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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 9・10「君が代」不起立被処分者(=Yさん)に対する「再発防止研修」粉砕が闘われる (1076号7面)

研修センター前で「研修」粉砕を闘う

 9月10日、東京都教育委員会は2013年度入学式において不起立闘争を闘った都立O高校のYさんに対して、5月8日に続いて2回目となる東京都教職員研修センター(水道橋)での「再発防止研修」(「センター研修」)を強行した。2013年度入学式での被処分者に対しての「再発防止研修」(2回目)は8月16日に、O高校のKWさんに受講が強行されたが、この日は同じ入学式での被処分者では2人目で、今後、I特別支援学校のTNさんに対しては9月17日が予定されている。

 この日も残暑が厳しい朝を迎えた。午前9時には、都教委による不当な「再発防止研修」に怒る支援の教育労働者、教育労働者OB、市民団体などが研修センター正門前に布陣し、横断幕や旗を広げて抗議行動を開始する。この日の闘いには東京・山谷日雇労働組合の仲間も結集して連帯の行動をやりぬいた。

 この日の闘いを呼びかけた「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の共同代表・岩木氏が門前での抗議・支援集会の司会を担当。まず近藤徹事務局長が、結集した仲間たちにこの日の「再発防止研修」に対する行動のスケジュールを説明する。そして当該のYさんが到着すると、早速、「ガンバレー」「『再発防止研修』を許さんぞー」と激励と抗議のシュプレヒコールで送り出していった。

 門前での集会が続行される。「累積加重裁判」を闘ってきた近藤順一氏が9・5最高裁の棄却判決に対する弾劾と裁判支援へのお礼を述べる。その後、「被処分者の会」の九・九都教委に対する要請行動の経過と報告が近藤徹事務局長によって紹介された。要請行動では、都教委事務方が「要請文」などを都教委の委員に渡さず、勝手に握りつぶしていたことをめぐって要請行動に参加した仲間たちが怒りをたたきつけてきたことなどが報告された。そして、9・6の東京「君が代」第二次訴訟の最高裁判決への批判が展開された。

 次に、支援で結集している東京・山日労の仲間が、2013年山谷夏祭りへのカンパに対するお礼と簡単な夏祭り報告を行なった。

思想転向を強要する「再発防止研修」を許すな

 この日の午後、最高裁判決日を控えている河原井純子氏が、「本日の都障労組『君が代』裁判は3人が原告となって争ってきました。最高裁判決にはみなさんも結集してください」と呼びかけを行ない、「再発防止研修の呼び出しを拒否して授業をしたこと」を理由に都教委が行なった処分の取消裁判を闘っている福島氏がアピールを行なった。そして、門前での抗議支援の集会を一旦閉じ、「研修」終了後の再結集を確認していった。

 「研修」終了後の11時20分、再び門前に結集した仲間たちが、「研修」受講を終えて出てきたYさんを拍手で出迎え、ねぎらう。Yさんは、午前中の「研修」の後に、これから勤務校での5時限目の授業の準備に入らなければならない。そのため、門前でのあいさつも簡単に済ませると、勤務校に戻っていった。

 近藤事務局長が、この日のYさんに対する「研修」の内容を報告する。近藤事務局長は、「きょうも『研修』内容は、これまでとまったく同じ内容で、しつこく繰り返すことは、まさに拷問であり、思想転向の強要でしかない。本人もしっかりと、反省することはない、毅然と『研修』を受けた」と報告した。その後星野共同代表が、「きょうも私たちの抗議行動に対して、公安刑事が出張ってきている。また都教委の事務職員を門前に立たせてものものしい警戒態勢で違法な『研修』を強要している。人権侵害をやっているのは都教委であり、都教委の介入によって現場は『ブラック企業化』している。10・23通達から10年間、『君が代』強制に対して一貫して闘ってきている」とアピールする。また、午後の最高裁への注目と結集を呼びかけた。そしてこの日の行動の最後に近藤事務局長が、「2013年度入学式分の被処分者の最後の1人、I特別支援学校のTNさんに対して、9・17に『再発防止研修』を強制しようとしている。9・17に再び抗議と支援の行動にかけつけよう」と呼びかけ、シュプレヒコールを都教委にたたきつけてこの日の行動を終えていった。

 最高裁では相次いで「棄却」の不当判決がくだされている。しかし、「再発防止研修」の現場の闘いにも、大勢の仲間が結集し都教委を弾劾する闘いはひるまず貫徹されている。

 都教委の処分を許さず、また「君が代」強制を粉砕していくため教育労働者との共闘をいっそう強化していかなければならない。


9・17「君が代」不起立被処分者(=TNさん)に対する「再発防止研修」粉砕が闘われる

研修センター前で集会

 2013年度都立校での入学式の場で、教職員に対し「君が代」斉唱がまたもや強制された。2003年の「10・23通達」から10年が経過したが、都教委の強制にもかかわらず、式場の現場で、都の人事委員会や裁判闘争の場で、強制反対の闘いが教育労働者や労働者人民の粘り強い取り組みによって続けられている。

