解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

1・17 都教委要請行動が闘われる 〈東京〉(1047号6面)

 要請行動に対する都教委の制限を粉砕

 1月17日、「石原・大原都教委の暴走を止めよう! 都教委包囲・首都圏ネット(都教委包囲・首都圏ネット)」が呼びかける都教委要請行動が、卒業式・入学式での不起立と「服務事故再発防止研修(再発防止研修)」における態度を理由とした「懲戒処分」や「分限免職」の発動をしないことを求める要請行動として闘いぬかれた。この日の要請行動には、東京・山谷日雇労働組合の仲間も参加した。

 2012年の最高裁1・16判決(累積加重処分で減給以上の処分を加えることは不当とする内容)で、都教委の処分について一部取り消し命令が出されたことを受けて、都教委は不起立闘争を理由とした「減給」や「停職」の処分を出せなくなり、2012年3月の卒業式での不起立者に対しては「戒告」どまりとなった。その代わりに都教委は「再発防止研修」をより過酷なものへと変更してきている。3月卒業式被処分者に対して強行された4月5日の「再発防止研修」では事前の報告書作成を義務付け、「研修」時間の長時間化、「研修」後の再度の「研修」受講の義務付けなどが強いられている。不起立闘争を理由にした「減給」や「停職」の処分を出せなくなった都教委が、この「再発防止研修」の結果を「反省がない」とし、「戒告を超える重い処分」や「分限免職」を強行しようとしているのだ。これを許さないため、都教委への要請行動が取り組まれた。

 都教委への要請行動は、2012年12月21日に予定されていたものだが、要請に際して窓口となる都教委・教育情報課は、事前に要請行動のやり方・内容についての制限を加え、要請行動を拒否する暴挙に出た。「都教委包囲・首都圏ネット」の仲間は、都教委・教育情報課の要請行動に対する制限を許さず、「細かい進行の流れは決めずに、私たちのやり方で進行する」ということを確認させた。その上で、1月17日の要請行動に臨んだのだ。

根津氏が要請文

 この日の要請行動には都教委・教育情報課から課長・波田他1名が出席、冒頭「都教委包囲・首都圏ネット」の見城氏が12月21日の都教委・教育情報課による要請権の侵害に対する抗議をした上で、要請行動を開始する。

 まず、根津氏が要請文を読み上げ、「不起立・不伴奏被処分者に対する『服務事故再発防止研修』の一切を止めること」 「『君が代』不起立に対して処分をしないこと」、「10・23通達を白紙撤回すること」の3点を要請する。

 続いて、要請文の補足的質問や意見を述べる。これに対して課長・波田は当初「今日は話をうかがうだけです。聞かれても応答はなしです」というふざけた態度を取ったが、「教育情報課という担当者を介して要請しているのだから教育情報課が、私たちの思いをどこまで理解し、受け止めているのかを確かめなければ、担当所管に伝えられるのかどうかわからない」という至極当然の追及によって、質問に対して応答するようにさせる。

「再発防止研修」の強化を弾劾

 入学式で不起立を闘った教育労働者に対して行なわれている「再発防止研修」の実態を明らかにする。研修センターに呼び出して2回、都教委が学校に乗り込んでの「研修」が3回、校長による「研修」が週1回(これについては毎回はできず)で4月から8月までの5ヵ月間に20回を超える「研修」が強行されているのだ。これは、「繰り返し同一の研修を受けさせてはいけない」とした東京地裁仮処分決定をも踏みにじるものだ。

 また、「『再発防止研修』は教育かお仕置きか」という質問に対して課長・波田が「広い意味での教育」と答えるや会場の怒りが爆発する。「これが教育だとすれば恐ろしい」「不起立している教職員は自分たちは悪いことをしたとは全然思ってない。正しいことをしていると思っている。その思想信条をやめて、別の思想信条を持ちなさいと強要している」と、「研修」とは名ばかりの「転向強要」であることを明らかにする。 

 さらに、「再発防止研修」について、実際の体験者が「講師は言うことを言ったらぱっと消えていく」「同じことを繰り返し、質問を受けつけない」「これは研修ではなく拷問、体罰だ。そしてその目的は『分限免職』だ」と喝破する。「反省」をしない、すなわち「転向」しない者はそれをもって「分限免職」にしようというのだ。

 1時間程度の要請行動ではあったが、「再発防止研修」が「転向強要」であり、「転向」しない者に対しては「反省していない」として「戒告を超える重い処分」や「分限免職」を課す目論みであることを明白にした。そして、3項目の要請などに関して文書での回答を確認してこの日の行動を終えていった。

 安倍極右政府は、「教育改革」を「経済再生と並ぶ最重要課題」とし、曽野綾子や八木秀次らをメンバーとする「教育再生実行会議」をぶち上げて、ファシズムに向けた「教育改革」を強引に進めようとしている。安倍は2006年10月、「教育再生会議」を設置して「愛国心」の表記を盛り込んだ改悪「教育基本法」を成立させた張本人だ。「日の丸」「君が代」強制の攻撃は安倍極右政府によるファシズムへの急接近の中で段階を画して強まるであろう。強制に抗する教育労働者への処分・弾圧を許さず闘いぬいていこう。