霞ヶ関へデモ隊が進撃
刑法改悪阻止関東活動者会議(刑関活)は4月1日正午、東京において、「障害者総合支援法」施行糾弾闘争を闘いぬいた。
全障連で闘う「障害者」をはじめ全国の闘う仲間が東京の水谷橋公園に結集するなか、刑関活が基調を提起する。「『障害者自立支援法』を一部見直しただけの『障害者総合支援法』が、本日から施行されようとしている。われわれは、政府との『政策協議』に期待を寄せ破綻を強制された運動とは区別され、政府―厚生労働省を徹底糾弾し、『障害者総合支援法』施行を実力で阻止すべく本闘争を闘おう」「介護の商品化を粉砕しよう」「差別糾弾闘争で闘おう」。基調は拍手で確認され、デモに向けた決意を固める。
いよいよ、デモに出発だ。「『障害者総合支援法』施行糾弾!」「『障害者』抹殺攻撃粉砕!」「刑関活は闘うぞ!」。デモ隊はシュプレヒコールを挙げながら、政府―厚労省を徹底糾弾するため進撃する。霞ヶ関を通り、厚労省前でシュプレヒコールをたたきつけ日比谷公園までのデモを戦闘的に闘いぬいた。
日比谷公園に到着後、寄せ場で闘う仲間が「優生思想と闘う富山市民」からの連帯メッセージを紹介する。「私は、『社会的な富やサービスを作り出すことができない=役に立たない』という特別扱いが、『障害者』差別・優生思想の根本にある、と思っています。『ヒトとして生きていること自体』を尊重しあうことが原則だ、と考えています。そういう点において、『障害者総合支援法』に対しては反対の立場です」「『障害者』差別と優生思想に対し、ともに闘いましょう」。メッセージに拍手が送られた。
次は、決意表明だ。全障連東北ブロックで闘う仲間は、「『障害者総合支援法』施行を絶対に許すわけにはいかない」「宮城においては『障害者自立支援法』によって介護支給時間を削減された全障連東北ブロックの仲間と共に粘り強く闘い、今年3月に大幅な増加をかちとった。しかし、名取市は介護支給時間の削減を画策し、当事者に通告するという行為を行なっている。これを許さず、この間の闘いの地平を強化し、『障害者総合支援法』撤廃まで闘いぬいていく」「差別糾弾闘争を闘う全国『障害者』解放運動共闘会議の結成に向けて奮闘する」と、最先頭で闘う決意を明らかにした。
関東で闘う「障害者」の仲間は「『病者』と『障害者』と健常者が共に差別と闘って生きていく関係を作り、介護の商品化に貫かれた『障害者総合支援法』をなんとしても撤廃していこう」と訴えた。
新たな保安処分導入を阻止せよ
大阪で闘う「障害者」は、「『介護の商品化』については一切問題にせず、差別禁止法を求め差別糾弾闘争を闘わない『障害者』運動を許すことはできない」「地域で『障害者』があたり前に、どんな重度の『障害』があろうと、施設ではなく社会の中で生きていくことをかちとっていきます」と訴えた。
全障連中四国ブロックで闘う仲間は、「全障連中四国ブロックで一貫して『障害者』解放運動を担ってきた先達、同志吉川肇造が今年2月23日、心不全で亡くなった。私は、同志の遺志を引き継ぎ、広島において『障害者』解放運動をやりぬいていきます。全国『障害者』解放運動共闘会議の結成を彼に報告できるよう、全力でがんばります」と力強く発言し、闘争参加者からの大きな拍手が巻き起こった。
最後に、司会が7月「心神喪失者等医療観察法」施行八ヵ年糾弾! 対国立・精神医療研究センター(旧武蔵病院)デモと、報徳会宇都宮病院入院患者差別・虐殺28ヵ年糾弾!
現地闘争への結集を訴え、シュプレヒコールをあげて、闘争を締めくくった。
法務省は「心神喪失者等医療観察法」による「精神障害者」に対する保安処分の導入に続き、保安処分の適用対象を拡大しようとしている。
2006年、法制審議会「被収容人員適正化方策に関する部会」が設置され、「初犯者」「薬物犯罪者」を対象に「刑の一部執行猶予」と「社会貢献活動」を強制する新たな保安処分導入が狙われてきた。2010年には原案が答申され、これまでも改悪法案が国会に提出されてきたが、保安処分の適用対象拡大に対する反対闘争によって廃案に追い込まれてきた。しかし、安倍極右政府は3月22日、「刑の一部の執行猶予」と「社会貢献活動」の導入を盛り込んだ「刑法」・「更生保護法」の改悪案を閣議決定し、今国会での成立を目指すなぞとしている。
「刑法」・「更生保護法」の改悪案は、「薬物使用等の罪を犯した者」は「再犯率」が高い、「初犯者」は「再犯」の恐れがあると決めつけ、「刑の一部」を長期にわたる「執行猶予」として課し、「保護観察」即ち「執行猶予取り消し」の恫喝のもとに「社会貢献活動」を強制することによって、「善良な社会の一員」なるものにするとしている。「刑法」に「再犯の恐れ」を導入して保安処分の適用対象を拡大する攻撃である。「刑法」改悪―新たな保安処分導入を阻止せよ。
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