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「君が代」不起立被処分者に対する「再発防止研修」粉砕が連続して闘われる (1071号1面・4面)

6・27「君が代」不起立被処分者に対する「再発防止研修」粉砕が闘われる
〈東京〉
(1071号1面)

二〇一二年度卒業式不起立のON氏に「再発防止研修」

 6月27日、東京都教育委員会は2012年度卒業式において不起立闘争を闘ったON氏に対して、4月5日に続いて2回目となる東京都教職員研修センター(水道橋)での「再発防止研修(センター研修)」を強行した。4月5日の1回目の「センター研修」後、ON氏ら卒業式被処分者に対しては、都教委の指導主事がそれぞれの所属校にやってきて「訪問研修」を2回実施している。その「訪問研修」の仕上げとして2回目となる「センター研修」を義務づけているのだ。

 2012年の1・16最高裁判決は、これまで都教委が強行した「10・23通達」にもとづく処分のあり方について、「戒告」を越える懲戒処分(減給・停職など)を「違法」と断じた。

 不起立闘争を繰り返す教育労働者に対して都教委は、「1・16最高裁判決」以前は2回目以上の不起立については段々と処分の質を重くしていくやり方=「累積加重処分」を強行してきた。しかし、最高裁判決によって処分の上限が「戒告」止まりとなったことにより、不起立闘争を何度でも闘う教育労働者に乱発してきた「累積加重処分」も出せなくなった。このため、都教委は不起立闘争への弾圧策として、1回の「不起立」に対しても何度でも「再発防止研修」を義務づけ、闘いを根絶しようとしている。

 1回目となる4・5「センター研修」においてもその「研修」内容は「1・16最高裁判決」以前よりも強化された。これまで「戒告」被処分者に対して受講させてきた「センター研修」では被処分者全員が一斉に受講する「全体研修」のみだった。「戒告」以上の被処分者に限っていた「個別研修」を昨年度からは「戒告」被処分者にも受講させるように、変更されている。

 つまり、都教委はより重い処分が出せなくなった代わりに、「研修」を何度でも繰り返し強制することで被処分者の闘いを鎮圧していこうとしているのだ。

 1回目の「センター研修」以上に2回目の「センター研修」は被処分者にとってはより圧力となるものである。2回目の「センター研修」では1回目と異なり、1人1人をわざわざ別々の日に呼び出して受講を強制しているからだ。同じ不起立闘争を闘った仲間から1人だけ切り離して都教委が、カンヅメ状態で被処分者に転向を強要する「研修」が押しつけられているのだ。

研修センター前で「再発防止研修」粉砕闘争

 6月27日、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の呼びかけに応えて、午前9時、研修センター前には「再発防止研修」を粉砕すべく、多くの労働者人民がつめかけ、都教委に対する抗議の闘いに起ち上がった。この日の行動には東京・山谷日雇労働組合の仲間たちも結集して闘いぬいた。

 併設されている都立工芸高校が授業中であるため、抗議行動はハンドマイクの使用を控え、すべて肉声で行なわれた。「被処分者の会」の星野共同代表が研修警備のために動員されている都教委職員に抗議のアピールを発し、門前での集会が開始される。まず、「被処分者の会」の近藤徹事務局長が抗議行動の時間割を説明し、そして結集している被処分の仲間たちが裁判闘争の経過や取り組みへの参加を訴えた。

 この日、受講のために当該のON氏は到着すると、簡単にあいさつを行ない、9時30分前に研修センター構内に入っていく。門前に結集する仲間たちは、「都教委はイジメ・転向強要の『研修』をやめろー!」「ONさんガンバレー!」とシュプレヒコールと拍手でON氏を送り出す。この後、「研修」終了後の11時20分、再び門前に結集した仲間たちが、「研修」受講を終えて出てきたON氏を拍手で出迎えた。ON氏はこの後、昼休憩もそこそこに、勤務校に戻って授業の準備などしなければならない。研修センターにわざわざ呼びつける都教委の行為そのものが被処分者の教育活動に対するまぎれもない不当な侵害だ。

