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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

海自護衛艦ソマリア沖派兵阻止闘争に決起(1046号1面)

12・18海自護衛艦ソマリア沖派兵阻止
大湊現地闘争に決起

反戦・全学連、大湊現地に決起

 12月18日、反戦・全学連は自衛隊のソマリア沖派兵を阻止すべく、大湊現地闘争に決起した。大湊基地からのソマリア沖への派兵は、2012年8月の第13次派兵に続く5度目の出撃だ。

 午前9時、反戦・全学連の部隊は、護衛艦が停泊する桟橋から数百メートルの対岸に布陣する。今回の第14次となる水上部隊の派兵は、司令部約30人、護衛艦「すずなみ」(乗員約170人・排水量4650トン)、20日に佐世保基地から出撃した護衛艦「きりさめ」(乗員約180人・排水量4550トン)、海上保安官8人の総勢約380人となる。

 時折みぞれ混じりの雨が降る中、部隊はソマリア沖への出兵式典が行なわれている桟橋に向け、「自衛隊のソマリア沖派兵を阻止するぞ!」「護衛艦『すずなみ』の出撃を許さないぞ!」「自衛官は出兵を拒否せよ!」「労働者人民虐殺の銃を取るな!」とシュプレヒコールをたたきつける。

 午前10時45分、護衛艦「すずなみ」が黒煙を上げながら出撃する。部隊は「護衛艦の出撃弾劾!」「労働者人民に銃口を向けるな!」と怒りのシュプレヒコールを出撃する護衛艦に叩きつけ、闘いを貫徹した。

 大湊と佐世保から出撃した2隻の護衛艦は、8月に派兵された第13次派兵部隊と交代して「海賊対処」と称した軍事活動を行なうのだ。この海自大湊基地からは2002年のインド洋派兵でも護衛艦が出撃しており、横須賀や、佐世保などの海自の基地同様、海外派兵が常態化されている。自衛隊統合幕僚監部の発表によると、水上部隊に続き、2013年1月上旬にもソマリア沖派兵の第12次航空部隊として、海自鹿屋基地(鹿児島)からP―3C2機と、陸自第1空挺団(習志野)の部隊の出撃が強行される。第12次航空部隊の出撃を許してはならない。

自衛隊のソマリア沖派兵を粉砕せよ

 ソマリア沖では、2011年に韓国海軍、米海軍の艦艇が「海賊」と交戦して、「海賊」を殺害するなどの戦闘が行なわれており、海自艦隊もいつ武力行使に入ってもおかしくない状況だ。今回出撃した護衛艦「すずなみ」には、「海賊」撃退用として長距離音響発生装置(LRAD)や127ミリ機銃用の銃座も備えられたという。野田政府はこの状況を承知で7月に自衛隊ソマリア沖派兵の1年間延長を決定した。8月の第13次派兵に続き、12月に第14次派兵を強行した。野田政府は、2011年6月に派兵の継続と軍事行動の拡大のために、ジブチに自衛隊の本格的な活動拠点を建設している。野田政府はさらに、今後ジブチの日本大使館へ防衛駐在官の派遣を行なうという。ジブチに拠点を置く米帝などの各国駐在武官の「情報サークル」に加わり、アフリカや、中東の情報収集体制を強化するためだ。自衛隊のソマリア沖派兵は、自衛隊に海外での労働者人民殺戮を実行させながら米軍と並ぶ軍隊として強化し、米帝の推進する中東反革命支配の一翼を日帝が担うために強行されているのだ。このような派兵など許せるわけがない。

中東反革命戦争の拡大・激化を粉砕せよ

 米帝は、アフガニスタンの「泥沼の戦況」と、イラク占領支配の破綻に追い込まれながらも中東反革命戦争の拡大を何が何でも遂行しようとしている。

 対イラン反革命戦争の開戦がますます切迫している。イスラエル・シオニストは、11月14日のハマス軍事部門「カッサム旅団」司令官の殺害に続いて、11月22日までの8日間にわたってパレスチナ自治区・ガザへの大規模空爆を強行した。イスラエルにとっては、後ろ盾とする米帝に対して「反米」を鮮明にし、「核保有の権利」を主張するイランに対する開戦は時間の問題となっている。イスラエルは米帝をパレスチナ解放闘争の圧殺と一体の対イラン反革命戦争開戦に引っ張り込むためにガザ空爆に踏み込んだのだ。

 さらに米帝は、内戦状態のシリアへの軍事介入を狙っている。米帝の軍事介入の狙いは「民衆の保護」なぞでは決してない。真の狙いはアサド政権転覆後に親米政権を樹立し、中東支配を拡大していくことだ。

 パレスチナをはじめ、決起する中東―アラブ諸国労働者人民と連帯し、自衛隊ソマリア沖派兵を阻止しよう。自衛隊解体、帝国主義軍隊解体を闘おう。

 闘う沖縄労働者人民と連帯し、名護新基地建設阻止を闘おう。朝鮮反革命戦争粉砕、政府打倒の革命的反戦闘争の爆発をかちとろう。


12・20護衛艦「きりしま」のソマリア沖派兵阻止
佐世保現地闘争に決起

 12月20日、福岡県反戦と全学連九州ブロックは、福岡・築港日雇労働組合の闘う労働者とともに、「海賊対処法」による海自・護衛艦「きりしま」のソマリア沖アデン湾への出撃を阻止すべく、佐世保現地闘争に決起した。

 「きりしま」は、短SAMシースパロー垂直発射機、アスロック対潜ロケット垂直発射機、62口径七六ミリ単装速射砲1門など、殺戮と破壊の兵器を山のように搭載した護衛艦(排出量4550トン)で、今回、第14次派兵部隊として約180人を載せている。12月18日に海自・大湊基地を出港した護衛艦「すずなみ」(乗員約170人)と途中で合流し、3週間後にソマリア沖へ到着、5ヵ月にわたって活動するという。

 午前9時半、青ヘルメット・旗ザオの部隊は、海自・佐世保基地を見渡す前畑岸壁に登場する。岸壁には、佐世保地区労をはじめ、長崎県下の労働者たちが結集している。午前10時前、「きりさめ」がけたたましい警笛とともに動き出した。青ヘル部隊は、眼前に迫る「きりさめ」に対して、ただちにシュプレヒコールを叩きつける。岸壁に集まった多くの労働者とともに、出撃阻止の闘いをうちぬいた。

 これとほぼ同時に、ハワイの真珠湾を母港とする米原潜「ラ・ホヤ」(排出量6900トン、乗員138人)が佐世保港に寄港した。事前情報の公表はなかった。目的は「補給・維持のため」としている。米原潜の佐世保入港は今年12回、通算330回目であり、事前に公表されずに入港したのは実に157回に及ぶ。

 今年4月には、米海軍・強襲揚陸艦「エセックス」に代わり、最大で12機のMV22オスプレイが搭載可能な「ボノム・リシャール」が配備されている。佐世保を母港とする強襲揚陸艦は、沖縄の第三一海兵遠征隊を輸送し、敵地への強襲上陸作戦を支援するのが主な任務とされており、この交代は、10月に普天間基地への配備が強行されたオスプレイの運用に対応したものである。

 われわれは、闘争放棄を決め込んで久しい反革命革マルや「社会党」(旧ハザマ私兵グループ)を踏み越え、ソマリア沖派兵阻止の佐世保現地闘争を貫徹する。中東労働者人民の反帝武装闘争に連帯・呼応し、自衛隊の海外派兵を粉砕する。佐世保の反革命戦争の出撃拠点としての打ち固めと基地の強化を断じて許さず、佐世保基地解体に向けて闘いぬく。