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10・30第3次再審棄却策動を粉砕し寺尾反革命差別「無期懲役」判決38ヵ年糾弾闘争へ(1034号7面)

東京高裁・寺尾による反革命差別「無期懲役」判決38ヵ年糾弾

 1974年、今から38年前の10月31日、東京高裁・寺尾は弁護側が要求した証人調べを行なわず、証拠調べもほとんど行なうことなく、無実の部落民=石川一雄氏に対し、「無期懲役」の反革命差別判決をうち下した。この判決は、「石川の命、わが命」を合言葉に、全国で狭山闘争の高揚をかちとりながら全労働者人民決起で国家権力への糾弾・打倒の闘いを闘いぬき、部落解放運動が革命的飛躍・前進を切り拓いてきたことに、恐怖と憎悪を燃やし、部落差別の強化・拡大と狭山闘争の解体をねらって打ち下ろされた反革命差別判決にほかならない。

 寺尾は「部落差別問題関係の書籍をかなりの分量読んでいます」と20数冊の「部落差別問題関係の書籍」をあげ、さらに「1審は単純過ぎた。今まで研究してきた10倍の期間がほしい」と言い放ち、あたかも理解があるかのごとく装いながら、部落差別に関する証人を全て却下し、判決では一言も部落差別には触れないというペテンを弄した。そして「捜査官がはじめから不当な予断と偏見をもって、石川氏を狙い撃ちしたことを裏付ける証拠はない」と差別捜査とデッチ上げ逮捕を全面否定した。石川氏無実と警察のデッチ上げを明らかにする数えきれないほどの証拠が存在していることを百も承知していながら、しかし、どんなに無実の証拠があろうと、これらをすべて無視し居直り、「とにかく被告が犯人だ」と専断したのである。寺尾は差別判決を打ち下ろしておきながら、石川氏に対し「無期と言ってもまじめにつとめあげれば15年ほどで出られる」とぬけぬけと言い放ったのだ。寺尾反革命差別判決への怒りは決して消すことはできない。

 10・31判決は、日帝国家権力による部落差別の強化・拡大と、階級闘争解体攻撃を明白にし、「公正裁判要求」路線の敗北を明らかにした。われわれは、第二審冒頭「おれは殺していない」と血叫びをあげた石川氏の檄に応え、1976年9・17革命的人民によって敢行された寺尾への報復の鉄槌を支持しながら、戦闘的部落大衆とともに10・31判決を許したことへの正面突破をかけ闘いぬいてきた。この闘いの地平をさらに引き継ぎ、闘いぬいていかなければならない。今なお「見えない手錠」に繋がれたままとなっている石川氏の怒りと無念を共有し、東京高裁・寺尾の「無期懲役」反革命差別判決38ヵ年を怒りも新たに徹底糾弾しよう。

第3次再審棄却策動を許すな

 狭山―第3次再審闘争は、2006年5月23日に再審を請求してから6年が経過し、まさにいつ決定が出てもおかしくない状況へと突入している。10月初旬には11回目の「3者協議」が予定されている。これまで「3者協議」で80点近い証拠が開示されているが、弁護団が要求する石川氏無実を明らかにする物的証拠については、ことごとく「不見当」と言い放ち、開示しようとしていない。「殺人事件」において「犯行現場」とされる場所を特定するための「8ミリフィルム」やルミノール反応検査報告書が「不見当」などあり得ない。また、「死体」を埋めるために使用されたとされる重要な証拠であるはずの「スコップ」の指紋検査報告書も「不見当」としている。検察は積み上げれば2メートル〜3メートルにも及ぶと言われている証拠を隠し持ち、都合の悪い証拠はすべて「不見当」として頑なに開示を拒否し続けているのだ。しかもこの間、検察は弁護団が提出した筆跡や殺害方法、スコップに付着した土壌についての新証拠に、反論の意見書を提出し、真っ向から対峙する構えをあらわにしている。弁護団は検察の提出した意見書に対する反論の意見書を8月と今後年末に提出し、また、筆跡、「自白」取調べテープについての新証拠を来年春にかけて提出していくとしている。

 司法―国家権力は弁護団がどんなに石川氏無実の新証拠を提出しようと、これまでことごとく却下してきた。確かに「足利事件」や「東電社員殺害事件」などでDNAに関する証拠が開示され、悪辣なデッチ上げが露呈したことで勝利をかちとっている。「袴田事件」でも、犯行着衣に付着している血痕が被害者や袴田氏のDNAと一致するか調べられ、弁護側と検察側のDNA鑑定結果が共に「不一致」との結果が出た。11月には2人の鑑定人尋問が行なわれる予定で、再審に向け動いてきている。激発する冤罪事件に対する労働者人民の怒りの前に司法権力自身追いつめられているのは事実である。

 しかしながら、確認しなければならないのは、狭山事件が単なる「冤罪」事件ではないということだ。捜査・逮捕・取調べ、そして裁判のすべての過程で部落差別に貫かれている。これまで、弁護団は新証拠、補充書をくり返し東京高裁に提出し続け、何より石川氏を先頭とする戦闘的部落大衆の粘り強い闘いがうちぬかれてきていることで司法権力を追いつめてきた。だが、日帝国家権力は、脅迫状と石川氏の筆跡は誰が見ても違うことが明らかであっても、「心理状況で筆跡は変わる」などと言い放ち、棄却を強行してきたのだ。国家権力は石川氏の無実を誰よりも承知している。その上で、どんなに石川氏の無実と証拠捏造の証拠を目の前に積まれようと、これを否定し「部落民である石川が『犯人』だ」としてデッチ上げ続けてきたのだ。「3者協議」によってあたかも第3次再審闘争が前進したかのごとく捕らえるのは、決定的に誤りである。

