解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・5在沖米海兵隊の実弾砲撃移転演習粉砕!
東富士現地闘争を闘いぬく
(1077号6面)

反戦・全学連、東富士現地で決起

 10月5日、反戦・全学連の部隊は東富士現地に登場し、在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕する闘いに決起した。

 当日は大雨が予想される悪天候であったが、反戦・全学連の部隊が東富士現地に到着した時点で、雨は上がっていた。静岡県警・機動隊はデモへの弾圧を画策し、デモ隊の出発地点近くでわざわざ検問を行ない、デモ隊を威圧しようと試みるが、まったくムダであった。一切の弾圧を許さずにデモ隊が勢ぞろいすると、テキパキと隊列を整えていく。

 正午、反戦・全学連の部隊は、旗竿を手にデモにうって出る。デモに先立ち、冒頭、シュプレヒコールをあげた。「米海兵隊の実弾砲撃移転演習を粉砕するぞ」「労働者人民虐殺訓練を阻止するぞ」「東富士演習場を解体するぞ」。続いて、全学連の同志が東富士現地闘争の基調を提起する。「日帝・防衛省は、東富士演習場における実弾砲撃移転訓練を、10月1日から10月11日までのうちの9日間実施しようとしている」「在沖米海兵隊による実弾砲撃移転演習を実力で粉砕する闘いとして、今日のデモを最後まで闘いぬこう」「東富士でのオスプレイ低空飛行訓練を阻止し、米軍・自衛隊を解体しよう。東富士演習場を解体する反基地闘争の爆発をかちとろう」。執拗な静岡県警の妨害をものともせずに基調を提起し、参加者全体で確認した後、反戦・全学連の部隊は東富士演習場に進撃するデモを開始した。道中、自衛隊車両が頻繁に行き来して、乗員がデモ隊に視線を注いでいく。

 程なく、反戦・全学連のデモ隊列は東富士演習場入口にさしかかる。電光掲示板には「射撃中」と表示されている。この日は榴弾砲の放つ大音響の重低音は聞かれなかったが、東富士演習場の上空には、富士山麓上空に低く垂れ込める灰色の雨雲とは別の、白リン弾の生成する白雲と酷似する不自然な雲がいくつも見られた。米海兵隊は労働者人民殺戮訓練を、この日も行なっていたのである。一帯は、陸自・滝ヶ原駐屯地と米軍・キャンプ富士が隣接している。陸自・滝ヶ原駐屯地の塀の内側では、警務隊らがデモ隊列を注視している。そんななか、反戦・全学連の部隊は、東富士演習場に向け、辺り一帯に響くシュプレヒコールを叩きつけていった。「実弾砲撃移転演習を粉砕するぞ」「労働者人民虐殺を許さないぞ」「東富士演習場を解体するぞ」。静岡県警・機動隊はデモ隊への規制を強め、弾圧を画策してくるが、あっさりと跳ね返す。こうして反戦・全学連の部隊は、東富士現地闘争を最後までやりぬいていった。

実弾砲撃移転演習を粉砕せよ

 米海兵隊による実弾砲撃移転演習は、沖縄での「県」道104号越え実弾射撃訓練の日本「本土」分散を口実として1997年から開始されたものであるが、東富士演習場で実施されるのは、2012年9月以来となり、4年連続12回目となる。9月18日、日帝・防衛省は、東富士演習場における実弾砲撃移転演習について、10月1日から10月11日までのうちの九日間の実施を発表した。具体的には、まず9月下旬に在沖米海兵隊の訓練部隊が静岡県御殿場市のキャンプ富士に到着し、東富士演習場に入り、野営をしながら訓練を開始する、砲撃訓練の後、10月中旬に、訓練部隊がキャンプ富士から撤収して沖縄へ向かう、と発表している。今回の訓練部隊の人員と砲数等は、中隊レベルの約250人、約60両の車両を動員、発射する砲数は6門、としている。そして、今回の演習でも、155ミリ榴弾砲や小火器等を使用するとうちだしている。

 在沖米海兵隊は、アフガニスタンでの軍事展開、さらに策動される対イラン反革命戦争、朝鮮反革命戦争への出撃も見据え、労働者人民の虐殺を想定した訓練を、実弾砲撃移転演習においておこなおうとしている。それゆえ、演習規模や内容は、より実戦を想定した激しい訓練となっている。在沖米海兵隊は、実弾砲撃移転演習における白リン弾の使用を公言している。白リン弾は、火災事故を引き起こす元凶であり、人体へのダメージの大きい危険な兵器であり、演習に使用することで環境汚染が進むことも指摘されている。

