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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

9・28「普天間基地ゲート前行動一年集会」が開催される
〈沖縄〉 (1077号4面)

宜野湾市中央公民館で集会

 9月28日、宜野湾市中央公民館において、普天間爆音訴訟原告団、「沖縄平和市民連絡会」、「命どぅ宝・さらばんじぬ会」が主催する「普天間基地ゲート前行動1年集会」が開催された。本集会は、昨年9月末オスプレイ配備阻止を掲げて普天間基地ゲート前実力封鎖―占拠闘争を闘った地平を継承し大山ゲートと野嵩ゲート前での抗議行動を展開してきたメンバーが中心となって準備をすすめてきた。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会もその地平を継承・発展させるためともに闘いぬいた。

 午前11時、普段からゲート前で顔を合わせるメンバーが会場に集い、会場設営や写真展示などが行なわれた。午後1時過ぎ、司会者が「1年は区切りではあるが、もう一度大きなうねりをつくっていきたい」と本集会の意義を簡潔に説明し開会した。はじめに挨拶に立った普天間爆音訴訟団の島田善次氏は、「この闘いは人間性を回復する闘いだ」「あきらめない闘いをしよう。もの言わぬ民は滅ぶ。行動しない民も滅ぶ。『思っているだけ』ではダメだ」と檄を飛ばす。

 つづいて各報告にうつる。

 まず、「戦前の普天間基地」について詳細な報告が行なわれた。氏は「戦前は普天満宮を中心に松並木が広がる商店街だった」「参拝客でにぎわい、行商人の姿も多かった」など当時の喧騒が語られた。戦前の懐かしい話から戦中・戦後の話に入ると、会場も静まりかえった。「校舎は球部隊と石部隊にとられた」「10・10空襲では那覇の空が真っ赤に燃えていた。避難する人たちがたくさんやってきた」「普天満宮の洞窟に避難した。米軍上陸後、艦砲射撃が激しくなり南部へ行った人の多くは亡くなった。残った自分たちは4月2日に捕虜になった。その時初めて外国人を見た」「戦前は750人ほどの集落だったが、戦後は避難民が集まり1万人に膨れ上がった」、「伊佐浜が土地接収された。安仁屋部落もとられた。安仁屋は地図上から消えた」「土地接収の後、住民が出入りできないように基地がフェンスで囲われた」。「宜野湾市史」を参考にしながら自身の体験を交えた報告に惜しみない拍手が送られた。

「オスプレイファンクラブ」の敵対・破壊行動を粉砕せよ

 野嵩ゲート前行動の報告は、「普天間の危険性を担保に辺野古移設を進めようとする人たちがいる。絶対に許せない」と切り出された。とりわけ右翼の破壊行為や米軍の挑発行為に強い怒りを表明し、「子供たちが20歳になるまでに基地を撤去しよう」と呼びかけた。

 大山ゲート前行動の報告では、「オスプレイファンクラブ」なる反共・右翼ファシストの敵対・破壊行動が暴露された。「3月頃に『平和学習をしたい』と差し入れをもってやってきた。その後、毎週金曜日に25人ほどで『米軍いてくれてありがとう』という横断幕を掲げて登場するようになった」「お坊さんや学生風の装いでメンバーに近づき、インタビューを行なう者もあった。真剣に回答したら、その後自宅や職場などにまで連絡して個人攻撃を始めた」。さらに、「9月25日、仲間が基地の中に入って『土地返せ』『ノー・オスプレイ』と抗議しMPに拘束され、宜野湾署に送られ『刑特法違反』容疑で逮捕された。激励・抗議行動を行なった結果、27日に釈放された。1人にかけられた弾圧をはね返すためにみんなで行動しよう」と訴えた。