 「狭山事件」において、司法権力があたかも理解があるがごとく幻想を振りまいておきながら、実際には差別判決・決定を打ち下ろすやり方は、1974年の東京高裁・寺尾の反革命差別「無期懲役」判決に見られるように、脈々と受け継がれてきた司法権力の常套手段なのである。そもそも「3者協議」を提起した門野をはじめ、小川にいたるまで一度たりとも事実調べが行なわれていない。司法権力は、差別判決・決定を打ち下ろし続けてきた姿勢をまったく変えようとはしていないということだ。

 今こそ、司法権力に対する攻勢をさらに強め、司法―国家権力が策動する第3次再審棄却を実力で打ち砕いていかなければならない。事実調べ一つ行なわず、石川氏の無実を百も承知で反革命差別判決・決定を打ち下ろし続ける司法権力、今なお全証拠を隠し持つ検察当局に対し、徹底糾弾の怒りを叩きつけ、闘いの大爆発をかちとろう。実力で第3次再審棄却策動を粉砕しよう。

狭山闘争の歴史的勝利へ

 日帝国家権力は、狭山闘争が階級的共同闘争を基軸とした全労働者人民決起と、大衆的実力闘争・武装闘争で無実の証拠をも武器としながら国家権力を追いつめてきたことに、何よりも恐怖と憎悪を燃やしている。だからこそ石川氏の無実を百も承知の上でペテンと居直りをもって差別判決・決定を強行し続けているのだ。寺尾判決確定以降、30年以上に及んで高裁・最高裁はまったく証人尋問も事実調べも行なわず書面審理のみで、差別判決・決定を打ち下ろし続けてきた。弁護団が提出してきた新証拠・補充書によってすでに寺尾の原判決は大きく崩壊しているにもかかわらず、提出した新証拠は全て却下し居直り続けている。一度でも事実調べを行なえば石川氏無実が明らかになり、警察権力のデッチ上げを認めざるを得ないからだ。狭山闘争解体のために何がなんでも「部落民である石川が犯人だ」として差別判決・決定を強行し続けているのだ。

 日帝国家権力は、朝鮮反革命戦争突撃のただなかで狭山闘争の解体と部落解放運動のファシズム融和運動―戦争翼賛運動への転換にむけた本格的な攻撃へと踏みこみながら第3次再審の棄却を策動している。狭山闘争の勝利は、国家権力を追いつめてきた戦闘的闘いの地平を一歩も後退させることなく、司法―国家権力への闘いをさらに強化し闘いぬく道以外にないのだ。司法―国家権力に「公正・中立」を求めるような幻想を一切捨て去り、いかなるペテンも居直りも許さない闘いを叩きつけていかなければならない。

 石川氏の無実は揺るぎのないものであり、裁かれるべきは国家権力である。部落解放同盟内社民・こえ派は「冤罪路線」、「署名活動」を前面に押し出しながら、「3者協議」にのめり込み、「司法の民主化」をかかげ狭山闘争総体を切り縮めてきている。狭山闘争幕引きへの制動を突破し、東京高裁・小川が策動する第3次再審棄却攻撃を粉砕しよう。〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの基調を鮮明にしながら、司法―国家権力に対し階級的共同闘争と実力闘争・武装闘争を叩きつけ、第3次再審闘争勝利、狭山闘争の歴史的勝利へと進撃しよう。

革命的部落解放運動の飛躍・前進をかちとれ

 戦時下、差別主義・排外主義が激化し、全国で差別事件が激発している。差別落書き、差別ハガキや「土地差別」「就職差別」「結婚差別」「身元調査」などの事件は後を絶たない。また、インターネットのサイトでの差別書き込み等の差別煽動がよりあからさまとなっている。これに対し部落解放同盟内社民・こえ派は司法権力を頼りとした「告訴・告発」方針を押し出しているが、司法権力は差別者を擁護する判決を打ち下ろし、より差別が拡大・強化されている。「在特会」なる極悪右翼ファシストが奈良の水平社博物館前でハンドマイクで差別発言を繰り返していた事件では、奈良地裁で被告に「名誉毀損」で150万円の支払い命令が出されたが、「在特会」はマスコミに対して「30万くらいかと思った」などと発言し「反省」など全く無い。「告訴・告発」の方針の誤りが鮮明となっている。

 日帝・野田政府は、いよいよ朝鮮反革命戦争への突撃を加速していく中で、部落解放運動解体攻撃を一気に推し進めようとしている。9月19日、野田政府は「人権委員会設置法」案の内容を確認する閣議決定を行なった。次期国会への提出が目論まれている。「人権委員会設置法」案は、「差別はすべて国家が裁く」というもので、部落解放運動の生命線である差別糾弾闘争を非合法化し、圧殺し、ファシズム融和運動へと転換させる攻撃に他ならない。こんな攻撃を許してはならない。激発する差別事件に対しては、戦闘的部落大衆を先頭とする差別糾弾闘争の復権をこそ闘いとっていかなければならないのだ。

 部落解放同盟内社民・こえ派の「告訴・告発」方針を踏みしだき、「人権委員会設置法」案の成立を阻止しよう。部落解放運動の戦争翼賛運動=ファシズム融和運動への転換攻撃を粉砕し、朝鮮反革命戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争の大爆発をかちとろう。戦争遂行の野田政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。部落差別の根底的廃絶を成しきり、部落解放運動の革命的飛躍・前進をかちとろう。

 差別主義反革命革マルを解体・絶滅し、差別主義日共=全国地域人権運動総連合を解体し、右翼ファシスト、融和主義を粉砕し闘おう。