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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

在沖米海兵隊の実弾砲撃移転演習粉砕!
11・11 北富士現地闘争を闘う
(1041号6面)

山中湖から北富士演習場ゲートへ戦闘的デモ

 10月18日、防衛省は、北富士演習場における実弾砲撃移転訓練について、11月10日から21日までのうちの10日間実施すると発表した。具体的には、11月上旬に在沖米海兵隊の訓練部隊が静岡県御殿場市のキャンプ富士に到着し、北富士演習場に入り、野営をしながらの訓練を行ない、砲撃訓練の後、11月下旬に、キャンプ富士から撤収して沖縄へ向かう、とするものである。今回の訓練部隊の人員と砲数等は、支援部隊も含めて、1個砲兵大隊の約200人、約60両の車両を動員、発射する砲数は6門とし、訓練では155ミリ榴弾砲や小火器を使用するとしている。

 米海兵隊による実弾砲撃移転演習は、沖縄での「県」道104号越え実弾砲撃訓練を日本「本土」に分散「移転」するとして一九九七年から開始されたものである。北富士演習場で実施されるのは、2011年11月以来であり、2年連続11回目である。

 在沖米海兵隊は、アフガニスタンでの軍事展開、さらに策動される対イラン反革命戦争への出撃も見据えて、中東労働者人民の虐殺を想定した訓練、および、朝鮮反革命戦争突入訓練をこの北富士演習場で行なうのだ。それゆえ、演習規模や内容は、より実戦を想定した激しい訓練となっている。在沖米海兵隊は白リン弾の使用を公言している。白リン弾は、火災事故を引き起こす元凶であり、人体へのダメージの大きい危険な兵器であり、演習に使用することで環境汚染が進むことも指摘されているという代物だ。

 11月11日、反戦・全学連の部隊は、北富士現地闘争に決起した。正午前に山梨県山中湖村の山中湖西側の駐車場に結集した部隊は、ヘルメット、ゼッケンを身につけ、旗ざおを手に整列する。全国反戦の同志が闘いの基調を提起し、「在沖米海兵隊の実弾砲撃移転演習を粉砕しよう。演習が強行されている陸上自衛隊北富士演習場に向け戦闘的デモを闘いぬこう」と呼びかけ、旗ざおを手にした戦闘的デモが労働者人民の注目の中で開始される。デモ隊は陸自北富士演習場のゲート前に到着する。ゲート横の電光掲示板には「射撃中」と大きく表示され、実弾砲撃演習を誇示している。部隊は怒りも新たに、「実弾砲撃移転演習を粉砕するぞ」「北富士演習場を解体するぞ」と、くり返しシュプレヒコールを叩きつける。戦闘的デモを闘いぬいた部隊は、再度シュプレヒコールをあげて闘争を締めくくった。

 「沖縄の負担軽減」なるまやかしの下で、米海兵隊の実弾砲撃移転演習が行なわれている。しかし、沖縄の現状は、キャンプ・ハンセンでは実弾砲撃演習以外の演習が頻繁に行なわれ、その結果、山火事が頻発するなど沖縄労働者人民の生活は脅かされている。「負担軽減」なる薄汚い欺瞞をぬけぬけと語りつつ、より高度な軍事作戦のために実弾砲撃移転演習が繰り返されているのは明白である。

沖縄労働者人民と連帯し、反戦・反基地闘争の爆発を

 野田政府と在沖―在日米軍は、新型輸送機MV22オスプレイの沖縄・普天間基地への配備を10月1日に強行した。日・米帝国主義は日米安保の再編・強化をつづけ、朝鮮反革命戦争遂行のための臨戦態勢構築を進めている。オスプレイは、航続距離が長く、しかも高速で飛べる軍事用ヘリコプターであり、朝鮮半島などアジア全域への大規模侵攻を想定して配備される。在沖―在日米軍は日本全土でのオスプレイ飛行訓練も画策している。オスプレイが沖縄で実戦展開を強化するようになれば、新たな「移転演習」として、北富士演習場に隣接するキャンプ富士を使った「低空飛行訓練」が頻発するのは明らかだ。オスプレイ配備による新たな移転演習を粉砕しなければならない。

 日米安保の再編・強化が進むなか、米兵が女性を強姦するなどの「事件」が相次いでいる。10月16日の沖縄での「集団強姦事件」直後、北富士での実弾砲撃移転演習に際しての地元自治体での説明会で、地元は「安全」を要求し、防衛省が「万全な安全対策」なるものを強調せざるをえなくなっている。この事実一つを見ても、帝国主義軍隊が占領者意識を丸出しにして地元住民を蹂躙する存在であることは明白だ。帝国主義軍隊は労働者人民を守るためにあるのではなく、帝国主義支配を維持するために存在しているのだ、ということを何度でも暴露しながら、米軍・自衛隊解体の革命的反戦闘争を爆発させなければならない。その意味では、9・26―10・5の普天間基地ゲート前占拠闘争の爆発は、実力・武装で闘うことで初めて基地解体の展望をさし示せることを、満天下に明らかにしている。この闘いを引き継ぎ、沖縄労働者人民とともに北富士演習場を解体する反戦・反基地闘争の爆発をかちとっていこう。

