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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・23 「『君が代』強制 『口元チェック』やめろ! 緊急行動」が闘われる (1079号7面)

9・4「口元チェック」通知を許すな

 大阪府教育委員会教育長・中原徹は、9月4日付で全大阪府立学校長(准校長)に対し、卒業式・入学式の「君が代」斉唱時に教職員が斉唱しているかどうか、教頭・事務長に目視による確認をさせて結果を報告せよ、なる、いわゆる「口元チェック」の通知を「教育振興室長」名で発出した。これまでの斉唱時の「起立」から、さらに歌っているかどうかまでチェックし、3回違反すれば、クビというわけだ。中原徹は、大阪市長・橋下徹の腹心ともいうべき男だ。いわゆる「民間人校長」の採用枠で大阪府立和泉高校に赴任し、「君が代」斉唱時の「口元チェック」を行なった輩だ。中原は自らが行なった「口元チェック」だけに飽き足らず、これを全府立学校に拡大しようというのだ。こんなものを許すわけにはいかない。

 さらにこの間、橋下―「維新の会」は、「君が代」強制の動きがあることを記述した「実教出版」版高校日本史教科書を排除せよと大阪府教育委員会に圧力をかけてきた。教科書選定への橋本―「維新の会」の露骨な政治介入に対して、大阪府教育長・中原はこれを止めるどころか、「実教出版」版教科書を選定した学校を「維新の会」府会議員に伝え、橋本―「維新の会」と一体となって、「実教出版」版教科書採択妨害に躍起となった。

 闘う労働者人民の猛然たる抗議で「実教出版」版日本史教科書採択妨害は粉砕されたが、授業では職務命令は合憲との最高裁判決などを補助教材とすることや、授業の監視や結果の報告を求める等の条件がつけられた。教育現場への政治の介入がより強められようとしているのだ。これを許してはならない。

 大阪でますます激化する「日の丸」「君が代」強制に対する反撃の闘いとして、10月23日、「『日の丸・君が代』強制反対大阪ネット」呼びかけの「『君が代』強制 『口元チェック』やめろ!10・23緊急行動」が闘われた。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間も結集し、ともに闘いぬいた。

 時折、雨の混じる天気の中、大阪府教育委員会のある大阪府庁舎にほど近い、大阪城公園教育塔前広場に闘う労働者が結集する。午後六時になり、集会が開始された。

大阪城公園で集会

 最初に、「『日の丸・君が代』強制反対大阪ネット」代表の黒田伊彦氏が発言を行なう。

 「『口元チェック』は、間接的制約であって直接的制約ではないと言っている人がいるが、それは大間違いだ。卒業式・入学式の『君が代』斉唱時において、先生方の口元に注がれる生徒や保護者や来賓の視線は精神的苦痛以外の何ものでもない、直接的制約だ」「事務長等が准校長や校長とともに目視すると言ってますが、教育内容に関して事務方にはそれをチェックしたり、規制する権限はない。それをマネジメントとか言っている教育委員会の逸脱行為だ。さらに、教育委員会は『君が代』斉唱時に総合的現認をすると言っているが、いろんな情報を集めて総合的現認をするとしている。そこではチクリが増えるだろう。先生同士の相互対立が激化する。生徒と教師の間の分断が行なわれる。まさに学校現場を暗い不健全なものにしていく。密告と監視社会へと変貌させていく、まさに人権蹂躙の通知だ」「大阪府教育委員会は、総合的現認の判断の基準は、公務員としての『誠意ある態度』を示しているかとしている。非常に抽象的な『誠意ある態度』である。大阪府教育委員会のいう『誠意ある態度』とは二心がないこと、すなわちお上の言うことには逆らわないというドレイ根性を表明せよ、ということだ。こういった『口元チェック』は断じて許すことができない。また、この『口元チェック』は、脅しによって、処分によって、戦争をできる強権的な国にしていくための施策を貫徹していくための、それに反対する者をレッドパージよろしく解雇するためのものだ。すなわち、そういった思想を持つ人をあぶり出すための踏み絵だ」「日本の良心の灯火は決して消してはならない。私たちは未来の子どもに、未来の社会に希望を引き渡していくために闘っていきましょう」。

 続いて、「『日の丸・君が代』強制反対大阪ネット」事務局長の山田氏より、集会に先立つ午後5時に大阪府教育委員会に2355筆の署名を提出したことが明らかにされ、フリージャーナリストの西谷文和氏の連帯あいさつの後、大阪府人事委員会不服申立当該(グループZAZA)の労働者より「君が代」処分粉砕の闘う決意がそれぞれ明らかにされた。

 組合団体交渉を終えて結集した大阪教育合同労組の労働者からの発言で集会を締めくくり、大阪府教育委員会の入る大阪府庁と大阪府議会を包囲するデモに出発する。
 最後に団結ガンバローで、この日の闘いを終えた。