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10・31第三次再審棄却策動粉砕 寺尾反革命差別「無期懲役」判決39ヵ年糾弾闘争へ結集せよ (1076号9面)

反革命差別「無期懲役」判決39ヵ年糾弾

 1974年、今から39年前の10月31日、東京高裁・寺尾は弁護側が要求した証人調べを行なわず、証拠調べもほとんど行なうことなく、無実の部落民=石川一雄氏に対し、「無期懲役」の反革命差別判決をうち下した。この判決は、「石川の命、わが命」を合言葉に、全人民決起で国家権力糾弾・打倒の闘いを闘いぬき、全国で狭山闘争の高揚をかちとりながら、部落解放運動の革命的飛躍・前進が切り拓かれてきたことに、恐怖と憎悪を燃やし、狭山闘争の解体と部落差別の強化・拡大をねらってうち下ろされたまさに反革命差別判決にほかならない。

 寺尾は、「部落差別問題関係の書籍をかなりの分量読んでいます」と20数冊の「部落差別問題関係の書籍」をあげ、さらに「一審は単純過ぎた。今まで研究してきた10倍の期間がほしい」と言い放ち、あたかも理解があるごとく装いながら、部落差別に関する証人を全て却下し、判決では一言も部落差別には触れないというペテンを弄した。そして、「捜査官がはじめから不当な予断と偏見をもって、石川氏を狙い撃ちしたことを裏付ける証拠はない」と差別捜査とデッチ上げ逮捕を全面否定した。石川氏無実と警察のデッチ上げを明らかにする数えきれないほどの証拠が存在していることを百も承知していながら、しかし、どんなに無実の証拠を積み重ねられようとも、すべて無視し居直り、「とにかく被告が『犯人』だ」と専断したのである。寺尾は、差別判決をうち下ろしておきながら、石川氏に対し「無期と言ってもまじめにつとめあげれば15年ほどで出られる」とヌケヌケと言い放った。寺尾反革命差別判決への怒りは決して消すことはできない。

 10・31判決は、日帝国家権力による狭山闘争の解体と部落差別の強化・拡大攻撃を明白にし、「公正裁判要求」路線の敗北を明らかにした。われわれは、第二審冒頭石川氏の「おれは殺していない!」との血叫びに応え、1976年9・17革命的人民によって敢行された寺尾への報復の鉄槌を支持しながら、戦闘的部落大衆とともに10・31判決を許したことへの正面突破をかけ闘いぬいてきた。この闘いの地平をさらに引き継ぎ、今なお「見えない手錠」に繋がれたままとなっている石川氏の怒りと無念を共有し、東京高裁・寺尾の「無期懲役」反革命差別判決39ヵ年を怒りも新たに徹底糾弾しよう。

第三次再審棄却策動粉砕! 狭山闘争の勝利へ

 狭山第三次再審闘争は、再審を申請してから8年目に突入し、まさにいつ決定が出てもおかしくない状況へと突入している。10月下旬には15回目の「三者協議」が予定されている。前回14回目の「三者協議」では新たに3点の証拠が開示されているものの、存在が明らかな筆跡の資料については「プライバシーにかかわる」としてこれを拒否し、弁護団が要求する石川氏無実を明らかにする物的証拠については、ことごとく「不見当」と言い放ち開示しようとしていない。弁護団が提出した「発見された時計は被害者のものではない」とする鑑定書に、検察は警察の捏造が明らかになることを恐れ、あわてて反論の科学警察研究所の鑑定と意見書を今年提出してきた。しかし弁護団は、その反論書に対する反論を8月29日に提出し、検察側の鑑定の誤りをことごとく明らかにしているが、検察は、証拠開示を拒否しながらますます弁護団と対峙する姿勢を強めている。

 司法―国家権力は、弁護団がどんなに石川氏無実の新証拠を提出しようと、これまでことごとく却下してきた。何よりデッチ上げた司法―国家権力が誰よりも石川氏の無実を承知しているのである。だからこそ東京高裁は、一貫して東京高検の小出しの証拠開示に対して出方を見据えながら傍観を決め込み、物的証拠についても「開示命令」も出さず、「再検討するように」などと手ぬるい態度を取り続け、いまだに事実調べを行なう素振りすら見せていないのだ。次回の「三者協議」は、10月末とされているが、石川氏の無実を明らかにする証拠開示をごまかしながら、東京高裁・河合がいつ棄却決定を出してもおかしくない状況が作られているのだ。

