ゲート前で実力攻防
8月5日に起きたHH60ヘリ墜落にともない、日・米両政府はオスプレイ追加配備の「延期」を決定した。これはヘリ墜落を契機として沖縄労働者人民の反戦・反基地闘争が大爆発することを恐れたためである。しかし、「事故原因」ひとつ明らかにされることはないまま、すぐに追加配備の「再開」が発表された。闘う沖縄労働者人民は、くり返される侮辱しきった対応に怒りを燃やし、オスプレイ追加配備阻止の野嵩ゲート前実力闘争に決起した。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会と沖縄・首里日雇労働組合もともに結集し闘いぬいた。
8月12日午前6時前、闘う沖縄労働者人民が野嵩ゲート前に結集する。ゲート前での座り込みを排除されたメンバーは、続いて国道中央ラインに立ち並んで抗議行動を展開した。ゲートをはさんで両側100メートル以上に拡がり、何としても基地機能に打撃を加えようとする戦術だ。権力は暴力的な排除をくり返すが、場所を変えて何度でも立ち並ぶ。次第にメンバーが増え、通勤してくる米兵が集中する七時前後には、メンバーが車両前に立ちふさがった。両手を拡げ車の前に立つ、「NO」と書かれたプラカードを米兵の目の前に突きつけるなど、あらゆる手段を駆使して米軍車両を止めた。10ヵ月を超えるゲート前抗議行動の際には悪態をついていた米兵も、この日は焦りで表情が歪んでいた。助けを求めるためか、しきりに携帯電話で連絡を取る者もいた。周辺は数百メートルにわたって渋滞したが、その最中もゲート前攻防を闘うメンバーに手を振る市民は少なくなかった。「7時50分にオスプレイ8機が岩国を飛び立つ」という情報が流れると、結集したメンバーの中には悔しさと怒りが渦巻いた。基地内からは米兵がカメラを向け挑発していた。権力は四方八方からカメラを回して弾圧の機会をうかがい、機動隊を大動員し暴力的な排除をくり返し行なったが、沖縄労働者人民は何度でも何度でも立ち向かい、必死の抵抗闘争が2時間以上にわたって繰り広げられたのであった。基地機能停止から基地撤去をかちとるため実力闘争に確信をもつ沖縄労働者人民は、創意工夫を凝らして実力闘争を展開したのである。
抗議集会で怒りを叩きつける
午前9時、「基地の県内移設に反対する県民会議」が主催する抗議集会が開催された。「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏は、「闘いの踏ん張りどころだ。あきらめてしまえば日米政府の思うつぼだ」と決意を表明し、「墜落したヘリを含む2機は、宜野座の山中で米兵の降下訓練をしていたようだ。戦場を想定した訓練の最中に墜落したということだ」と暴露した。普天間爆音訴訟団のメンバーは、「昨年9月の闘いから毎朝ゲート前で闘ってきた。警察が24時間365日警備しなければ軍事機能を維持できないことを確認しよう。抜き打ちでフェンスを作ったのも、警察では防げないという米軍の焦りだ」と闘いの前進を強調し、「オスプレイが配備され、普天間基地は朝鮮半島―アジアへ出撃する基地として強化されている。普天間基地を撤去するまで闘う」「わたしたちの闘いは、米兵を使い捨てにする米帝国主義軍隊に対する闘いでもある」と闘いの意義を訴えた。
10時前にはオスプレイの強行配備が迫る中、再び国道中央ライン上での攻防や歩道上の実力デモが開始される。司会より「八機が次々と着陸した」と報告されると、参加者はシュプレヒコールを叩きつける。中央ラインでの座り込みも行なわれた。
抗議集会では各団体から安倍政府への怒りが叩きつけられ、午後4時過ぎ、「オスプレイ1機が着陸し、本日9機目が配備された」という報告に参加者一同は悔しさを拳に託した。
12日までに11機のオスプレイ追加配備が強行された。岩国に残っているのはあと1機である。13日にはオスプレイの飛行訓練が開始され、16日には事故原因すら不明なままHH60ヘリの訓練が開始された。オスプレイ追加配備について安倍は、「住民の生活を第一に考える」「沖縄の負担軽減に全力を挙げる」と言い放っている。どれだけ侮辱すれば気がすむのか。蹴りあげて、踏みつけて、唾を吐きかける安倍政府に、沖縄労働者人民の怒りは頂点に達している。闘う沖縄労働者人民は、決して屈することなく、実力闘争への確信を深めている。われわれは、オスプレイ撤去・普天間基地解体・名護新基地建設阻止を断固として闘いぬく。沖縄―日本「本土」貫く団結を強化し、朝鮮反革命戦争遂行にひた走る安倍極右政府打倒・日帝国家権力解体へ進撃しよう。
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