不当逮捕50ヵ年を徹底糾弾せよ
1963年5月23日、埼玉県狭山市で起こった「女子高生誘拐殺人事件」の「犯人」として、無実の部落民=石川一雄氏が不当逮捕された。5月1日、行方不明となった女子高生の自宅に届けられた「脅迫状」をもとに、翌日、身代金を受けとりにくる「犯人」を取りおさえるべく国家権力は40人以上の捜査官を張り込ませたが、「犯人」を取り逃し、その2日後、女子高生は死体で発見されている。2ヵ月前の「吉展ちゃん事件」でも犯人をとり逃し、吉展ちゃんが死体で発見されていることから、世論の批判が集中し焦った国家権力は何が何でも「生きた犯人を捕まえろ」との号令のもと、「犯人は知能程度が低く土地に詳しいもの」「20万円を大金だと考える程度の生活」だとして、マスコミや住人をも動員して被差別部落への予断と偏見を煽りたてた。そして、200人もの捜査員が被差別部落を取り囲み、被差別部落に差別捜査を集中し、当時ハッキリとしたアリバイがなかった石川氏に目をつけ、5月23日早朝、寝こみを襲うように石川氏に対して別件でのデッチ上げ不当逮捕を強行したのである。
警察の取り調べは、最初から女子高生殺害に集中している。国家権力は別件での起訴後の6月17日、石川氏をいったん釈放し警察の敷地を出る間もなく、すぐに再逮捕を強行した。そして、拷問のような取り調べと、「おまえの代わりに兄を逮捕する」「10年で出してやる」などとウソとペテンで「自白」を強要したのである。
「狭山事件」は捜査段階から、逮捕、取り調べ、裁判のすべての過程において部落差別に貫かれている。不当逮捕から50年たった今なお、石川氏は「見えない手錠」でつながれたままである。
石川氏の怒りと無念をわがものとし、石川氏不当逮捕50ヵ年を怒りも新たに徹底糾弾しよう。
第3次再審棄却策動を粉砕せよ
「狭山事件」は発生から今年5月1日で50年目になる。5月23日に石川氏が不当逮捕されて50年、狭山闘争は山場を迎えている。1月30日に行なわれた第12回目の「三者協議」で検察側は、意見書と捜査報告書など19通の証拠を開示している。開示された証拠は、手拭い・腕時計・自白の「秘密の暴露」に関わる捜査報告書などである。3月末には新たに26点が開示された。これは手拭いの捜査に関するもの。しかし、弁護団が求めた未開示の証拠はいまだに開示されていない。これまでも犯行現場とされた雑木林のルミノール反応検査書類など石川氏無実を明らかにする物的証拠については「不見当」をくり返し、殺害現場に関する証拠は一切開示しようとしていない。石川氏の無実を明らかにする物的証拠については、「一切開示する必要が無い」とあくまで開示拒否の姿勢を貫いている。弁護団は開示された証拠について精査し、さらに証拠開示を迫っていくとしている。5月には第13回目の「三者協議」が予定されており、まさに山場を迎える。
司法―国家権力は、弁護団が提出してきた新証拠をこれまですべて却下してきた。脅迫状と石川氏の筆跡は誰が見ても違うことが明らかであっても、「心理状況で筆跡は変わる」として、却下を強行してきたのだ。今一度肝に銘じなければならないのは、決して司法―国家権力に「公正・中立」の幻想を持ってはならないと言うことだ。司法権力は山場を迎えた狭山の担当から小川をはずし、第四刑事部裁判長に静岡地裁所長であった河合健司を就任させ、さらに陪席裁判官も3人のうち2人が新任となり、新たな体制で次回の「三者協議」が行なわれる。第3次再審棄却策動の動きがさらに加速されるのは目に見えている。これまでも門野、岡田、小川と交代してきたが、一貫して東京高検の小出しの証拠開示に対して出方を見ながら傍観を決め込み、弁護団が強く求めている石川氏の無実を明らかにする物的証拠については「開示命令」すら出していない。何より「三者協議」開始から3年半以上経過しているにも関わらずいまだに事実調べを行なう素振りすらない。その上で、改悪「刑事訴訟法」を理由とした「三者協議」の密室化がますます強まり、証拠開示を拒否する東京高検と、事実調べを拒否する東京高裁のペースで「三者協議」が進行してきた。他の冤罪事件と比較しても「狭山事件」だけが頑なに「三者協議」の日程すら秘密裏にされ密室化が強行されている。司法―国家権力は都合が悪い証拠、石川氏の無実が明らかになる証拠の開示をごまかしながら、一気に第3次再審棄却へと持ち込もうと策動しているのだ。司法―国家権力に対する階級的共同闘争と徹底した実力・武装の闘いで、東京高検に全証拠開示を、東京高裁に事実調べを迫る徹底糾弾を叩きつけ、第3次再審棄却策動を粉砕しよう。
第3次再審闘争勝利、狭山闘争の歴史的勝利へ
狭山―第3次再審は2006年5月23日の請求から7年を迎える。「三者協議」開始からは3年半が経過し、後は事実調べか石川氏無実を明らかにする物的証拠の開示か、東京高裁・東京高検ともに迫られている。石川氏不当逮捕から50年という節目の5月には第13回目の「三者協議」が予定され、狭山闘争はいよいよもって正念場に突入する。