 今一度確認しなければならないのは、狭山事件が単なる「冤罪」事件ではないということだ。捜査・逮捕・取調べ、そして裁判のすべての過程で部落差別に貫かれている。石川氏の無実は誰が見ても明らかである。その上で司法権力は、どんなに石川氏の無実と証拠捏造の証拠を目の前に積まれようと、これを否定し「部落民である石川が『犯人』だ」としてデッチ上げ続けてきたのだ。「三者協議」によってあたかも第三次再審闘争が前進したかのごとく捕らえるのは、決定的に誤りである。

 「狭山事件」において、司法権力があたかも理解があるがごとく幻想を振りまいておきながら、実際には棄却判決・決定をうち下ろすやり方は、1974年の東京高裁・寺尾の反革命差別「無期懲役」判決以来、脈々と受け継がれてきた司法権力の常套手段なのである。このことは、「三者協議」が開催されてから今まで一度たりとも事実調べが行なわれていないことでも明らかである。司法権力は、これまで棄却決定を打ち下ろし続けてきた姿勢をまったく変えようとはしていないということだ。

 日帝国家権力は、朝鮮反革命戦争突撃のただなかで狭山闘争の解体と部落解放運動の戦争翼賛運動=ファシズム融和運動への転換にむけた本格的な攻撃へと踏みこみながら、第三次再審の棄却を策動している。狭山闘争の勝利は、司法―国家権力を追いつめてきた戦闘的闘いの地平を一歩も後退させることなく、闘いをさらに強固に打ち固め闘いぬく以外ないのだ。司法―国家権力に「公正・中立」を求めるような幻想を一切捨て去り、いかなるペテンも居直りも許さない闘いを叩きつけていかなければならない。

 石川氏の無実は揺るぎのないものであり、裁かれるべきは国家権力である。部落解放同盟内社民・こえ派は「冤罪」路線、「署名活動」を前面に押し出しながら、「三者協議」にのめり込み、「司法の民主化」をかかげ狭山闘争総体を切り縮めてきている。狭山闘争幕引きへの制動を突破し、東京高裁・河合が策動する第三次再審棄却攻撃を粉砕しよう。〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの基調を鮮明にしながら、階級的共同闘争の力で司法―国家権力に対し実力闘争・武装闘争を叩きつけ、第三次再審闘争勝利、狭山闘争の歴史的勝利へと進撃しよう。

部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとれ

 戦時下、差別主義・排外主義が激化し、全国で差別事件が激化している。差別落書き、差別ハガキや「土地差別」「就職差別」「身元調査」などの事件は後を絶たない。また、インターネットのサイトでの差別書き込み等の差別煽動がよりあからさまとなっている。部落解放同盟内社民・こえ派は司法権力を頼りとした「告訴・告発」方針を押し出しているが、より差別が拡大・強化されている。奈良の水平社博物館前で差別発言を繰り返した「在特会」なる極悪右翼ファシストは、「名誉毀損」で150万円の支払い命令が出された後もさらに差別煽動を続け、今では在日朝鮮人・中国人に対する「ヘイトスピーチ」が頻繁に引き起こされている。「告訴・告発」の方針の誤りが鮮明となっている。

 安倍極右政府は、いよいよ朝鮮反革命戦争への突撃を加速していく中で、部落解放運動解体攻撃を一気に推し進めようとしている。安倍は、かねてから「戦後レジームからの脱却」を叫びたて、改憲攻撃の尖兵として振舞ってきた。「人権侵害救済法」案を極右の立場から批判し「断固成立阻止」を叫びたてあっさりと葬り去った。その上で反朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、反中国―反共・排外主義攻撃を強めている右翼ファシストどもと連携して、朝鮮学校への助成停止を行ない、さらに北朝鮮への「経済制裁」を強めている。「従軍慰安婦」問題などの戦争責任問題についても、居直りを決め込んでいる。9月26日のニューヨークでの講演の場では、「私を右翼の軍国主義者と呼びたいのであれば、そう呼んでいただきたいものだ」とまで言い放った。安倍は差別主義・排外主義を煽るだけあおり、一挙にファシズムへと急接近しようとしているのだ。安倍極右政府による、部落解放運動のファシズム融和運動への転換攻撃を許してはならない。激発する差別事件に対しては、戦闘的部落大衆を先頭とする差別糾弾闘争の復権をこそ闘いとっていかなければならない。部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、部落解放運動の戦争翼賛運動=ファシズム融和運動への転換攻撃を粉砕して、朝鮮反革命戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争の大爆発をかちとろう。戦争遂行の安倍極右政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。部落差別の根底的廃絶を成しきり、部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、差別主義日共=全国地域人権運動総連合を解体し、右翼ファシスト、融和主義を粉砕し闘おう。


寺尾反革命差別「無期懲役」判決39ヵ年糾弾
10・31 狭山中央闘争
午後1時 日比谷野外音楽堂
主催 狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会
※集会後デモ