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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 9・1「防災訓練」=自衛隊治安出動訓練粉砕闘争を闘う 〈首都圏〉 (1076号4面)

千葉市蘇我駅頭で「九都県市合同防災訓練」粉砕を闘う

 9月1日の「防災の日」、全国各地で「防災訓練」が行なわれ、合計133万人が参加している。

 首都圏九都県市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市)の「九都県市合同防災訓練」は、開催スケジュールが各自治体の事情によって変則的に設定され、9月1日には、さいたま市、千葉市、横浜市、相模原市の各会場で行なわれた。千葉市の会場が今年度の主会場となり、警察、消防、自衛隊をはじめ124機関、1万1000人が参加した。政府は、首相・安倍、防衛相・小野寺などが関係閣僚として参加し、自衛隊のヘリが首相官邸から搬送している。

 千葉市中央区の蘇我スポーツ公園を会場とした訓練で自衛隊は、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の部隊が参加し、「上空偵察訓練」、「救出・救助訓練」等を行なっている。千葉港と周辺海域では、海上自衛隊の輸送艇による「救援物資輸送訓練」を行ない、市街地である蘇我地区周辺上空では、航空自衛隊の偵察機RF―4Eが高度600メートルという低空飛行で「上空偵察訓練」を行なっている。蘇我スポーツ公園では、自衛隊ヘリ、部隊がわが者顔で動きまわり、「ウオッチャー」ですら、「このヘリは何しに来たのかわからない、プログラム見ても書いてない」というものもある。自衛隊が会場を圧倒し、朝鮮反革命戦争遂行と表裏一体の治安出動訓練を行なっているのだ。

 こうした「防災訓練」=自衛隊の治安出動訓練に対して、反戦・全学連の部隊は粉砕闘争に起った。

 午前9時過ぎ、JR蘇我駅西口に反戦・全学連の部隊が布陣する。部隊は直ちに、『防災訓練』=自衛隊の治安出動訓練粉砕!」と書かれた横断幕を広げ、シュプレヒコールを行ない情宣を開始する。「自衛隊治安出動訓練を粉砕するぞ」「自衛隊主導の『九都県市合同防災訓練』を粉砕するぞ」「自衛隊と米軍の共同防災訓練粉砕」「戦時体制形成を粉砕するぞ」「関東大震災下朝鮮人・中国人虐殺を糾弾するぞ」「差別主義・排外主義攻撃を粉砕するぞ」と駅頭にシュプレヒコールが響き、労働者人民にビラが手渡されていく。「防災訓練」会場である蘇我スポーツ公園方向へ向かうバスに乗る高校生、若者、家族連れの多くがビラを受け取り、バス停でマイクの声に聞き入る。用意したビラのほとんどを撒ききり、再度のシュプレヒコールで行動を締めくくった。

 東京都は、天皇・天皇制と密接な関係にある「東京国体」の開催を優先させ、「東京都・あきる野市合同総合防災訓練」を九月ではなく11月23日に行なうとしている。しかし、警視庁は独自に、「警視庁震災警備総合訓練」と称し、9月1日午前9時から10分間(部分的には20分間)、首都・東京で120ヵ所に及ぶ大規模な交通規制訓練を行なった。都心を囲むように走る環状7号線から都心方向へ向かう42ヵ所に警察官を配置し、すべての一般車両を進入禁止とし、都心から放射状に郊外へ走る幹線道路(国道4号線、国道17号線、目白通り、国道20号線、国道246号線)の30ヵ所で一般車両の通行を禁止し、消防、警察、自衛隊車両のみが通行する緊急自動車専用路とした。また、国道二四六号線の多摩川に架かる新二子橋では、警視庁と神奈川県警が共同で車両通行禁止訓練などを行なった。

 都心部への車両の流入を阻止し、幹線道路を警察、自衛隊車両が制圧する、首都の封鎖・制圧のための訓練は、まさに労働者人民の決起に身構えた内乱鎮圧訓練の一環に他ならない。一昨年から3年連続で行なわれたこの訓練は、恒常的なものとしてなされようとしている。

