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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

「埋立申請」阻止!名護新基地建設阻止!
3・19「県民集会」を闘う
  (1053号8面)

 熱気あふれる集会に二〇〇人以上が結集

  3月19日、「県民広場」(那覇)において「基地の県内移設に反対する県民会議」主催の「政府は埋め立て承認申請提出を断念せよ! 知事は受け取り拒否を! 辺野古新基地建設を許さない県民集会」が開催された。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会も呼びかけに応え結集した。参加者は200人を超え、会場を埋め尽くした。発言者は誰もがこの1年間の闘いを「正念場」と位置づけ、「埋立申請」間近の緊迫感あふれる集会となった。

 午後6時、結集した闘う沖縄労働者人民は「政府は『埋立申請』提出を断念せよ!」「名護新基地建設を断念せよ!」「普天間基地へのオスプレイ追加配備を撤回せよ!」「普天間基地を返還せよ!」「高江ヘリパッド建設に反対するぞ!」と力強いシュプレヒコールで気勢を上げ、集会を開始した。はじめに司会より、「3月末にも『埋立申請』が出されようとしている。基地の押しつけを許さない団結と決意を示していこう。本集会をその第一歩として、県民に闘いを呼びかけ、『埋立申請』を断念させ、辺野古を断念させよう」と集会開催の意義が訴えられた。

 主催者あいさつの後、「県民会議」構成団体からの発言がつづく。辺野古現地で闘い続ける「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏は、「昨日、『県民会議』として沖縄防衛局に『埋立申請』を提出しないよう要請してきた。武田局長は『県民の理解を得るよう努力する』と繰り返すだけだった」と報告し、問答無用で強行しようとする防衛局の姿勢を徹底弾劾した。さらに、「名護漁協が埋め立てに同意しているが、宜野座・石川・金武の各漁協は反対している。辺野古では誘致派として13年務めてきた大城区長が選挙で変わった。新たな風が吹き始めている。辺野古現地の闘いと同時に、県民ぐるみの闘いをつくっていこう」と訴え締めくくった。「沖縄平和市民連絡会」のメンバーは、「1月の東京行動では右翼が『国賊』と悪罵を投げつけてきた。『沖縄バッシング』があちこちで始まっている。こうした動きを背景に安倍政府は急速にかつ急激に右傾化を始めている」「『県』は『申請の通達が来たら粛々と進める』と言っている。そんなことを許してはならない」と熱く訴えた。

 集会の終盤に入り、約6ヵ月にわたって普天間基地ゲート前で抗議行動を闘いぬくメンバーが紹介された。「私たちには覚悟が必要だ。日・米両政府は『県』民がどれだけ闘えるか見ている」と訴え、「次の世代に基地を残していいのですか? ノーなら一緒に闘おう」と呼びかけた。

 最後に司会より、「環境アセス『評価書』の提出阻止を闘った地平を引き継いで、『埋立申請』提出を阻止するため提出先とされる北部土木事務所を包囲する闘いをやろう」との提起を受け、「団結ガンバロー」で集会を閉じていった。

 集会後、ただちに国際通りのデモに移る。「『埋立申請』提出を断念せよ」、「『県』民団結して闘おう」という呼びかけに、店先に顔を出した労働者や通りを歩く観光者は手を振って応えた。参加者は約30分のコースを、団結と決意を訴え闘いぬいた。

名護新基地建設阻止に全力決起を

 名護新基地建設を推進することで一致した日米首脳会談を弾みとして、安倍政府は一気に攻撃を強めている。まず、政府―防衛省は首脳会談のわずか4日後にあたる2月26日、辺野古海域の漁業権をもつ名護漁業協同組合に対し、埋め立てについて「同意書」を提出するよう申請した。名護漁協の組合長・古波蔵は「埋め立て同意は間違いない。あとは補償問題だけ」と恥ずかしげもなく語る基地誘致派であり、長年にわたって政府―防衛省が飼いならしてきた輩だ。水面下で「補償交渉」も進めてきた。だから、政府―防衛省は余裕をもって進めればよさそうなものであるが、「同意書」提出申請の手口は悪辣そのものであった。まず防衛相・小野寺が、26日午前中に「同日中に提出する」と宣言、それとほぼ同じタイミングで防衛局職員が競り市場に走り担当者へ封筒をこっそり手渡したのである。政府は体裁ばかり取り繕っているが、現場職員は頑強な阻止闘争の影におびえきっていた。

 「同意書」提出の申請をうけた名護漁協は、3月11日に臨時総会を開き、埋め立てへの同意を賛成多数(反対2人)で決定し、「補償交渉」を役員に一任した。「埋立申請」の「県」への提出時に漁協の「同意」は必須条件ではないが、知事が埋め立てを「承認」する際にはその「同意書」が不可欠だ。政府―防衛省は、「地元が埋め立てを容認した」と宣伝し、新基地建設阻止闘争を叩き潰そうと攻撃を強めている。仲井真「県」政に対し「振興策」で揺さぶりをかけつつ、それに加えて漁協の「同意書」をとりまとめ「県外移設」要求を維持する知事につきつけ屈服を迫ろうというのである。

 誘致派は「補償額」だけに関心を持つ集団であり、今後も腐臭を放ち続けるだろう。政府の圧力と誘致派の恫喝にさらされてきた漁民らの想いは一様でないにせよ、地域社会を育んできた海を捨てて国が落とす「補償金」に自らの生活を託したのである。そこに一体どんな未来があるというのか。一方で、辺野古埋め立てで漁場が破壊され生業を奪われる危機感をもつ宜野座・金武・石川の各漁協は「埋め立て反対」を表明している。

 闘う沖縄労働者人民は、政府の圧力や反共・右翼ファシストの闘争破壊に屈することなく、普天間基地解体・名護新基地建設阻止を頑強に闘いぬいている。4月28日を「主権回復の日」「独立を認識する節目の日」と位置づけ、沖縄労働者人民を未来永劫にわたって踏みつけ続けることを宣言した安倍政府に対する怒りはますます拡大している。われわれは日米安保粉砕、普天間基地解体・名護新基地建設阻止の闘いを断固として推進する。正念場の闘いを担いぬく中から闘う団結をつくり出す。「埋立申請」手続きをズタズタに切り裂き、実力闘争の拡大・発展を核心にすえて名護新基地建設阻止を闘いぬく。沖縄―日本「本土」貫く闘いで安倍極右政府打倒・日帝国家権力解体へ進撃しよう。