台東区清川区民館でメーデー集会
5月1日、東京・山谷日雇労働組合は、台東区清川区民館において山谷メーデー集会をかちとった。この集会は多くの山谷労働者、支援の仲間が結集し闘いとられた。
午後1時、司会の仲間の開会あいさつをうけ、全国各地の寄せ場でメーデーの行動を闘っている仲間から山谷メーデー集会に寄せられた連帯メッセージが紹介される。
「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は、「3月に入って俺たち『釜ヶ崎労働者の会』は、釜ヶ崎で唯一、業者(資本)に『春闘要求書』を突きつけて闘った。大阪府と大阪市に対しては『仕事を出せ』と要求してきた」「釜ヶ崎では、四月から年度替わりとなり、すさまじいアブレ状況だ。自らの受けてきた苦しさ、くやしさ、怒りを爆発させ、路上や病院で殺されていった仲間たちの無念を晴らすべく闘いに起ちあがっていこう」。福岡・築港日雇労働組合は、「この春、日本経団連が打ち出した『定期昇給制度』の解体と『仕事・役割・貢献度』によって賃金に差をつける『新たな昇給制度』などにより、5000万労働者の九割もの仲間を、俺たち日雇い労働者と同じ使い捨ての『非正規雇用』の労働者にしてしまおうという攻撃が吹き荒れている。資本のドレイではなく、資本の鉄鎖を打ち砕く戦士としての誇り高き生き方を選び取る労働者の団結と闘いが今こそ必要だ」「『反戦・仕事よこせ』の闘いの爆発で、安倍極右政府打倒に攻めのぼれ。ともに闘おう」。沖縄・首里日雇労働組合は、「沖縄でも安倍政府による攻撃が強まっています。4月28日を『主権回復の日』として『記念式典』を強行しました」「沖縄労働者人民は『式典』開催に対し抗議の声をあげています。われわれ沖日労も仲間たちとともに怒りをもって4・28沖縄人民解放闘争に決起しました。新たな仲間も加わり、着実に闘いを前に進めることができたことを報告したいと思います」。
各寄せ場の仲間からの連帯メッセージにつづいて、支援の仲間からの連帯メッセージが紹介される。東京都地域連合労働組合は「今、安倍政府は『九割非正規化』を狙い、労働者使い捨てをさらに推し進めています」「『アベノミクス』は、一部の金持ちだけを優遇したものに過ぎません。財政赤字のツケを労働者人民に押しつけ、経済の危機を逃れようとしています。『復興増税』が開始され、来年からは『消費税増税』の攻撃が強行されようとしています。さらには『生活保護費』までも削減しようとしています。絶対に許せません。こんな安倍政府は打倒するのみです」。
次に、山谷メーデー集会にかけつけた神奈川県地域連合労働組合が連帯あいさつを行なう。神奈川の仲間は「安倍が進めようとしている環太平洋パートナーシップ協定(TPP)で農・漁民の生活が破壊されようとしているが、労働者の権利も剥奪されようとしている。原発政策でも大飯原発に続き、安倍政府は再稼働をねらっている。原発を止めるためには現場での闘いが必要だ。5月には青森県・大間原発建設阻止のデモが予定されている。ともに闘っていこう。地域で闘っている労働者、争議を闘っている労働者、全国で闘っている労働者を支援していく運動を広げていかなければならない。安倍政府を倒し、労働者の権利と生活を守っていくため、今後も山谷の仲間と共に闘っていきたい」。
東京・山日労を強化し、都行政への反撃と「仕事よこせ」の爆発を
東京・山日労が集会基調を提起する。「アメリカ・シカゴ労働者が八時間労働制を要求してゼネスト・デモに決起したのがメーデーの始まりだ。日本でも1920年、第1回メーデーが開催され、1952年には皇居前広場に行進したデモ隊と警官隊とが衝突し、流血のメーデー事件が発生した。メーデーとは全世界の労働者が団結して、血を流し、パクられようとも殺されようとも、資本家・権力者どもと不屈に闘い、労働者の権利を守るために闘ってきたものだ」「3月25日には、寄せ場春闘集中行動として、全国寄せ場交流会の隊列で、日本建設業連合会(日建連)との代表団交渉、厚生労働省との団体交渉を闘い、日本経団連を弾劾する闘いをやりぬいてきた。とくに日建連との代表団交渉では、会員企業である大手ゼネコンが福島で受注した『除染事業』での不正を追及、公共事業設計労務単価どおりの賃金を支払うこと、ピンハネ業者をなくすよう要求し、日雇雇用保険に入らずに日雇い労働者を雇い入れている業者の問題について追及した。そして、不正を生んでいる重層下請け問題を解決していくために『直接雇用せよ!』と要求をたたきつけた」「世界中で、労働者人民の闘いが怒りの決起を拡大している。日本で失業にもっとも苦しむ日雇い労働者が『仕事よこせ』『戦争反対』をかかげて国家や資本に怒りをたたきつけていくことが世界で拡大する労働者人民の闘いにつながっていく。俺たち日雇い労働者も、全世界労働者人民の闘いと連帯し、『国境』をこえた団結をつくりあげていこう。安倍極右政府の登場によって改憲と核武装、朝鮮反革命戦争の危機が高まっている。労働者の闘いで安倍政府を打倒していこう」。基調が、参加者全体で確認された。
休憩をはさんで、1952年に製作された映画「ひめゆりの塔」が上映された。太平洋戦争末期に天皇の命によって強制された沖縄戦では沖縄労働者人民が徴用された。米軍の艦砲射撃にさらされ、日本軍によって「集団自決」(集団強制死)が強要されていった。沖縄戦に動員されたひめゆり学徒隊の悲劇を描いたこの映画でも、沖縄戦の実相をとらえている。安倍政府は、4月28日を「主権回復の日」などと称して「式典」を強行したが、この日本政府の「独立」と引き換えに沖縄などが引き続き米軍政に叩き込まれていったのだ。先日の4・28沖縄人民解放闘争にも山谷から多くの仲間が参加している。「ひめゆりの塔」を見た仲間たちは、沖縄にとっては「4・28」が決して忘れることのできない「屈辱の日」であることをあらためて確認していった。
山谷メーデーには今回もはじめて結集した仲間がいる。そうした新しい仲間も含めて、山谷における東京都行政の仕事減らしなどの攻撃について、仲間たちが討論を交わしていった。都産業労働局は、山谷対策特別就労事業の仕事量を一昨年に続いて昨年度も大幅に減らした。また、城北労働・福祉センター(センター)を通じて行なっているアブレた仲間たちへの宿泊の援護予算が昨年度より約3000万円も削減されている。現在、センターの仕事紹介や宿泊などの援護を受けるためには、利用者カードを所持していなければならない。カードは1年度ごとに更新をしなければならないが、3月の更新ではカードを取り上げられたり、新規に発行されなかった仲間たちが出ている。
東京都による仕事減らし、城北センターによる利用者カードの発行制限やカード取り上げを許すことなく、山谷労働者の団結をうち固め闘っていくことが必要だ。その軸となる東京・山日労を強化していかなければならない。積極的な討論を通じて、メーデー以降の「仕事よこせ」の闘いを参加者全体が確認していった。
最後に、メーデー参加者全体でシュプレヒコールをあげ、山谷メーデーの集会をしめくくった。 |