 ON氏を見送った後、今後予定されている卒業式での被処分者の仲間に対する2回目の「センター研修」についても「研修」当日には門前に結集して抗議と激励の行動をやりぬこう、と行動提起がなされ、最後に都教委に対して怒りのシュプレヒコールを叩きつけ、この日の行動をしめくくった。

 都教委事務局は「君が代」強制などに対する教育団体・労働者人民などの都教委に対してなされてきた「要請文書」などを都教委員に報告・取り次ぐことをせず、事務局内部で勝手に握りつぶしていたことが新聞報道で明らかになっている。都議選の結果、自・公らが過半数を占める都議会となっている。「日の丸」「君が代」強制の攻撃もいっそう激しくなろうとしている。ますます反動化する都教委に対する労働者人民の追及の闘いを強めていかなければならない。


7・11、7・12、7・16「君が代」不起立被処分者に対する「再発防止研修」粉砕の連続闘争 (1071号4面)

7・11OT氏への「再発防止研修」強制を弾劾

 7月11日、東京都教育委員会は、2012年度卒業式で不起立を闘った教育労働者OT氏に対して、4月5日に続き2回目となる東京都教職員研修センター(水道橋)での「再発防止研修(センター研修)」を強行した。6月27日には、同じ2012年度卒業式で不起立を闘った教育労働者ON氏への2回目の「センター研修」を強行している。この日も「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」が都教委による「再発防止研修」への抗議、そして被処分当該の仲間への激励のために緊急行動を取り組んだ。

 朝9時、研修センター門前に集まってきた教育労働者、OB、労働者人民が横断幕や組合旗などをガードレールにくくりつける。そして門扉を閉ざして敷地内に張り付く都教委事務局職員たちと対峙しながら抗議のシュプレヒコールをあげる。

 「被処分者の会」の岩木共同代表の司会で門前での集会が開始しされた。この日の抗議・激励行動にも現役時代に「君が代」処分と「再発防止研修」を強制された経験をもつOBの仲間が多く結集した。東京・山谷日雇労働組合の仲間も結集し闘いぬいた。

 集会では、「授業してたのに処分」事件の民事訴訟を闘っている福島氏が発言に起ち、「再発防止研修」の実態を紹介し、自身の裁判闘争の経緯を報告した。次に、東京・山日労の仲間が、金町一家による山谷支配に対決してきた経過を紹介し、石原・猪瀬都政による山谷へのアブレ(失業)強制を許さず、都教委の「日の丸」「君が代」強制と対決する教育労働者と連帯していく決意を明らかにした。

 9時20分に、当該であるOT氏が抗議闘争に結集している仲間たちの輪に合流し、あいさつを述べ、研修センター構内に向かう。仲間たちはOT氏に「ガンバレー」「研修強制をやめろー」と激励と抗議のシュプレヒコールをあげ、見送った。そして、門前での集会と行動を切り上げ、「研修」受講後の11時20分に再度結集して、「センター研修」から戻ってきたOT氏と合流を果たすと、翌日以降に予定されている「再発防止研修」に対する再度の結集を確認してシュプレヒコールを都教委に叩きつけ、この日の行動を締めくくった。

7・12HY氏への「再発防止研修」強制を弾劾

 前日に引き続き、7月12日、「センター研修」を強制する都教委に対して午前九時から研修センター門前に教育労働者たちが駆けつけた。この日の闘いには東京・山谷日雇労働組合、東京都地域連合労働組合の仲間も結集し、朝からジリジリと照りつける太陽の日差しをはね返し、昼までの緊急行動を闘いぬいた。