 実弾砲撃移転演習では、「事故」も頻発している。今年6月の矢臼別の演習では、6月11日午前に、米海兵隊が155ミリ榴弾砲を「誤射」して演習場を飛び越し、約500メートル離れた別海町の牧草地に、直径約3メートルという大穴をあけて着弾した。住民の憤怒がまきおこったが、15日には、まるで何事もなかったかのように、訓練は再開されている。東富士での実弾砲撃移転演習では、那覇軍港から横浜ノースドックまで関係車両・物資が輸送され、キャンプ富士に入るのが通例となっている。労働者人民を「事故」に巻き込む危険性をかえりみず、労働者人民を動員しての演習が行なわれているのだ。夜間演習や度重なる「火災事故」が、実弾砲撃移転演習ではもはや当たり前になっている。実弾砲撃移転演習は、周辺住民、労働者人民の生活を破壊し、生命をおびやかすことを前提に強行されているのだ。地元ではどこでも、そんな実弾砲撃移転演習に対する怒りがまきおこっている。

 「沖縄の負担軽減」を口実に実弾砲撃移転演習が行なわれているが、沖縄の現状を見ても、キャンプ・ハンセンでは実弾砲撃演習以外の演習が頻繁に行なわれ、その結果山火事が頻発するなど沖縄労働者人民の生活が脅かされている。「負担軽減」なる薄汚い欺瞞をヌケヌケと語りつつ、日本「本土」の演習場でより激しい実弾砲撃移転演習がくり返されているのは明白である。次回は、1月中旬〜2月中旬に、北富士演習場での移転演習が行なわれようとしている。
 米海兵隊による実弾砲撃移転演習を粉砕しよう。

戦争遂行の安倍極右政府打倒へ

 米帝はアジア・太平洋地域への配備を強化している。日・米帝国主義は日米安保の再編・強化をつづけ、朝鮮反革命戦争遂行のための臨戦態勢構築を進めている。そんななかで安倍政府と在沖―在日米軍は、八月にMV22オスプレイの沖縄追加配備を強行した。そして日本「本土」各地でもオスプレイによる低空飛行訓練が既に強行されている。さらに、10月7日から、滋賀県・饗庭野演習場で、オスプレイを使った日米共同演習が行なわれており、いずれ、東富士演習場に隣接するキャンプ富士を使った低空飛行訓練が頻発するのは明らかだ。

 東富士演習場では、自衛隊が8月25日に「富士総合火力演習」を行なっているが、昨年度に続いて、「島嶼防衛」を想定し、洋上から離島へ侵攻する敵の艦船を発見して上陸する敵部隊を攻撃し、戦果を拡張するまでのシナリオによる演習を行なっている。演習自身が、「尖閣諸島」(中国名・釣魚列島)をめぐる戦闘を意識したデモンストレーションである。安倍極右政府は、「領土問題」を通してナショナリズムを煽りたてて反中国、反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)―反共・排外主義煽動を加速させることで、戦時体制を一挙に形成しようという意図をあけすけにしている。そんな朝鮮反革命戦争遂行の拠点の一つとして、東富士演習場が使われているのである。

 安倍極右政府は、朝鮮反革命戦争をみすえた戦時体制を一挙に形成しようとしている。「集団的自衛権行使」のための憲法解釈の改変、日米新「ガイドライン」の見直しなどを矢継ぎ早に進めている。沖縄では、名護新基地建設や高江ヘリパッド建設、与那国島への自衛隊配備が強行されようとしている。普天間基地における沖縄労働者人民の実力決起をはじめとする沖縄労働者人民の闘いが、粘り強くうちぬかれている。闘う沖縄労働者人民の決起と連帯する実力決起を爆発させなければならない。

 日帝足下労働者人民の責務として、革命的反戦闘争の爆発を何としてもかちとっていかねばならない。地元で粘り強く闘われる反基地闘争との結合を強めていかねばならない。既成勢力への集約を踏み越え、反基地闘争をさらに高揚させ、東富士演習場撤去を実力・武装の闘いでかちとっていこう。闘う沖縄労働者人民との結合を強め、名護新基地建設を阻止し、すべての米軍・自衛隊基地を撤去させよう。日米安保の再編・強化を粉砕しよう。中東反革命戦争を粉砕し、朝鮮反革命戦争突入を阻止しよう。安倍極右政府打倒・日帝国家権力解体へ進撃しよう。


