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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

5・8 「君が代」不起立被処分者に対する「再発防止研修」粉砕が闘われる〈東京〉 (1060号6面)

 都教職員研修センター前で抗議

 都立の高校、特別支援校では3月の卒業式に続いて、2013年度の入学式でも都教育委員会による「日の丸」「君が代」の強制に対して現場教育労働者が不起立の闘いを貫いた。

 都教委は2013年度入学式での3人の不起立教育労働者に対して、4月26日、減給1人、戒告2人の処分を強行した。そして、5月8日には東京都教職員研修センター(水道橋)に呼び出して被処分の当該の教育労働者3人に対して「再発防止研修」を強制的に受けさせた。卒業式での被処分者に対する「再発防止研修」が4月5日に行なわれたが、それからわずか1ヵ月後に「君が代」闘争に対する報復の「研修」を再び強行したのだ。

 5月8日の朝8時30分、都教職員研修センター前には教育労働者をはじめ多くの労働者人民が詰めかけ、都教委に対する抗議の闘いに起ち上がった。約70人を超える仲間が参加し、「研修」の受講に出頭した3人の仲間への激励と都教委に対する抗議の行動を研修センター前に張りつき闘いぬいた。この日の行動には東京・山谷日雇労働組合、そして東京都地域連合労働組合の仲間も合流した。

 この闘いは、授業中のためハンドマイクは使用せず、肉声で行なわれた。「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の星野共同代表が、都教委の職員に対して抗議の呼びかけを行ない、その後澤藤統一郎弁護士が都教委に申し入れを行なった。澤藤弁護士は「先月もここに来て、本日と同じようにあなた方に抗議と要請の申し入れをした。しかし、こんな近くでマイクを使いながら、私の声はあなた方の耳に届かなかったようだ」と抗議し、「研修」の違法性について明らかにしながら、都教委の職務命令に従って警備などで動員されている都教委職員個人の責任についても説いていった。

 この後、受講のために研修センターに入構する当該の3人の仲間たちを結集した労働者人民が「ガンバレー」のシュプレヒコールで送り出した。

 午前11時30分、仲間たちは研修センター前に再度結集し、「全体研修」を終えて外に出てきた被処分者の1人の仲間を出迎え、引き続き「個別研修」を受講している2人の仲間に向かって激励のシュプレヒコールをあげていった。

都教委の「懲罰・弾圧」を許すな

 午後12時30分、「個別研修」を終えた田中氏、川村氏がセンターから出て外の仲間と合流した。4月の「再発防止研修」を強制されこの日も受講を命じられた「減給」処分を受けている田中氏は、「『研修』は前回の卒業式でのそれと同じ内容。職務命令に従うことをどの講師も言うだけだった。良心に基づけば、従えないことには従えない」と報告した。川村氏は「窓のない地下室での『研修』は想像以上に寒く、それ自体がイジメだ。国旗・国歌の尊重を何十回もくりかえし言われた。『再発防止研修』のあり方を問題にしていきたい」と語った。そして最後に、「個別研修」を受けていたもう一人の仲間を迎えいれて、度重なる「再発防止研修」への怒りのシュプレヒコールを都教委に対してたたきつけていった。

 今回の研修センターでの出張の「研修」の他に、被処分者の当該の労働者に対しては、今後も2ヵ月の長期にわたる所属校での「個別研修」が義務付けられ、そして再度、研修センターでの2度目の「研修」が強制されようとしている。

 この日の抗議と激励の緊急行動を呼びかけた「被処分者の会」の近藤徹事務局長が「決して都教委の『懲罰・弾圧』に屈しない。これ以降も続く都教委の違法・不当な『君が代』強制と処分、『研修』を許さず闘っていこう。処分撤回を求めて裁判闘争が続いている。各裁判への傍聴支援、そして最高裁への要請行動にも力を集中して闘っていこう」と呼びかけ、最後に再び都教委に向けて「『再発防止研修』をやめろ!」「都教委こそ反省しろ!」と怒りをたたきつけていった。

 安倍極右政府は「教育再生」を掲げてより一層、権力による教育への介入・支配をねらった「教育委員会制度改革」、教科書検定制度での「近隣諸国条項」の排除などを策動している。排外主義が強まる中で「日の丸」「君が代」の強制と右翼ファシストどもとの激突はさらに激しくなっていく。朝鮮反革命戦争突撃にむけて強まるこうした攻撃と対決し、教育労働者の闘いを守りぬき安倍・橋下・石原らファシストによる「君が代」攻撃を打ち砕いていこう。