 野田政府は、石原、橋下らファシスト勢力と一体となって、「領土問題」をめぐるナショナリズムを煽りたて、反中国、反北朝鮮―反共・排外主義煽動を加速させている。戦時体制を一挙に形成しようという意図をあけすけにしているのだ。日帝足下労働者人民の責務にかけて、革命的反戦闘争の爆発を何としてもかちとっていこう。闘う沖縄労働者人民との結合を強め、オスプレイ普天間基地配備を粉砕しよう。普天間基地を解体し、名護新基地建設を阻止しよう。すべての米軍・自衛隊基地を撤去しよう。日米安保の再編・強化を粉砕しよう。中東反革命戦争粉砕し、朝鮮反革命戦争を粉砕しよう。野田政府打倒・日帝国家権力解体へ進撃しよう。



10・28 青年実が海兵隊出撃阻止を闘う〈沖縄〉

 10月28日、天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会は北富士演習場での実弾砲撃演習を阻止するため海兵隊出撃阻止闘争に決起した。呼びかけに応え、沖縄・首里日雇労働組合の仲間も結集しともに闘いぬいた。

 正午過ぎ、パレットくもじ前(那覇市)に青ゼッケンをつけた部隊が登場した。歩行者天国となった国際通り側も制圧し、ビラ撒きを開始する。「実弾砲撃演習を阻止しよう」、「23日にはキャンプ・ハンセンで実弾射撃訓練を原因とする山火事が発生している。沖縄での訓練強化を許してはならない」、「戦争のためのあらゆる軍事演習に反対しよう」、「オスプレイを即時撤去しよう」、「普天間基地を解体し、名護新基地建設を阻止しよう。高江ヘリパッド建設を阻止しよう」、「すべての軍事基地を解体する第一歩を踏み出そう」、「米軍、自衛隊を解体しよう」、「反共・排外主義をうち破り、朝鮮反革命戦争突撃を粉砕しよう」というアジテーションが響き渡った。突然の部隊の登場に、市民の注目と関心が寄せられた。

 オスプレイ配備阻止・普天間基地解体に向けたゲート実力封鎖―占拠闘争から約1ヵ月が経過した。10月16日には米兵2人による女性への「集団強姦事件」が発生し、怒りの火に油を注いでいる。「反発はいずれ収束する」という日・米両政府の思惑とは裏腹に、沖縄労働者人民は頑強に闘いを継続している。普天間基地の2つのゲート(大山、野嵩)では米軍への抗議行動が闘われ、市民の共感をかちとっている。われわれは本闘争を、ゲート前闘争と固く結びつきつつ闘いぬいた。

 沖縄労働者人民の頭上でオスプレイのやりたい放題の訓練が強行されている。10月4日に初飛行したオスプレイは、本格的な訓練に向けて伊江島や北部訓練場などで離着陸訓練を実施し、沖縄本島中南部の人口密集地上空で旋回訓練を繰り返している。19日には岩国基地を経由して韓国へ出撃した。明白に朝鮮反革命戦争を想定したものであり、韓国への出撃訓練は今後頻繁に実施されると考えなければならない。22日には伊江島においてコンクリートブロックを吊り下げた状態で集落上空を飛行し、23日には夜間飛行訓練に踏み切った。11月にも日本「本土」で低空飛行訓練や空中給油訓練を実施し、12月にも本格運用に入るという。沖縄労働者人民はオスプレイを監視し、日・米両政府の示した「安全対策」なるものがことごとく反故にされている実態を明らかにしている。これに対し、日・米両政府は「日・米間で合意した内容に沿って訓練を実施していると承知している」(防衛相・森本)、「2国間合意で定めたのは『最小限にする』ということだ」(普天間飛行場副司令官のイアン・ワレス)と突きつけてきている。日・米両政府にとっては墜落しようが騒音をまき散らそうが、いっこうに関係ない。阻止闘争からオスプレイと基地を防衛することが第一なのである。

 訓練強化はオスプレイにとどまらない。10月8日より米比合同軍事演習「フィブレックス」が実施された。米軍は在沖海兵隊を主力とする2500人が参加した。今回オスプレイは不参加だったが、オスプレイ搭載可能な強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」(佐世保基地所属)が参加した。さらに11月5日より日米共同統合実動演習が強行されている。当初予定していた沖縄島西方約50キロに浮かぶ渡名喜村・入砂島での「離島奪還訓練」すなわち強襲上陸作戦訓練は見送られたが、大規模な訓練が全面非公開で実施されることとなった。キャンプ・ハンセンにおいては、初めて海兵隊と自衛隊(陸自第15旅団、空自南西混成団)が共同訓練を実施することが明らかとなっている。陸上自衛隊は2007年からキャンプ・ハンセンを使用し、回数は当初2回だったものが昨年は102回にまで激増していた。共同訓練に踏み込むことで、より実戦的な訓練を強行しようとしているのだ。嘉手納基地では日米共同の基地警備訓練が行なわれる。訓練強化・基地強化で、沖縄はますます出撃拠点としてうち固められようとしているのだ。

 権力の闘争介入・破壊を封殺し、予定より早い40分超ですべてのビラを撒ききって情宣闘争を終了した。われわれは戦争のためのあらゆる軍事演習に反対し、日米軍事基地解体・帝国主義軍隊解体に向け奮闘する。普天間基地解体・名護新基地建設阻止をかちとるため全力で闘いぬく。沖縄―日本「本土」貫く団結を強化し、安保粉砕・政府打倒闘争の爆発を切り拓こう。