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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

9・19「『オスプレイ配備の危険性』みんなで考える集会」が開催される 〈東京〉(1034号5面)

高江ヘリパッドは「オスプレイパッドだ」

 「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」(関東一坪)、「フォーラム平和・人権・環境」(平和フォーラム)などが呼びかけた「9・19集会実行委員会」の主催で、9月19日、午後6時30分から、東京・御茶ノ水の連合会館(旧総評会館)2階大会議室で「『オスプレイ配備の危険性』みんなで考える9・19集会」が開催された。東京・山谷日雇労働組合の仲間もこの集会に結集した。

 開会のあいさつを藤本平和フォーラム事務局長が行ない「9・9沖縄県民大会に参加した。何度も日本政府に基地撤去を求める集会を沖縄の人々がもってきたが、もうそういう集会をしなくてもすむようにしていかなくてはならない。自民党の総裁選でゾンビのように出たきた安倍晋三は尖閣の問題で『集団的自衛権が重要だ』と言っているが、アメリカは介入しないと明言している。オスプレイを全国の空に飛ばさせてはならない」。

 次に、パネルディスカッションの発言者が登壇して報告を行なう。
 まず、リムピース編集長の頼和太郎氏が問題提起を行なった。頼氏は真喜志氏が製作したオスプレイの模型を使って、オスプレイの特性をわかりやすく解説。「6月にフロリダで墜落したのは編隊飛行中で、先行したオスプレイの後方乱気流に巻き込まれた後続のオスプレイがバランスを失って墜落した。事故の報告書では『人為ミス』とされているが、オスプレイ固有の構造に由来する墜落事故であった」ことを指摘した。そして、日米共同委員会で確認された「最低高度150メートル」を米軍のオスプレイは本当に遵守するのか、まったく信用にあたいしないことに警鐘をならした。

 沖縄から参加した真喜志好一氏は、「オスプレイの危険性と配備をめぐる日本政府のウソ」というタイトルで在沖米海兵隊の再編の本質が、老朽化した基地・施設の更新と合理化にあることを指摘し、普天間基地の代替基地とされた沖縄北部の名護市辺野古へのヘリ基地建設が、既に1960年代の沖縄「返還」以前の段階から米軍内部で計画されていた事実を明らかにした。日本政府が名護新基地建設をめぐってオスプレイ配備が前提である周知の事実を一貫して隠してきたことも批判した。また、北部訓練地帯であるヤンバルの森の東村・高江では沖縄防衛局がヘリパッドの新設工事に踏み込んできていることを報告。急ピッチで進められている高江での工事が普天間基地へのオスプレイ配備を前提にした「オスプレイパッド」(オスプレイ専用の離発着帯)であることを暴露していった。

全国で着々と進むオスプレイ受入れ準備

 新倉裕史氏(非核市民宣言運動・ヨコスカ)は、1990年代、米軍の低空飛行訓練によって被害を被ってきた日本全国の自治体が米軍への要請運動を展開してきた結果、それまで日本の航空法の適用外で自由に訓練を強行してきた米軍に対して、最低高度150メートルでの飛行を認めさせてきた経過を述べ、今回のオスプレイの普天間配備を新たな契機として、米軍の低空飛行訓練そのものを社会問題化して止めさせていく運動を作っていく必要性を強調した。また、横須賀を母港として駐留している原子力空母「ジョージ・ワシントン」の危険性を訴えた。

 最後に、コーディネーターを務める金子豊貴男氏(リムピース、相模原市議)が、米軍と日本政府がこれまでその存在を認めてこなかった日本―沖縄に設定している低空飛行訓練ルートを今回、はじめて公表したが、公表された六本の飛行ルートには岩国基地所属の攻撃機が訓練で使用している「ブラウンルート」(中国山地を横断する航空路)が出てこないことに注意を喚起した。またオスプレイの飛来と訓練が予定されている静岡県御殿場市の東富士演習場にあるキャンプ富士では新たに管制塔の施設が増営されたこと、これまで砂利敷きだった離発着用ヘリポートにアスファルト舗装が施され、オスプレイの受入れの準備が着々と進められていることなどを報告した。

「日米安保を優先するという日本政府を絶対に許せない」

 パネラー各氏の報告を受け、休憩をはさんだ後に第2部のディスカッションに移っていった。
 この日、9月19日に野田政府はオスプレイの「安全宣言」を発し、岩国基地に駐機しているオスプレイの試験飛行にゴーサインを出した。各パネラーは「大飯原発再稼働同様、政府が『安全だ』と言えば言うほど安全ではない」「より低く飛行するのが訓練なのだから、最低高度150メートルを守ることなぞ期待できない」「すでに沖縄北部訓練場ではCH46ヘリは60メートルで頻繁に訓練を強行している」「1990年代に政府に認めさせていった150メートルの水準からすれば今回の『安全宣言』でいうところのものは言わば『ゼロ回答』に過ぎない」。それぞれ政府の「安全宣言」のでたらめ、ウソを徹底的に批判していった。

 集会の最後に、木村関東一坪事務局長が「沖縄県民の命を危険にさらすオスプレイ配備に怒り、九・九県民大会では過去これまででは最多の参加者がオスプレイ・ノーの民意をつきつけ、9月13日には県民大会代表者が日本政府に対して申入れを行なった。にもかかわらず本日『安全宣言』で、近々岩国での試験飛行の後、10月上旬にも普天間基地配備、本格運用に突き進もうとしている。私たち沖縄県民の安全よりも日米安保を優先するという日本政府を絶対に許せない」「労働組合も私たち市民団体といっしょに、沖縄にとって節目の年となった今年、オスプレイ配備を阻止していくためがんばっていきましょう」と訴え、閉会のあいさつとし締めくくった。

 岩国基地を飛び立ったオスプレイは試験飛行の段階ですでに「転換モード・ヘリモードでの飛行は基地の施設内に限る」とした「約束」を反故にして民家上空での訓練飛行を強行している。オスプレイ配備で飛躍的に強化されようとしている沖縄の米軍基地の再編を絶対に許さず、普天間基地解体、名護新基地建設阻止、高江ヘリパッド建設阻止の闘いの爆発をかちとろう。