来る7月21日、「入院患者と連帯し宇都宮病院を糾弾し解体する会(糾弾し解体する会)」は、「報徳会宇都宮病院入院患者差別・虐殺29ヵ年糾弾! 現地闘争」を呼びかけている。「糾弾し解体する会」は、差別糾弾闘争と労働者階級との階級的共同闘争を堅持し、ねばり強く宇都宮病院糾弾闘争を闘いぬいてきた。「糾弾し解体する会」の呼びかけに応え、ともに宇都宮現地に決起しよう。
日帝国家権力は、2005年の「心神喪失者等医療観察法」施行、2010年7月の改悪「脳死―臓器移植法」全面施行、そして2013年5月の「障害者総合支援法」施行などを強行し、戦時「障害者」差別―抹殺攻撃を強めている。
「心神喪失者等医療観察法」では、「犯罪行為」の原因を「心神喪失状態」などを引き起こした「精神障害」と規定している。そして、「犯罪を行なった際の精神障害」が「改善」されるまでは「再犯のおそれ」があるから、特別な施設(保安処分施設)に隔離・拘禁するというのだ。保安処分施設に隔離・拘禁された人々は「精神障害者」としての存在自体を否定されるという、明らかな「精神障害者」差別法だ。また、国家権力が恣意的に、科学的根拠のない「再犯のおそれ」に基づいて「予防拘禁」できる点において、まぎれもない保安処分だ。「法」施行後5年間で、保安処分の適応を受けた「精神障害者」のなかから、「自殺」17人、「自殺未遂」23人が出ているとされているのは、「精神障害者」としての自己の存在自体が否定されるからである。「精神障害者」を隔離し抹殺することによって社会を守ろうとしているのだ。「心神喪失者等医療観察法」撤廃をかちとり、保安処分施設の建設阻止・解体をかちとれ。
法務省は、「精神障害者」に対する保安処分導入に続き、保安処分の適用対象を拡大することを狙い、「初犯者」「薬物犯罪者」を対象とする「刑の一部執行猶予」「社会貢献活動」という名の新たな保安処分導入をもくろんできた。世界大恐慌爆発情勢が煮つまる中、改憲―核武装に突き進む安倍極右政府は労働者人民の犠牲の上に延命しようとしており、弾圧を強化して労働者人民の反撃を押しつぶすため、今国会で「刑法」と「更生保護法」を改悪し新たな保安処分を導入しようとしている。これを許してはならない。
「障害者」の自立と解放を阻む悪法=「障害者自立支援法」を一部見直しただけの「障害者総合支援法」が、2012年6月20日に成立し、2013年4月1日から施行さている。「障がい者制度改革推進会議」の「総合福祉部会」が提言した「サービスの原則無料化」「サービスを受ける際は障害程度区分に基づかず、本人の意向が最大限尊重される仕組みにする」などの「骨格提言」のほとんどが無視されており、多くの「障害者」が必要な介護(時間・内容)を受けることができないままだ。また、自治体によっても差はあるが、「社会通念上適当であると市町村が認めた場合以外の宿泊のためのヘルパー利用禁止」「政治活動のためのヘルパー利用禁止」など、「障害者」が自立と解放を実現するために不可欠な活動が規制される。「障害者総合支援法」による介護の商品化は、「障害者」と介護者の間に介護事業者という資本を介在させ、介護を資本の利潤追求の手段に変質させ、〈共闘・共生〉の条件を破壊していくものである。「障害者総合支援法」撤廃をかちとり、介護の商品化を粉砕せよ。
2010年7月には、改悪「脳死―臓器移植法」が全面的に施行され、旧法では「臓器提供の場合に限り脳死を人の死とする」考え方が「脳死を一律に人の死とする」考え方に変更された。本人が拒否の意思表示をしない限り、家族の承諾のみでの「脳死―臓器移植」が可能になり、「脳死―臓器移植」がますます増加し、一八歳未満の「脳死―臓器移植」も強行されている。「脳死―臓器移植法」を粉砕せよ。
富山・射水市民病院での人工呼吸器の取り外しによる七人の患者虐殺を契機として、「安楽死・尊厳死」法制化攻撃が強化され、2007年には「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」が策定されている。一方、超党派の国会議員でつくる「尊厳死法制化を考える議員連盟」は2012年3月、「終末期」の患者が延命措置を望まない場合、延命措置を始めなくても医師の責任が問われないとする「法」案=「尊厳死法」案を公表した。「尊厳死法」案は、「適切な医療を受けても回復の可能性がなく、死期が間近と判断される状態」を「終末期」と定義し、15歳以上の患者の意思が書面などで明らかで、2人以上の医師が「終末期」と判断すると、人工呼吸器の装着や人工栄養の補給を始めなくても、医師は民事、刑事、行政いずれの責任も問われないとするものである。国会への「法」案の上程はなされなかったものの、「尊厳死法制化を考える議員連盟」は「尊厳死」法制化に向けた動きを続けている。優生思想の強化を許さず、「安楽死・尊厳死」法制化を粉砕せよ。
全障連が生命力を失い、歴史的使命を終えた今、全障連の歴史的地平を継承・発展させ「障害者」差別糾弾闘争を闘える新しい全国組織=全国「障害者」解放運動共闘会議の結成をなんとしてもかちとらなければならない。差別糾弾闘争の前進かちとり、「障害者」差別―抹殺攻撃を粉砕せよ。改憲と核武装に突撃する安倍極右政府を打倒せよ。「報徳会宇都宮病院入院患者差別・虐殺29ヵ年糾弾! 現地闘争」の断固たる勝利を、闘う「精神病者」「障害者」とともにかちとろう。
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