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2・27 高レベル核廃棄物搬入止闘争を闘う〈青森・六ヶ所〉
(1051号7面)

 2月27日、終日闘争を闘う 

 2月27日、青森で反核燃を闘う仲間と「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の仲間は、むつ小川原港において青森・六ヶ所村にある核燃再処理工場への高レベル核廃棄物搬入阻止闘争を闘いぬいた。

 午前6時15分、気温マイナス4・1度、前日の記録的大雪をものともせず「弘前核に反対する会」の仲間と「『有事法制』に反対する宮城県実行委員会」の仲間は高レベル核廃棄物を積載した「パシフィック・グリーブ号」の入港を阻止すべく、むつ・小川原港の桟橋近くのゲートの前に布陣する。2010年から日本原燃は、「ガラス固化体が核物質防護対象となり、輸送情報管理を義務付けられた」として「到着日を事前に公表しない」としている。闘う仲間は港を監視し、岸壁に搬入用のクレーンが設置されておりボートでの港内探索が開始されたことから、搬入が強行されようとしていることを察知してシュプレヒコールを開始する。7時45分「パシフィック・グリーブ号」が港の入口に姿を見せる。仲間はさらに声を大にして「高レベル核廃棄物搬入を阻止するぞ!」「六ヶ所への核廃棄物の搬入阻止!」とシュプレヒコールをたたきつけた。

 午前10時から「核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会(阻止実)」主催の集会が開始される。「阻止実」の仲間は「高レベル核廃棄物が六ヶ所に搬入されてからすでに18年たっているが最終処分場さえ決まっていない。もうこれ以上高レベル核廃棄物を出すべきではない」と発言する。続いて、「弘前核に反対する会」の仲間が「青森県知事が核燃サイクルをこれからも継続してくれと経済産業相に頼み込んでいる。絶対に許せない。高レベル核廃棄物の搬入を絶対に認めるわけにはいかないし、再処理工場の稼働も許すわけにはいかない」と発言する。結集した地元の農民、六ヶ所村の住民も力強いアピールを行なう。

 午後0時45分、陸揚げのためのクレーンがキャスクを釣上げようとする。この日搬入されるキャスクは一体、中にはガラス固化体28本が格納されている。ガラス固化体は人が1メートル以内に近づけば即死するレベルの放射線を発生させている。こんなものの搬入を許してはならない。集まった仲間は力いっぱいシュプレヒコールをたたきつける。キャスクは「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」に搬入されるが、仲間たちはこれを実力で阻止すべく闘いぬいた。

 今回、日本原燃が六ヶ所に搬入した高レベル核廃棄物は、関西、中部、中国の電力三社から発生した使用済み核燃料の再処理をイギリスに委託していたものである。2880本を貯蔵できるとする原燃施設にはこれで1442本の高レベル核廃棄物のガラス固化体が貯蔵されたことになる。日本原燃は、2019年度までにイギリスから約800本のガラス固化体を六ヶ所村に搬入しようとしている。絶対に許してはならない。

安倍極右政府による改憲―核武装を許すな 

 日本原燃は1月16日、六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場のB系ガラス溶融炉で行なった最終試験で、設計時の性能である毎時70リットルを上回る廃液を処理できたと発表、トラブル続きであったA系溶融炉の最終試験も今春始めるとした。そして1月31日には日本原燃とリサイクル燃料貯蔵(RFS)が2015年度までの施設利用計画を「原子力規制委員会(規制委)」に提出した。「規制委」は12月をめどに核燃料サイクル施設の新しい「安全基準」を策定するとしているのだが、原燃社長・川井は「操業しながらある程度の期間で建設する設備もある。新安全基準は当然そうなるものと期待している」なぞとし、使用済み核燃料の再処理工場と中間貯蔵施設(むつ市)を10月までに「完成」させ、「規制委」の「新安全基準」なぞないものかのように「操業」を強行しようとしているのだ。

 すでに、日帝が保有する核分裂性プルトニウムの量は国内外に約30トンあり、それは長崎型原爆数千発分に相当する。再処理工場を本格稼働させ、これに加えてプルトニウムを年に約5トンずつ生産していこうとしている。核武装に向けて大量のプルトニウムを保有し、さらに量産体制を確立しようとする日帝にとって、「原子力の平和利用」を建前とする国際的な批判をかわすためには保有するプルトニウムを原発の燃料として使用すると強弁するしかない。そのためにプルトニウムを原発の燃料として使用するフルMOXの大間原発建設を強行し、核燃料サイクル基地なぞと称して青森を日帝の核武装に向けた前線基地にしようとしているのだ。こんなことを許してはならない。

 再処理工場は「原発一年分の放射能を一日で出す」といわれており、高レベル放射性廃液は冷却できなくなると1日で沸騰する。高レベル核廃棄物の「最終処分場」も確定していない。にもかかわらず青森県知事・三村は1月に経産相・茂木と会談、茂木は「大間原発など設置許可がなされているものは、建設を進めていく」「(核燃料サイクルは)国策として継続していく」と、核武装に向けた日帝の原子力政策を強力に推進していくことを確認しあっている。

 青森現地の反核燃闘争や反原発闘争と結びつき、再処理工場と中間貯蔵施設の「本格操業」を阻止し、核燃料サイクル基地を解体しよう。大間原発建設を阻止しよう。改憲と核武装に突き進む安倍極右政府を打倒しよう。