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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

「君が代」不起立処分撤回!大阪行動 (1047号6面)

 1・18 「『君が代』不起立処分及び再任用取り消しの撤回 対府教委 署名手交・抗議集会」が開催〈大阪〉

 1月18日、大阪府庁前において、「『君が代』不起立処分及び再任用取り消しの撤回 対府教委 署名手交・抗議集会」(主催:「日の丸・君が代」強制ええんかい!「競争」「強制」の教育でええんかい! 私たちは黙らない! 2・11全国集会実行委員会)が開催された。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間も大阪府庁前での行動をともに闘った。

 大阪府庁前に教育労働者をはじめ闘う労働者人民が結集し、午後4時30分より集会が開始された。

 まずはじめに、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪事務局代表の黒田伊彦氏より発言を受ける。黒田氏は、「昨年2012年7月から処分撤回、再任用拒否取り消しを求める署名運動を行なってきた。4378筆の署名を本日手渡す。昨年2012年1月17日に、大阪府の教育長が『君が代』起立・斉唱の職務命令を教職員に出した。今日の行動は、今年1月16日に行なわれた大阪府教育委員会議で、『君が代』起立・斉唱の確認・決定を出すであろうということに対する先制攻撃ということで設定したが、1月7日の府立学校校長会で昨年1月17日の教職員への職務命令は生きている、その通りに執行せよという校長への指示が行なわれた。むこうの方が先手をとったという状況」だとし、「今日の集会は第1弾。第2弾として、明日19日に、人事委員会に対して不服申立をしている7人を中心とする支援集会を開く。私たちは継続的に、きたる卒業式・入学式における闘いをつくりあげていきたい」と決意を明らかにした。

 つづいて、東京から駆けつけた「予防訴訟をすすめる会」共同代表の永井氏が発言を行なう。永井氏は、「2003年の10・23通達から10年になるが、不起立は今年もゼロということはないだろう」「東京では、来年度4月から、指導教諭という制度が導入される。教育内容そのものを統制していく攻撃。言われたことをただ教えればいい、教員をティーチングマシーンにしていこうというものだ」と東京の状況を報告し、また都知事選において「連合東京」が先頭にたって猪瀬を支持していたことについて触れ、「改めて労働運動を立て直していく必要性を感じている。みなさん、ともにがんばりましょう」と発言を締めくくった。

 「奥野さんを支える叫ぶ石の会」、大阪市の「入れ墨調査」拒否処分当該の労働者、東京の「君が代」不起立被処分当該の労働者の発言のあと、午後5時、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪事務局代表の黒田氏が大阪府教育委員会への抗議・申し入れ書を読み上げ、署名手交が行なわれる。「君が代」不起立被処分当該の支援団体が次々と抗議文を読み上げ、大阪府教育委員会に手渡していった。

 昨年「君が代」不起立を闘い、処分された当該の労働者3人がそれぞれ、処分撤回にむけた闘いの決意を明らかにし、最後に、大阪府庁にむけたシュプレヒコールで行動を終えていった。

1・19 「『君が代』不起立処分撤回! 人事委不服申立者を支援する集い」が開催〈大阪〉

 1月19日、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪とグループZAZA(「君が代」不起立処分大阪府人事委員会不服申立当該7人)の主催で、「『君が代』不起立処分撤回! 人事委不服申立者を支援する集い」が120人の結集で開催された。前日1月18日の対大阪府教育委員会行動に引き続き、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間も参加し、ともに闘った。

 最初に、主催者を代表して、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪事務局代表の黒田伊彦氏のあいさつを受けた。黒田氏は冒頭、「反撃の第二弾として、この集会が持たれていることをまず確認したい」とした上で、「私たちの闘いはゼロやマイナスから出発しているわけではない。長年の裁判闘争で一定の文言をかちとっている。起立・斉唱を義務化することによって、立つ、立たないという自分の政治信条、生き方を権力の前に表明しなければならないという、踏み絵を踏まされるというのは、思想・信条の沈黙の自由に反しているということは当然だ」と、「日の丸」「君が代」強制の不当性を弾劾した。黒田氏は、昨年2012年の豊中市の小学校の卒業式における不起立闘争への大阪府教育委員会の処分説明書の中に「あなたの行為は、卒業式の厳粛な進行を妨げるもの」とあることを取り上げ、「今、卒業式の厳粛性ということが大きく出てきている。卒業式の厳粛性というのは、独自的な行動が許されない集団的同調性が要求されてくる。それは戦前のような、天皇を現人神とし信仰表明をしてきた宗教的儀式性を伴ったものだ。国家権力の正当性、国家に対する無謬性を刷り込んでいくという厳粛性が、天皇制という権威をともなって押し付けられてくる。私たちは天皇制受け入れを断固拒否していく必要がある」と天皇制に対する闘いを訴えた。

 つづいて、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪事務局の寺本氏より、このかんの人事委員会申立の経緯について説明を受けていく。昨年の卒業式・入学式での処分の状況について「大阪府教育委員会の処分は3回にわたって出ている 卒業式第一次処分(3月9日)府立高校17人、卒業式第二次処分(3月27日)府立高校10人、府立支援学校2人、市町村立学校3人、入学式処分(4月25日)府立高校2人でいずれも処分が出された日に大阪府庁前で抗議行動を行なった。大阪市教育委員会は、4月19日に戒告2人、文書訓告1人の処分」と明らかにし、今年の卒業式・入学式については「大阪府教育委員会は、昨年1月17日に教育長名で出された通達が生きているということで今年は新たな通達は出さないとしている。今年1月7日の府立学校校長会で昨年同様の対応をせよと言っている」とした。そして、「大阪市については、桜宮高校の体罰問題への対応が忙しいからか、まだ具体的な通知は出ていない。高槻市ではピアノ伴奏についての強い指導が大阪市につづいて出ている」としたうえで、人事委員会不服申立闘争の状況については、「申し立ての7人の公開審理はまだ始まっておらず、文書のやりとりがされている状況。大阪府教育委員会が作成した答弁書への反論の文書を現在準備している。3月か4月から公開審理が始まっていくだろう」との報告がなされた。

 弁護団からの報告ののち、人事委員会不服申立の当該7人の教育労働者が次々と登壇し、それぞれがこれまで実践してきた教育や不起立の闘いへの思いを語り、全体で確認していった。

 休憩をはさみ、昨年の卒業式・入学式において不起立を闘った東京の田中聡史氏の発言を受ける。田中氏は、2003年の都教委による10・23通達を受けて、当初は不起立ではなかったが、何かをしなければならないということで「予防訴訟」の原告として闘ってきたこと、2006年の安倍政府による「教育基本法」改悪後、2007年4月の入学式以降、不起立を貫いてきたことを明らかにし、「ずっと現認されず、処分がなかったが、2011年4月の入学式での不起立ではじめて処分され、晴れ晴れとした」と発言した。また、昨年田中氏に対して強行された「再発防止研修」が、都教職員研修センターに呼び出しての「研修」が3回、都教委が学校に出向いての「研修」が3回、そして校長による「研修」が毎週1回(計20回ほど)と従来にくらべて強化されていることに対して「非転向を宣言した」として、今後も不起立を貫いていくことを明らかにした。

 田中氏の発言に続き、人事委不服申立当該の教育労働者のそれぞれの支援団体からの発言や、大阪市の「入れ墨調査」拒否被処分当該の労働者、東京、愛知の教育労働者からの発言ののち、最後に、「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪事務局より当面の行動提起がなされ、集会を終了した。