増加する米軍参加の「防災訓練」、自衛隊と米軍の「共同防災訓練」を許すな

 「防災訓練」には自衛隊に加え、米軍の参加が増加している。東北・関東大震災時の「トモダチ作戦」で「好感を得た」として米軍に協力要請する自治体が増えている。前東京都知事・石原が東京都の「防災訓練」で米軍参加を数年にわたって推進してきたが、今や各地にこれが広がっている。反革命戦争の端緒をひらき労働者人民虐殺を担う米海兵隊をも投入する「防災訓練」とは、「防災訓練」に名を借りた朝鮮反革命戦争突撃訓練に他ならないのだ。

 「九都県市合同防災訓練」の一環として行なわれた神奈川県相模原市の「総合防災訓練」(9月1日)には、在日米陸軍相模総合補給廠(相模原市中央区)が大会場として使用され、自衛隊部隊と米軍兵士が多数参加している。

 「静岡県・富士宮市・富士市総合防災訓練」(9月1日)では、前日の8月31日、米海兵隊の輸送機が沖縄・普天間基地から、航空自衛隊の輸送機が宮城県仙台空港から静岡空港に到着し、部分的に空港を制圧し車両や人員を搬入した。「防災訓練」当日には、「津波被災者の搬送訓練」を行なっている。「静岡県総合防災訓練」に米軍が参加したのははじめてである。

 「九都県市合同防災訓練」の一環として行なわれた「神奈川県・平塚市合同総合防災訓練」(9月21日)では、湘南海岸公園で海上自衛隊のLCAC(上陸舟艇)から海岸に上陸し「救出・救助訓練」などを行なっている。在日米軍と自衛隊が主要に担った「医療支援訓練」「傷病者搬送訓練」とは、戦時における傷病者対応のための訓練に他ならない。まさに朝鮮反革命戦争遂行と一つのものとしての訓練だ。こうした訓練に陸海空の三自衛隊、在日米軍が多数参加し全体を主導している。

 防衛省は9月6日、10月上旬から中旬にかけて陸上自衛隊饗庭野演習場(滋賀県高島市)で日米共同演習を行なうとし、同時に、10月下旬に南海トラフ巨大地震を想定し、高知県沖および高知県内の自衛隊施設などを使用して、「日米共同統合防災訓練」を計画していると発表した。いずれにおいても普天間基地に配属されたMV―22オスプレイを投入するとしている。

 「日米共同統合防災訓練」について、その後明らかになったところでは、実施場所は、四国沖および陸上自衛隊高知駐屯地(高知県香南市)、航空自衛隊土佐清水分屯基地(高知県土佐清水市)、室戸市中央公園(高知県室戸市)。訓練項目については、「津波被害に伴う海上捜査・救難・患者輸送」、「孤立地域への物資等輸送」、「災害対処に係る関係機関・米軍との共同連携」である。「孤立地域への物資等輸送」では、米軍岩国基地を出発したオスプレイが陸上自衛隊高知駐屯地と航空自衛隊土佐清水分屯基地に飛来するという。「海上捜索・救難、患者搬送」では、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いせ」から発艦したオスプレイが岩国基地へ、自衛隊機は、航空自衛隊築城基地(福岡県)、航空自衛隊新田原基地(宮崎県)へ向かうとされている。防衛省は、「東日本大震災におけるトモダチ作戦を通じて得た経験も踏まえ、災害対処における米軍との連携を更に強固にする」「南海トラフ巨大地震について、自衛隊と米軍との連携要領の確立を図る」としている。こうした訓練が、沖縄労働者人民の基地への怒りと闘い、オスプレイ配備への怒りと闘いを蹂躙して強行されようとしているのだ。陸上自衛隊饗庭野演習場での日米共同演習に引き続いて行なわれる「日米共同統合防災訓練」とは、日帝足下労働者人民の決起を日米共同で武力鎮圧し、他方で朝鮮反革命戦争を遂行することを想定した訓練に他ならない。「防災訓練」の名の下での朝鮮反革命戦争突撃訓練だ。朝鮮反革命戦争遂行と表裏一体のものである。許してはならない。