解放トップ
トップに戻る
解放最新号
バックナンバー
論文
定期購読

東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

10・28「近畿府県合同防災訓練」粉砕闘争に決起〈兵庫〉
(1039号5面)

 神戸空港での「近畿府県合同防災訓練」粉砕に決起

 10月28日、「近畿府県合同防災訓練」が神戸空港を主会場として強行された。反戦青年委員会、全学連関西ブロック、「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は自衛隊の治安出動訓練を粉砕すべく、闘いに起ち上がった。

 10月28日、午前7時45分、ヘルメットとゼッケンを装着した部隊が神戸・三ノ宮駅前に登場し、ただちに情宣闘争が開始される。横断幕を広げ、ビラが配布される。道行く労働者人民に対し、「本日午前9時から開始されようとしている『近畿府県合同防災訓練』は、『防災』に名を借りた自衛隊の治安出動訓練だ」「労働者人民の闘いに身構えた内乱鎮圧訓練だ」と「防災訓練」の本質を余すところなく暴露・弾劾し、「われわれとともに、『近畿府県合同防災訓練』粉砕の闘いに起ち上がろう」と訴えた。

 訓練が開始される午前9時を前に、最後にシュプレヒコールで三ノ宮駅前での情宣闘争を締めくくり、部隊は「近畿府県合同防災訓練」の主会場である神戸空港に進撃を開始する。神戸空港への移動中、海上では護衛艦「ひゅうが」や海上保安庁巡視艇「せっつ」などが展開しているのが見える。神戸空港に到着し、部隊は「近畿府県合同防災訓練」の会場へと肉薄する。兵庫県警公安は「道路使用許可を取っているのか」「迷惑行為をやったら検挙するからな」と反革命弾圧を策してくるがこれを軽く一蹴し、部隊は怒りのシュプレヒコールを叩きつける。訓練が強行される中、「『近畿府県合同防災訓練』を粉砕するぞ」「自衛隊の治安出動訓練を許さないぞ」「内乱鎮圧訓練を粉砕するぞ」とこの内乱鎮圧訓練を弾劾し尽くし、闘いを締めくくった。

 今回の兵庫県、三重県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、徳島県の2府7県による広域・大規模な「防災訓練」は、実施概要では「『近畿二府七県危機発生時の相互応援に関する基本協定』並びに『関西防災・減災プラン』(注:2012年1月策定)に基づく合同防災訓練を次のとおり兵庫県で実施し、防災関係機関の連携や広域防災体制の充実強化を図る」とされている。「関西防災・減災プランを踏まえた初めての実動訓練」、「陸路、空路、海路を一体的に活用した広域かつ大規模な訓練」、「東日本大震災の教訓を踏まえた住民参加による津波避難訓練や防潮扉閉鎖の同時実施」と位置づけ、自衛隊が護衛艦「ひゅうが」などを出動させて治安出動訓練を強行するものだ。

 主会場の神戸空港では、自衛隊、警察、海上保安庁など約180機関、約3000人を動員し、航空自衛隊のC―1輸送機とC―130H輸送機などの航空機19機、海上自衛隊護衛艦「ひゅうが」、海上保安庁巡視船「せっつ」など艦艇13隻、車両約180台を使った訓練が行なわれた。

自衛隊の治安出動訓練粉砕

 航空自衛隊C―1輸送機を使った兵庫県外からの救援物資の輸送訓練、C―130H輸送機を使った広域医療搬送訓練、海上自衛隊護衛艦「ひゅうが」や海上保安庁巡視船「せっつ」を使った洋上救護所設置運営訓練、陸上自衛隊や海上自衛隊と、警察などのヘリコプターを使った「情報収集訓練およびヘリテレ映像等通信訓練」「広域物資拠点から各被災地に対する物資搬送訓練」「救出・救助訓練および重篤患者搬送訓練」や、海上自衛隊・警察・海上保安庁などの小型巡視船や消防船・警備艇などによる洋上救護訓練・消化訓練・航路警戒訓練・物資搬送訓練などが行なわれている。

 神戸空港での訓練と同時に、神戸市、明石市、洲本市、南あわじ市、淡路市、播磨町の六市町においては約1万5000人を動員し、避難や防潮扉の閉鎖など「住民参加型訓練」も行なわれた。

 「防災訓練」とは、労働者人民の生命を守るためのものではない。「災害に備えなければ」という労働者人民の不安を巧みに利用し、自衛隊や警察、行政のもとに地域住民を手なずけて協力させていく訓練なのであり、まさに労働者人民の闘いに身構えた内乱鎮圧のための自衛隊の治安出動訓練にほかならない。

 昨年3月11日の東北・関東大震災では、政府は、自衛隊・警察が「混乱回避」を口実にして高速道路・鉄道を統制下に置き、食料や飲料水など「支援物資」の被災地への輸送を自衛隊が一元管理し、労働者人民が被災者救援のために物資を携えて被災地に入ることさえ許さない治安優先の体制を取った。自衛隊・警察が被災地を完全に隔離・封鎖したのである。かろうじて被災をまぬがれ営業していたガソリンスタンドのガソリンは、自衛隊・警察が全部持っていってしまう一方で、自衛隊や米軍が被災地に輸送した「支援物資」は配布する体制も人もなく、集積拠点に山積みされたままになるという状況が各所で起こった。これらをみても、政府の目的が、断じて「災害救助」なぞではないことは明らかだ。政府の目的は、自らの延命とブルジョアジーの救済、治安維持と戦時体制形成だ。支配が目的の政府、殺戮が目的の自衛隊、弾圧が目的の警察が、被災者の救援に有効に機能するわけがない。そのための態勢も、装備も、意思もないのだから。

 自衛隊の治安出動訓練を許すな。日帝の朝鮮反革命戦争突撃と対決し、失業と大増税に突き進む野田連合政府を打倒しよう。