中之島公園で集会
10月31日、中央労働委員会は、不当にも、第一事件(隔離され黒テントで労働させられた後「雇い止め」された不当労働行為、団交拒否)に関して「雇い止めに関する救済申立は申立期間を過ぎた不適法なものであり、団交については、別件訴訟の最高裁判所によって確定し、すでに決着していた事項に関するものであるから、会社が応じなくても不当労働行為にあたらない」とした。しかし、次回11月13日の中労委では第二事件(パナソニックPDP団交拒否)、第三事件(パナソニック本社の団交拒否)が追及され闘われる予定だ。パナソニックの「偽装請負」を勇気をもって告発し、全国の「非正規雇用」労働者の最先頭で闘ってきた吉岡力氏。その争議もすでに7年半となった。一刻も早く吉岡氏の職場復帰をかちとらねばならない。
「11・4大飯原発即時停止・パナソニック包囲実行委員会」の主催で「原子力の再稼動を求めたパナソニック大坪新会長に怒りの声を! 反グローバリズム パナソニック・大企業の大量解雇許すな!『11・4大飯原発即時停止・パナソニック包囲デモ』」が闘われた。午後1時40分、大阪市役所のまん前にある中之島公園・女神像前で集会が開始される。パナソニックPDP偽装請負争議当該・吉岡力氏が司会者となり開会宣言を行なう。病気療養中のヤンマー争議当該・びわ湖ユニオン委員長・佐々木真一郎氏、書記長・稲森秀司氏も結集した。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」も決起し、ともに闘いぬいた。
集会では、兵庫県の安売りスーパー・マルアイで解雇撤回争議を闘っている当該女性、今も大阪市役所の南でテントを張っている「原発再稼動反対監視テント」からの発言があり、その後、パナソニック争議を闘っている当該2人からの発言だ。三重県でパナソニック争議を闘っている当該は、「5年7ヵ月派遣社員として働いてきました。つい先日、最高裁で棄却という不当判決がだされました。本当に許せないと思っているので、今後ともパナソニックに対して何らかの行動を取っていきますのでよろしくお願いします」と訴えた。福井県でパナソニック争議を闘っている当該は、「もうすぐ高裁の判決が出ます。必ず職場復帰して働きたいと思っています」と訴えた。続いて、行なわれたライブでは、脱原発をテーマにしたもの、パナソニックの不当労働行為を暴露弾劾する歌などが披露された。
パナソニックへの怒りのデモ
午後3時、大阪ビジネスパーク(OBP)にあるパナソニックの象徴=「ツイン21・OBPパナソニックタワー」へ向け、吉岡氏が最先頭に立ちデモが開始される。「パナソニックは吉岡さんを職場に戻せ!」「不法行為の責任をとれ!」「団体交渉に応じろ!」「もらった助成金を返せ!」。デモ隊は怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
デモ行進中も参加している争議当該から次々と訴えが行なわれる。吉岡氏は、「大阪市民の皆さん。パナソニックは500億円の黒字と発表していたにもかかわらず、銀行から6000億円のお金を借りた後に、7650億円の赤字に転落すると発表しました。このパナソニックが大飯原発の再稼働を推し進めたり原発を推進したりしているということをご存知でしょうか」「パナソニックの新会長となった大坪氏がいます。彼は社長の時、日本電気工業会(JEMA)の第91回定例総会で新会長に選出されました。記者会見で大坪氏が、『原子力の再稼動も含めたエネルギー政策に関する方向性の早期明確化を求めた』と言ったということが『電氣新聞』(6月8日付け四面)に掲載されました。そして、大飯原発の再稼働も推し進めました」「今、パナソニックは『非正規』で働いている従業員だけでなく、『正社員』も大量解雇しようとしています。パナソニックで働いる皆さん。現在の危機的状況を招いたのは、働いている皆さんではありません。間違った経営方針を掲げていた経営陣の中村元会長や大坪会長にこそ責任があります。意地でも職場をやめないでください。負けないで頑張ってほしいと思います」と訴えた。
デモ終了後、吉岡氏は、「今、日本の社会では、『非正規雇用』という差別的な働かせ方が横行しています。僕たちの下の世代の人達に、このような働かせ方をさせたくないという思いで、本日、行動させていただきました」「私の事件で最高裁は、『パナソニックの偽装請負は違法だが、解雇は有効』という判決を出しました。『違法だけど有効だ』とやっているのは、原発問題でも『非正規雇用』の問題でも一緒だと思います。一生懸命闘いますので、今後とも支援の方よろしくお願いします」と訴えた。
最後は、吉岡氏の音頭で「団結ガンバロー」だ。「原発を無くし、『非正規雇用』という差別的な働かせ方を無くすために、団結してガンバロー!」でこの日の闘いを締めくくった。
闘う「非正規雇用」労働者と連帯し、「労働者派遣法」撤廃―「直接雇用」「無期限雇用」をかちとろう。「労働契約法」改悪―「有期労働契約」法制化攻撃を粉砕しよう。
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