習だ。沖縄を再び戦場にしないため、自衛隊を叩きだそう」「与那国への新たな自衛隊配備、下地島空港へのF15戦闘機の常駐化、那覇基地の部隊増強など、在沖自衛隊の強化を阻止しよう」「普天間基地を解体し、名護新基地建設を阻止しよう」「『日本版NSC設置法』や『特定秘密保護法』など戦争法の成立を阻止しよう。改憲攻撃をうち破ろう」という断固たるアジテーションが響き渡った。青ゼッケンをつけた仲間たちは、昼休みに庁舎から出てきた自治体労働者や、買い物にやってきた市民に丁寧にビラを手渡していく。ビラを読み「こんな軍事訓練をやるのか」と驚きの声をあげ、「ごくろうさま」と声をかけていく人もいた。われわれは、約1時間にわたる情宣闘争を貫徹した。
続いてわれわれは、夕方6時より、沖縄平和運動センターが主催する抗議集会に結集した。労働組合や市民団体など、約120人が結集していた。
集会冒頭、「平和運動センター」のメンバーが、「いよいよ明日から自衛隊3万4000人を動員する大軍事演習が行なわれようとしている。団結してこれを許さない闘いをやっていこう」「中国をはじめ東アジア諸国との緊張関係を高めることが、どういうことになるのか。安倍政府はもしもの時、どう責任を取るのか。政治の右傾化を許さない。状況は厳しいが、全国で安倍政府を許さない闘いが拡がっている。名護新基地建設を許さない闘いを頑張ってやっていこう」と力強く訴え、参加者全体の士気を高めた。
各団体からの発言が続く。「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏、「沖縄平和市民連絡会」のメンバー、宮古からかけつけた全港湾のメンバーが発言した。集会後、雨降る国際通りをデモ行進し闘いぬいた。
自衛隊による対中国挑発演習を許すな
11月1日から18日の日程で実施される自衛隊統合実動演習は、陸・海・空自衛隊3万4000人、車両900台、艦艇六隻、航空機380機を投入する大規模なものだ。この演習で沖縄は徹底的に蹂躙された。演習のメインは、那覇の南東約400キロに浮かぶ沖大東島(北大東村)で実施された「離島奪還訓練」だ。沖大東島を敵軍に占領されたと見立てて、海自・護衛艦からの艦砲射撃や空自・F2戦闘機の実弾射撃を行ない、陸自「西部方面普通科連隊」100人が水陸両用のホバークラフト型揚陸艇「LCAC」で上陸することを想定した訓練を行なうというものだ。自衛隊は、米軍の射爆撃場となっている沖大東島を舞台として、3自衛隊統合の大々的な強襲上陸訓練を強行したのである。明白に「尖閣諸島」(中国名・釣魚列島)を意識した対中国挑発演習だ。それだけではない。那覇と宮古島では、地対艦ミサイル「88式地対艦誘導弾」を使用した軍事訓練も強行した。11月6日には、上富良野駐屯地(北海道)に駐屯する第3地対艦ミサイル連隊と青野原駐屯地(兵庫)に駐屯する第8高射特科群あわせて50人が、宮古島分屯基地に配備された。地対艦ミサイルが宮古に入るのは初めてのことである。同日、石垣島の新港地区には、発射機を除く通信部隊が配備された。石垣に基地はないが、これまで「総合防災訓練」や地対空誘導弾パトリオット・ミサイル(PAC3)配備の拠点となった新港地区を自衛隊200人で占拠し、地対艦ミサイルと連携した通信訓練や地対空ミサイルのレーダーを使用した対空戦闘訓練を強行したのである。7日には八戸駐屯地(青森)に駐屯する地対艦ミサイル連隊90人が、8日には別府駐屯地(大分)に駐屯する第41普通科連隊と高遊原分屯地(熊本)に駐屯する西部方面航空隊あわせて330人が、それぞれ那覇駐屯地に配備された。地対艦ミサイルの輸送には軍事用の「高速輸送艦」に転用を検討している民間フェリーが使用された。このほか、久米島での無人偵察機の飛行訓練も予定されている。
安倍政府は、この自衛隊統合演習の過程で「反中国キャンペーン」を大々的にまき散らし、これをネタに沖縄を日米共同の軍事拠点としてうち固め戦争遂行体制をつくり上げようとしている。われわれは、反共・排外主義煽動を撃ち破り、安保粉砕・日米軍事基地解体・帝国主義軍隊解体にむけ奮闘する。 |