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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

7・27「与那国島自衛隊配備にNO! 集会」が開催される
〈東京〉
(1072号5面)

自衛隊の与那国島配備を画策する安倍政府

 7月27日午後6時半から渋谷勤労福祉会館において、「ドゥナンチマ カティラリヌン 合意のない与那国島自衛隊配備にNO! 7・27集会」が開催された。主催は、「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」(関東一坪)。「ドゥナンチマ カティラリヌン」とは、与那国島の言葉で「与那国島を棄てられない!」を意味する。安倍極右政府による、朝鮮反革命戦争を見すえた与那国島への自衛隊配備に対する怒りが込められている。

 最初の主催者あいさつの後、沖縄の地元紙である「琉球新報」の東京支社報道部記者・問山栄恵氏から「沖縄への自衛隊強化の動向」と題する講演を受ける。冒頭の自己紹介の後、「沖縄は米軍だけでなく、自衛隊についても検証する必要を感じている」と切り出す。その後問山氏は、沖縄と東京での取材を通して掴んだ安倍極右政府の自衛隊配備の実像を丁寧に説明していった。

 安倍政府が、中国への「過剰な警戒感」を煽動し、防衛省の予算増額を皮切りとして、自衛隊増強を加速している。集会前日の七月二六日には、安倍政府は「防衛計画の大綱」の「中間報告」を発表しているが、「離島防衛」を前面に押し出し、無人機「グローバルホーク」導入や「海兵隊機能の拡充」などを次々にうちだした。安倍政府は、「米軍に頼らない防衛力強化」を掲げ、日米共同訓練を積み重ねており、「南西防衛」を掲げ、自衛隊の沖縄への配備増強を狙っている。その一環として与那国島に、「沿岸監視部隊」を配備しようとしているのだ。

 安倍極右政府は、「先島諸島=空白地帯」と言いなしながら将来的には、石垣島や宮古島への配備まで画策している。特に空自は、「中国の『領空侵犯』の『脅威』」を煽りながら、下地島空港への常駐を狙っている。さらに、「負担軽減」の名の下に、沖縄の米軍・自衛隊基地の「共同使用」が強化されようとしている。まさに、「専守防衛」なぞではなく、朝鮮反革命戦争遂行を見据え、朝鮮半島や中国への侵攻を念頭に入れた自衛隊強化が狙われているのである。特に、与那国島に自衛隊が常駐すれば、島全体が軍事拠点とされ、住民の生活が脅かされるのは明白である。

 こうした安倍極右政府の沖縄の自衛隊強化の実態を、問山氏は資料を使って詳細に暴露していった。

自衛隊の与那国島配備阻止への決意を固める

 次に、「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」で活動する与那国島出身の大仲尊氏が、「与那国島の反対運動」と題する、現地での闘いの報告を行なう。

 与那国島は台湾と100キロしか距離がなく、歴史的に国境なぞ関係なく台湾との交流を行なっており、今でも与那国島の住民たちは「国境防衛とは無関係に暮らしている」。そんななかでの自衛隊の与那国島配備が、台湾との住民レベルの交流を分断するものになるのは明白である。

 自衛隊配備が画策される場所は、与那国島の西方の、台湾を臨む海岸にある。そして、現町長・外間が「迷惑料10億円」と引き換えの自衛隊誘致を画策したり、あるいは「防衛協会」なる御用団体が前面に出て「自衛隊が来れば地域が栄える」なるデタラメを吹聴しながら自衛隊の与那国島誘致を煽動している実態がある。大仲氏は、「8月11日投開票の与那国町長選が一つの焦点になる」としながら、今こそ「誘致派」の策動を跳ね返して自衛隊の与那国島配備を阻止しなければならないことを、参加者全体に訴えた。

 さらに、大仲氏が撮影した与那国島での自衛隊配備反対運動の映像をスライド上映し、与那国島での現地闘争の熱気ある雰囲気を余すところなく明らかにしていった。特に、防衛省が二度に渡り「住民説明会」を開催して地域住民の取り込みを策動する場面では、「防衛協会」ら「誘致派」は前方のごく一部を占めるに過ぎず、その周囲を取り巻くように圧倒的多数の地域住民が陣取り、防衛省に対して激しい抗議を叩きつけていく場面が紹介された。防衛省は、2015年度に工事に突入する計画を明らかにした。

 その後、主催者からのカンパ要請アピールを経て、この日の集会に結集する諸団体からのアピールを受ける。「全国一般東京労組」、「練馬アクション」の2団体から、この間のそれぞれの取り組みが報告され、口々に自衛隊の与那国島配備阻止への決意が表明された。

 最後に、主催者である「沖縄・一坪反戦地主関東ブロック」より、切迫する普天間基地へのオスプレイ追加配備と対決する闘いと、高江ヘリパッド建設阻止への闘いが提起された。参院選で「大勝」した安倍極右政府が、かさにかかって〈基地・沖縄〉強化をさらに加速させるのは必至である。オスプレイ追加配備、名護新基地建設、高江ヘリパッド建設と、次々に状況が切迫している。そんななかで、今日の集会参加者全体で、今後も続く厳しい闘いを果敢に闘いぬいていく決意をうち固めた。