 映像を駆使した両報告は臨場感あふれるものであり、報告者の確固たる決意の表明に参加者は万雷の拍手で応えた。

 2004年8月13日沖縄国際大学へのヘリ墜落時に当該学生だった女性によるライブが行なわれた後、連帯挨拶にうつる。「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏は、「今日で辺野古の座り込みは3450日」「このかん辺野古ではCH46が六機編隊で登場した。沖縄高専の裏手にあるヘリパッドではタッチアンドゴーが行なわれている。辺野古の浜ではゴムボートの操作訓練が行なわれている」と激しい訓練の実態を明らかにし、「名護市長が11月29日までに知事に意見書を提出する。それに向けて市民に意見を募集している。学習会を開催し、市民からの意見書提出運動を行なっている」と活動の現状を報告した。最後に、「平和は政府から与えられるものではない。私たちの手でつくっていくものだ」と訴え締めくくった。

 連帯挨拶後、決議文が読み上げられる。「学校行事や地域行事のあるときも、米軍用機が爆音を響かせての軍事訓練を行なっています。緊急時の米軍用機着陸に普天間周辺の学校校庭を想定しているとパイロットらが発言しています。これは、まさに教育環境や生活環境を破壊するものです」「市街地のど真ん中にある『世界一危険な普天間基地』は即時閉鎖・返還すべきです」。

 閉会挨拶とガンバロー三唱で「平和市民連絡会」の城間勝氏が、「われわれを虫けら扱いする日本政府を許さない」と訴え、ゲート前行動を闘いぬく決意を表明した。集会には250人以上が結集し、盛況のうちに終了した。

オスプレイ撤去・普天間基地解体へ

 日・米両政府は、基地撤去をめざし実力闘争に確信を深める沖縄労働者人民の闘いを是が非でも叩き潰そうと躍起だ。7月参院選翌日には日米合同委員会において野嵩ゲート前のフェンス設置を合意し、その日の夜にメンバーの激しい抗議を排除して工事を強行した。その結果、見通しが悪くなり市民生活を危険にさらすこととなった。日・米両政府は、そんなことは構わないとばかりに、オスプレイ追加配備を前にゲート前のわずかな広場を基地内に囲い込んでゲート前行動を潰そうとしたのである。また、米軍の直接的な嫌がらせや妨害行為も強まっている。遠巻きにカメラを向けて撮影するにとどまらず、抗議のためにフェンスに取りつけた小旗などをメンバーの目の前でこれ見よがしに取り外すようなことまで始めた。

 さらに、安倍極右政府の反共・排外主義煽動のもとで跳梁する反共・右翼ファシストどもが闘いへの介入・破壊行為をくり返している。大山ゲート前で闘うメンバーが報告した「オスプレイファンクラブ」や反左翼を標榜する「チーム沖縄」などが、闘争現場に登場し罵詈雑言を浴びせかけ、ネット上でデマ宣伝を繰り広げている。また8月には、「普天間基地の危険性を除去し辺野古の米軍基地に統合縮小を実現する沖縄県民の会」なるグループが発足した。自民党沖縄出身国会議員の西銘恒三郎と島尻安伊子、「日本維新の会」の中山恭子、地元誘致派である元名護市長や市議会議員、「チーム沖縄」まで含むグループで、「辺野古移設推進署名」を大々的に行なうと息巻いている。

 闘う沖縄労働者人民は、こうした敵対・破壊の策動をはね返し、ゲート前抗議行動を頑強に闘いぬいている。8月には、追加配備阻止のゲート前実力闘争が爆発した。9月25日には、故障のため岩国基地で長らく滞在していたオスプレイが普天間に飛来し全24機の強行配備が完了したが、闘う沖縄労働者人民は基地に肉薄する闘いを継続する意思を示している。いま沖縄労働者人民は、警察が24時間態勢で防衛しなければ一日たりとも普天間基地の機能を維持できない状況をつくり出しているのである。われわれは、オスプレイ撤去・普天間基地解体・名護新基地建設阻止を断固として闘いぬく。大衆的実力決起を巻き起こし、必ずや勝利する。