司法権力はどんなに石川氏無実の証拠が提出されようとこれを全て却下し続けてきた。何よりも国家権力は石川氏の無実を誰よりも承知している。にも関わらず、デッチ上げ逮捕し、ありもしないウソの「自白」を強要し、証拠を捏造し、反革命差別判決を打ち下ろし続けてきた。どんなに石川氏の無実と証拠捏造の証拠を目の前に積まれようと、これを否定し「部落民である石川が『犯人』だ」としてきたのだ。それは、狭山闘争が戦闘的部落大衆と労働者人民との階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で部落解放運動の飛躍を切り拓き、国家権力糾弾・打倒の闘いとして闘いぬかれてきたことに何よりも恐怖しているからだ。だからこそ朝鮮反革命戦争が目前に迫る中、日帝国家権力は、狭山闘争の解体こそ最大の目的であるとして反革命差別棄却・決定を強行し続けているのだ。部落解放運動総体を解体してファシズム融和運動へと再編し戦争翼賛勢力に組み込みながら、すべての労働者人民の闘いを体制内化・翼賛化へと一気におとし込めるための攻撃に他ならない。棄却を強行し続ける司法権力を徹底糾弾しなければならない。
狭山闘争は、差別裁判、階級裁判を強行し続ける国家権力を徹底糾弾し、打倒する闘いである。司法―国家権力への闘いを放棄して勝利をかちとることはできない。石川氏の無実は揺るぎのないものであり、裁かれるべきは国家権力なのだ。
部落解放同盟内社民・こえ派は「三者協議」にのめり込み、これまでも歴史的な闘いである5・23闘争、10・31闘争を度々放棄し「司法の民主化」運動、「冤罪」路線へとすり替えながら狭山闘争の幕引きを加速してきた。部落解放同盟内社民・こえ派の策動を許してはならない。石川氏は3月8日の埼玉集会において「やはり裁判所はきちっと証拠調べをしなければならない。この狭山事件は事実調べが始まれば100パーセント私の無実・無罪は明らかになると思う」「あと30年、40年も生きたいと思いますので、また高裁前で情宣したい。ぜひサポートをお願いしたい」と檄を飛ばした。そして石川氏は発言の度に「今年中に決着をつけるべく、不屈の精神で闘っていく」と闘いへの熱い決意を明らかにしている。石川氏不当逮捕から50年の今年、血叫びをあげ、不退転で闘う石川氏の固い決意に何としても応えきっていかなければならない。差別裁判を強行し続ける司法―国家権力に対する「公正・中立」の幻想を一切捨て去り、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の旗幟を鮮明に、階級的共同闘争、大衆的実力闘争・武装闘争の爆発で、第3次再審闘争勝利へ進撃しよう。狭山闘争の歴史的勝利をかちとろう。
部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとれ
安倍政府は、いよいよ朝鮮反革命戦争への突撃を加速していく中で、部落解放運動解体攻撃を一気に加速しようとしている。かつて民主党主導の野田政府は「人権侵害救済法」案を少しだけ焼き直した「人権委員会設置法」案を閣議決定し、成立させようとした。しかし、昨年12月の総選挙で安倍・自民党が大勝し、安倍政府の発足のもと、国会提出が見送られている。安倍は、かねてから「戦後レジームからの脱却」を叫びたて、改憲攻撃の尖兵として振舞ってきた。安倍は「人権侵害救済法」案を極右の立場から批判し、「断固成立阻止」を叫びたててきた。差別主義・排外主義を煽るだけあおり、一挙にファシズムへと急接近しようとしている。
資本主義の危機の深化の中で、部落差別はますます拡大・激化している。「土地差別調査事件」は不動産会社・広告会社・調査会社が一体となって部落差別を行なっていたものだ。また、昨年1月には「在特会」なる極悪右翼ファシストが奈良の水平社博物館前でハンドマイクで差別発言を繰り返す事件が起きている。これに対して、昨年6月に150万円の慰謝料だけの判決が奈良地裁から出された。「在特会」はさらに悪辣な暴言を吐き散らしながら、在日朝鮮人・中国人に対する差別デモを頻発に行ないファシズム突撃の尖兵としてますます突出している。部落差別落書き、差別ハガキなどの事件は後を絶たず、またインターネットなどを使った悪質な差別煽動がなされている。こうした事件に対し、部落解放同盟内社民・こえ派は「告訴・告発」を全面化している。「告訴・告発」の方針化は差別糾弾闘争を破壊し、差別者を擁護し、部落差別を拡大させるだけであり、差別者を変革することはできない。全国で激発する差別事件に対しては、徹底した差別糾弾闘争で闘いぬくことでこそ、部落差別の根底的廃絶をかちとることができるのだ。
部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、差別糾弾闘争の復権をかちとろう。ファシストどもの悪辣な差別煽動を打ち砕き、部落解放運動の戦争翼賛運動=ファシズム融和運動への転換攻撃を粉砕し、今こそ部落解放運動の革命的飛躍を切りひらけ。
朝鮮反革命戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争の大爆発をかちとろう。日帝の核武装を核心とした原子力政策の原発再稼動をもっての維持と延命を許さず、反核・反原発・反核燃闘争の爆発をかちとり、日帝の核武装を阻止しよう。国家権力の強化と労働者人民の統制・管理支配攻撃としての「マイナンバー法」案を打ち砕こう。戦争遂行の安倍政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。差別主義日共=全国人権連を解体しよう。差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、天皇主義右翼ファシストを撃滅しよう。
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