9・23海兵隊出撃阻止闘争に決起〈沖縄〉

 9月23日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は、陸自・東富士演習場における在沖米海兵隊による155ミリ榴弾砲の実弾砲撃演習を粉砕するため海兵隊の出撃阻止闘争に決起した。沖縄・首里日雇労働組合の仲間も結集しともに闘った。

 正午、パレットくもじ前(那覇)に登場した部隊は、ただちにビラ撒きとアジテーションを開始する。「実弾砲撃演習では夜間訓練やNBC訓練なども強行されている。戦争のための実戦演習だ。沖縄―日本『本土』貫く闘いで粉砕しよう」「沖縄から中東各地の戦場に出撃している。朝鮮反革命戦争遂行のための軍事演習が強化されている。国際連帯をかけて出撃阻止闘争、反戦・反基地闘争を闘おう」「本格的な改憲攻撃で朝鮮反革命戦争に突き進む安倍政府を打倒しよう。10月召集の反革命臨時国会を粉砕しよう」「『県外移設』を要求する知事は、オスプレイの『県外訓練』に『感謝する』と言っているが許しがたい。どこでやっても戦争のための訓練だ。基地・軍隊の存在そのものが諸悪の根源だ。『県外・国外移設』要求の誤りを突破して、オスプレイ撤去・普天間基地解体・名護新基地建設阻止を闘おう」「普天間ゲート前行動を丸1年闘ってきた。主力は60代以上の先輩たちだ。青年労働者、学生こそが先頭に起って闘おう」。断固たる訴えに市民や国内外からの観光旅行者の注目が集まった。

 在沖米軍の訓練が激化している。8月末、追加配備されたオスプレイの「部隊編成式典」が行なわれ、それ以後オスプレイの訓練はいっそう激しさを増している。8月27日、米ネバダ州においてオスプレイは着陸失敗後に機体が炎上する「大事故」を引き起こしたが、その原因究明もなされないまま「安全性」だけが強調され、基地周辺での旋回訓練が強行されている。危険な「ヘリモード」で宜野湾市や那覇新都心など人口密集地上空を特有の重低音を響かせ飛びまわっている。9月中旬には、4日連続で22時過ぎの訓練を実施、無灯火飛行まで強行した。まさしく沖縄労働者人民の生命の危険など省みることなく、実戦的な訓練を繰り広げているのである。また政府―防衛省は、10月上旬から中旬にかけて陸自・饗庭野演習場(滋賀)において実施される日米共同実動訓練と、10月下旬に高知県で実施される「南海トラフ沖地震」を想定した日米共同統合防災訓練にオスプレイが参加すると発表した。政府は、沖縄ブルジョアジーの要求である「県外移設」に応答するかたちで「沖縄以外の場所での訓練」を「負担軽減」として強調しているが、実際は普天間基地をオスプレイの拠点としてうち固める攻撃であることは明白だ。われわれは、155ミリ榴弾砲の実弾砲撃演習を粉砕する闘いの中で、「訓練移転」によって「負担軽減」とは正反対の状況が進行していることを暴露してきた。1997年から始まった実弾砲撃演習「本土移転」以後、キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブにおける実弾射撃訓練は、かえって激化し、山火事を多発させてきた。今年も9月23日現在で、すでに両演習場での山火事は計17件にのぼる。移転先では、沖縄でできなかった訓練が常態化している。日・米両政府は、「訓練移転」のもとで軍事機密を盾に情報を隠蔽し、訓練の拡大・強化を推進してきたのである。その一方で、マスコミ報道はほぼ消え去り、移転先の自治体の情報公開も形骸化した。政府のぶち上げたオスプレイの「県外での訓練」は、「負担軽減」をちらつかせることで闘いを分断・破壊し、「戦争のための基地は、沖縄にもどこにもいらない」と原則を貫き闘う沖縄労働者人民の反戦・反基地闘争を叩き潰すことが狙いである。すなわち、「訓練の『県外移転』で『負担軽減』してやるから、名護新基地建設を受け入れろ。そうしなければ普天間基地を固定化するぞ」という脅しである。「県外での訓練」にかかわる政府―防衛省の攻撃を撃ち破り、「県外移設」要求の誤りを突破し、沖縄―日本「本土」を貫く反戦・反基地・反安保闘争の飛躍をかちとっていかねばならない。

 情宣闘争では、とりわけ10代から20代前半の世代が鋭く反応した。「オスプレイ反対です」と訴えてくる中学生や、「がんばってください」とビラを受け取り丁寧に読み込む青年の姿もあった。われわれは、約1時間の闘いを断固として闘いぬいた。青年労働者、学生の組織化を推進し、普天間基地解体・名護新基地建設阻止の勝利を切り拓く決意である。