 都教委の介入は2003年以降、「日の丸」「君が代」問題をテコに飛躍的に強化されてきた。しかし、都教委の処分にも動ずることなく10年後の2013年も「教育への行政権力の介入」に抗い、不起立で闘う教育労働者が存在している。

 2013年度入学式では、3人の闘う教育労働者が自らの信念を守り、処分を受けつつも闘いに起ち上がった。

 その3人の教育労働者の仲間に対し、都教委は「再発防止」を名目にしながら、教育労働者1人ひとりを呼び出し、「研修」を強制的に受講させている。

 この間、2013年度入学式被処分者3人に対しては、5月8日に東京都教職員研修センター(水道橋)に呼び出して、まず第1回目の「再発防止研修」(「センター研修」)が強行された。その後、個別に各被処分者の勤務校での執拗な「研修」が繰り返され、その一連の総仕上げとして、再び、「センター研修」(2回目)を受けさせようというのだ。

 この2回目の「センター研修」は、第1回目の「センター研修」とは違って、わざわざ別の日に1人ずつを呼び出して行なうという陰湿なものだ。

 8月16日、9月10日と「再発防止研修」が強行され、最後のTNさんに対しての2度目の「研修」が9月17日に設定されたのである。

 TNさんは、今回の2013年度入学式以外にも直前の2012年度卒業式でも不起立を貫いた。そのため、この半年間で、TNさんは「センター研修」だけでも通算3回も受講させられている。また、以後の被処分者に対する処分が「戒告」止まりとなっているにもかかわらず、TNさんに対しては、「減給」処分を強行しているのである。

 この日は台風一過のすがすがし朝となったが、研修センター前には相変わらずものものしい厳戒態勢がしかれた。正面の通用門はバリケードで閉鎖され、内側には都教委職員が警備のために動員されている。研修センターの前の外堀通りをはさんで反対側の歩道には公安刑事がひしめき合っている。また、所轄の本富士署からはワゴンパトカーが張り付き、抗議の闘いに対する弾圧の体制で臨んでいる。

 9時、センター前の路上では「日の丸」「君が代」強制反対! の横断幕がガードレールに掲げられ、都教委の処分、再任用拒否などの取り消しを求め各裁判闘争を闘う原告の仲間も旗を掲げ、この日の闘いに結集した東京・山谷日雇労働組合の仲間たちも組合旗を高々と掲げて門前での集会に合流した。

違憲・違法の「再発防止研修」粉砕

 司会は、闘いを呼びかけた「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の共同代表である岩木氏が担当した。そして、同事務局長の近藤徹氏がこの日の行動について説明を行なった。近藤事務局長は、「『再発防止研修』は単なるイジメのため、不起立決起した仲間に精神的な拷問を加えて思想転向を迫る違憲・違法なものだ。私たちは何も反省することはない。都教委こそが反省すべきだ」と訴えた。TNさんの勤務校であるI特別支援学校の地元地域でTNさん支援の市民運動を担っている仲間、根津公子氏がアピールする。「研修」を受講する当該のTNさんが、研修センターに到着すると仲間たち全員がシュプレヒコールの声をあげ、センター構内に入っていくTNさんを激励する。門前での集会が続行される。「被処分者の会」の星野共同代表が発言し、司会の岩木氏は9月に連続して下された「君が代」処分の最高裁判決でも、「減給」以上の処分を受けた25人の仲間への処分を取り消すよう、命じていることに触れ、TNさんへの違法な「減給」処分を弾劾した。再び都教委に対して、そして現在、「研修」受講中のTNさんに届くようにと、激励のシュプレヒコールをあげ、前半の抗議集会を一旦閉じていった。

 「研修」終了直前の11時20分、再び研修センター門前に結集した仲間たちが集会を再開する。後半の集会の司会は、「被処分者の会」事務局の加藤氏が担当した。加藤氏は、この日で今年9回となる「再発防止研修」ではこれまで延べ500人を超える仲間が抗議の行動に参加したことを報告した。シュプレヒコールをあげている中、「研修」を終えたTNさんが研修センターから戻ってくる。TNさんは早速、門前での集会に合流し、今回の「研修」の内容の報告を行なった。TNさんは、「命令が思想及び良心の自由に反した場合には、再び『服務事故』とされる事態はあり得ると答え、控えめではあるが転向しない」とした。TNさんの決意を受け止め、近藤事務局長が三点に絞って今後の行動を提起した。「1、きょうの『再発防止研修』で一段区切りとなるが、都教委が今後も被処分者への「再研修」を課そうするならば、抗議の行動に駆けつけよう。2、都教委に対して要請の行動に起ち上がっていこう。3、『10・23通達』発出から10年、『通達』撤回をかちとっていこう」。最後に、怒りのシュプレヒコールを都教委にたたきつけ、この日の行動を締めくくった。

 大阪府では今年4月に就任した府教育長・中原が、府立全校に対して「教員が『君が代』をちゃんと歌っているか、管理職は目視で確認せよ」という通知を出した。この中原は、府立和泉高校の校長時に教職員の「口元チェック」を教頭に命じたという輩だ。

 エスカレートする「君が代」強制を打ち砕こう。