解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

全国寄せ場貫き2012―2013年越年・越冬闘争を闘おう
(1042号2面)

 世界大恐慌爆発情勢がいっそう深化している。帝国主義諸国はいずれも国家財政破綻の危機を抱え、金融不安が強まっている。「欧州債務危機」はギリシャからスペイン、ポルトガル、イタリアへと広がっている。また中国、ブラジルなどの「新興市場国」経済も景気後退の局面に突入した。

 世界各地では政府と資本に対する労働者人民の闘いが怒りの決起を爆発させている。ヨーロッパでは11月14日に、23ヵ国、数千万人の労働者が一斉にゼネスト、デモに決起した。デモ隊は警察権力に対し、角材、投石、火炎瓶で武装して闘った。

 帝国主義ブルジョアジーはこの危機に対する何の解決策ももっていない。各国政府は、大増税と社会保障の切り捨て、公務員労働者の首切りを強行し、資本家どもは賃下げと首切りによって労働者人民の生活を破壊するばかりだ。

 11月14日から連日、イスラエルはパレスチナ・ガザへのミサイルによる空爆を強行した。米帝―帝国主義は、革命勢力と体制攪乱要因を根絶するための国際反革命戦争の拡大にのみ延命の道を見出そうとしているのだ。

 日・米・韓による朝鮮反革命戦争への突撃も強まっている。
 野田政府は普天間基地へのオスプレイ配備を強行し、さらに岩国、キャンプ富士、厚木基地などでの訓練や日本「本土」上空での低空飛行訓練を開始しようとしている。また、「領土問題」での排外主義を煽動し、自衛隊の沖縄―南西諸島への配備や「離島防衛」と称した朝鮮反革命戦争を想定した日米共同演習を繰り返している。

 日帝は福島第一原発事故に開き直り、原発の再稼働―新設、「核燃料サイクル」を強行しようとしている。原子力政策のゴリ押しがねらっているのは日帝の核武装だ。

 消費税増税法を成立させた野田は、「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)参加、生活保護削減など、労働者人民をさらに犠牲にするため衆院を解散し、総選挙に突入した。この総選挙の過程を通じて改憲、核武装の動きが強まり、自民党新総裁・安倍、元東京都知事・石原、大阪市長・橋下がファシズムへの突撃を加速させようとしている。

 一方、日帝足下の労働者人民は生活苦、貧困にあえいでいる。日帝経済は円高・デフレによって、対中国貿易も不振を極める自動車産業やシャープの経営破綻などに示されたように電機産業では大リストラ攻撃が労働者人民を襲っている。

 東北・関東大震災では数十万人が生死の淵に立たされた。現在も生活再建のメドが立たずに失業した被災労働者が放置されたままだ。

 ゼネコンなどの建設資本は、「震災復興」特需などで荒稼ぎを続けている。その「復旧」の現場では、失業(アブレ)に恒常的に苦しんでいる建設日雇い労働者、野宿労働者が全国からかり集められ、ケタオチ飯場に押し込められて過酷な労働条件の下で酷使されている。また、東京電力・福島第一原発の事故現場や「除染」作業などでも日雇い労働者が被曝労働を強制されたあげくに使い捨てにされている。違法な「偽装請負」、「多重派遣」などが横行している。被曝線量の隠蔽問題が発覚したが、ほかにも健康診断費用の自己負担強制(給料からの天引き)、「除染」作業で支給されるべき「特殊勤務手当」(1日1万円)が「中抜き」=ピンハネされていることも明らかになっている。

 現金日払いで生活をする寄せ場の日雇い労働者は相変わらずアブレと野垂れ死にの淵に立たされている。全国の寄せ場では手配師、業者も姿をほとんど見せることなく、寄せ場に来る民間求人は激減を続けている。さらに、東京・山谷、大阪・釜ヶ崎では去年度まで出ていた「雇用対策事業」での仕事が打ち切られている。

 全国寄せ場交流会に結集する日雇い労働者は、この間、寄せ場春闘集中行動をはじめ各地での職安行政、自治体に対する「仕事よこせ」の闘いを闘いぬいてきた。また「全国労働組合運動交流会」(全労交)の結成に結集した。全労交は、「連合」、全労連を越える日本労働運動の新たな結集軸だ。この地平を拡大し「黙って野垂れ死ぬな! 生きてやり返せ!」を合言葉に建設資本や行政に対して日雇い労働者の怒りをたたきつけていこう。全国寄せ場を貫く越年・越冬闘争に決起しよう。

 東京・山谷日雇労働組合は、山谷・玉姫公園を拠点にして12月28日から1月4日までの越年・越冬闘争を闘いぬく。福岡・築港日雇労働組合は、博多区明治公園を拠点にして12月31日から1月2日までの越年・越冬闘争に起ち上がる。また、大阪・釜ヶ崎では「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」が、12月29日から1月3日までの6日間、人民パトロールを中心に越年・越冬闘争を、沖縄・首里日雇労働組合が、12月31日から1月2日の3日間、炊き出しを軸に越冬闘争を闘う。