「報告会」に500人以上が結集
6月30日、東村農民研修施設において「ヘリパッドいらない住民の会」が主催する「高江座り込み6周年報告会」が開催された。沖縄内外より500人以上が結集した。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会も呼びかけに応え結集した。
午後2時、「報告会」が始まった。開会あいさつに立ったメンバーは、「これから正念場を迎える。いかなる事態にも対処できる決心が必要」と訴えた。つづいて、高江座り込み弾圧訴訟を担当する弁護団より、同訴訟の詳細な説明が行なわれた。6月25日に下された控訴審判決では、高江住民である伊佐真次氏の「5つの妨害行為」が認定された。弁護団がその「証拠映像」を流すと会場からどよめきの声が上がった。そもそも「妨害」といえるような行為ではない。伊佐氏の行為はモザイク処理された隣の人物と同じことをしているだけなのである。「証拠」自体が住民運動の「代表的人格」である伊佐氏を狙い撃ちにした弾圧訴訟であることを鮮明に示していた。さらに弁護団は、同訴訟が「闘いを委縮させることを目的としたスラップ訴訟である」と指摘し、「反原発運動でもスラップ訴訟が適用されている。国が経済産業省前の脱原発テントの撤去と土地明け渡しを求めた訴訟では、1000万余りの請求がつきつけられている」と説明した。最後に、「われわれは負けない。なぜなら勝つまで闘うから」と締めくくった。
次に、伊佐氏が発言に起った。「今年2月にヘリパッドが一つ完成してしまった。しかし、6年かけてやっと一つという状態だ」「作業員はゲートから入れず、山の中、藪の中から基地内に入っている。マングース駆除のステッカーを貼って車両を偽装して進入する手まで使っている」と現場の状況を説明し、「大阪の八尾に訓練を移設するという話があるが、私たちの要求は基地の移設ではない。戦争のない世界をめざす。基地は撤去だ」と闘う決意を表明した。
高江の子どもたちによるダンスが披露された後、支援団体より連帯あいさつを受けていった。「沖縄平和市民連絡会」の真喜志好一氏は、「6つのヘリパッドの場所選定の理由は、すべて『米軍の運用上につき』である」「ヘリパッドとして使用しているところにはノグチゲラの巣はない。これは国の資料に基づいている。これ以上建設を進めさせてはならない」と資料を駆使して訴えた。沖縄平和運動センターは、「国と裁判所が一緒になって闘いをつぶそうとしている。負けるわけにはいかない」「明日7月1日から工事がはじまる。人と車を出して工事を阻止しよう」「東村長はオスプレイ反対だが、ヘリパッド建設は容認している。村長への政治的圧力も強めよう」と訴えた。
高江ヘリパッド建設阻止へ
連帯あいさつの後、「非戦を選ぶ演劇人の会」による朗読劇「私の村から戦争が始まる」が披露された。そして、壇上に高江住民が並び、閉会あいさつと団結ガンバローで「報告会」が締めくくられた。
高江ではヘリパッド建設計画が持ち上がって以来、2度にわたって区民総会で反対決議をあげてきた。しかし、沖縄防衛局は反対の声を力でねじ伏せてきた。こうした国家権力の暴力的手法に対し徹底的に抗する住民たちが、2007年7月2日より座り込みを開始した。高江座り込みは、辺野古の闘いに学び、辺野古の闘いと一つの闘いであることを鮮明にして闘いぬかれてきた。わずかな人数で始まった座り込み闘争に名護新基地建設阻止の現地闘争を担ってきたメンバーが呼応し、次第に支援者が集まった。闘いは沖縄から全国へ発信され、あらゆる方法を駆使して闘いの輪を拡大していった。その結果、7月から翌年2月末までの工事期間には多くの支援者が現地に駆けつけ阻止攻防を担った。寝具を持ちこんでゲート前に泊り込みで阻止し続ける仲間や、早朝から国道沿いにのぼり旗を立てて反対を訴える仲間など現場にこだわりきるメンバーが牽引し、高江の闘いは高揚した。
こうした闘いの拡大に憎悪をもった国家権力は、闘うメンバーを司法の場に引きずり出し闘争潰しを画策した。2008年11月、国は八歳の子供を含む住民や支援メンバーを含む15人の「通行妨害禁止命令」を那覇地裁に求める仮処分を申し立てたのである。子どもを矢面に立たせ、現場にいないメンバーも裁判につきだすという卑劣極まりない攻撃に対し、住民をはじめ闘う沖縄労働者人民は怯むどころかますます怒りを燃え上がらせ攻勢的に裁判闘争を闘い、現場に結集した。国家権力の弾圧に怒りを燃やす沖縄労働者人民は、例えば2010年2月に防衛局職員および業者ら100人と対峙し連日にわたる肉弾戦で工事を阻止したように、実力闘争の地平を切り拓いてきたのである。
昨年は、オスプレイ配備の訓練場であるヘリパッド建設が一挙に加速した。高江住民と支援者は、オスプレイの訓練場であるヘリパッド建設を阻止する闘いとオスプレイ配備撤回の闘いが一つの闘いであることを訴え続け、高江現地では暴力的な工事強行を阻止するため粘り強く闘いぬいてきた。
高江の闘いは、昨年9月末のオスプレイ配備阻止のゲート前封鎖―占拠闘争で多くの仲間が実力闘争に確信をもった普天間基地解体・名護新基地建設阻止の闘いと結合することで勝利の展望を切り拓くことができる。われわれは高江ヘリパッド建設実力阻止の闘いに執着し、勝利に向けて奮闘する。沖縄―日本「本土」貫く団結を強化し、「戦争のための基地は、沖縄にもどこにもいらない」という原則に徹した反戦・反基地闘争を巻き起こそう。 |