 岩木共同代表の司会で門前での集会が開かれた。近藤事務局長が、「たった一人の被処分当該の仲間を、講師、記録係、所属校の上司である校長が取り囲んで思想転向を長時間にわたって強要していくものだ」とセンター研修の実態をあらためて弾劾する。また、都教委の教科書採択に対する不当介入をも暴露・弾劾した。「日の丸」「君が代」強制の問題に関して実教出版の「高校日本史」が「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と言及している。この実教版日本史教科書はすでに文科省の「検定」でも「合格済み」のものであるが、都教委は6月27日、「使用は適切でない」とする議決を都教委の定例会でわざわざ行ない、見解を公表した。これにより都立高校では実教版日本史教科書を断念する動きも出ている。このように現場の意向すら無視して、教科書使用に介入して特定の教科書を排除する攻撃に踏み込む都教委の姿勢を怒りを込めて近藤事務局長は批判したのだ。

 門前の集会から顔を出していたHY氏が9時20分になると仲間たちにあいさつをして、受講のために研修センターに向かう。仲間たちが当該のHY氏を激励して送り出し、集会を切り上げる。そして、11時20分には再び門前で集会を再開して、結集している仲間が裁判闘争の日程など報告も交えながら傍聴を呼びかけた。「研修」を終え、門前の集会に合流したHY氏をねぎらいの拍手で迎え、「勤務中」でもあるHY氏は緊急行動にかけつけた仲間たちにお礼を述べると午後の授業のために勤務校に戻っていく。HY氏を見送った後、近藤事務局長が連休明けの16日の「再発防止研修」の緊急行動への結集を呼びかけ、この日の行動を締めくくった。

7・16KB氏への「再発防止研修」強制を弾劾

 2012年度卒業式での被処分者に対する「センター研修」は7月16日のKB氏への「再発防止研修」で区切りとなった。この日も、9時から結集した仲間たちが、門前での集会を開き、当該のKB氏を激励して「再発防止研修をやめろ」「10・23通達を撤回しろ」と怒りのシュプレヒコールを都教委に対してたたきつけた。

 門前での集会では裁判闘争を闘っている河原井純子氏、近藤順一氏などが裁判闘争の報告を行なっていった。

 また、東京・山日労の仲間が山谷夏祭りへの支援の要請を行ない、司会役の岩木共同代表が、この日の行動に結集している仲間たちにカンパ袋を回して山谷夏祭り支援のカンパを促していった。

 9時20分になると、この日の「研修」受講の当該であるKB氏を拍手で送り出し、「再発防止研修」に対する怒りを込めたシュプレヒコールをたたきつける。

 11時20分、再び研修センター門前に結集して集会を再開し、「研修」を終えて出てきたKB氏を拍手でねぎらった。近藤事務局長は、「2012年度卒業式での処分関係の『再発防止研修』は今日で一段落となったが、8月16日には、いよいよ2013年度入学式関係の被処分者に対する2度目の『センター研修』が始まる。わざわざ被処分者を1人1人分断してセンターに呼びつけイジメ『研修』を強制していこうとしているが、支援のわれわれの行動は絶対にひるまない。『研修』を受けさせられる当該の思いを共有し、抗議激励の行動をやりぬいていこう」と次の闘いの提起を行なう。

 都教委は被処分者どうしの分断、そして支援との分断をねらって「センター研修」を1人1人別の日に設定して卒業式での「再発防止研修」を強制してきた。しかし当該の教育労働者を先頭に、連日の緊急行動に結集した仲間たちは都教委の分断攻撃をはね返して当該労働者を激励しながら都教委と対峙して闘いぬいた。

 安倍極右政府は「教育再生実行会議」を起ち上げて教育の国家統制の強化によって朝鮮反革命戦争とファシズムに労働者人民を動員していくことを狙っている。10年間にわたる都教委の「日の丸」「君が代」強制と対決してきた都立校での教育労働者の闘いの地平をいっそう打ち固め処分、「研修」の攻撃を粉砕していこう。「分限免職処分」攻撃を阻止していこう。