「県」庁車両入口を制圧
8月29日、「基地の県内移設に反対する県民会議」、普天間基地爆音訴訟団、「ヘリパッドいらない住民の会」、嘉手納基地爆音訴訟団による「集会緊急行動実行委員会」の主催で、「オスプレイ配備を押し付ける森本防衛大臣来県に反対する8・29緊急集会」が開催された。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会も呼びかけに応え結集した。
午後5時過ぎ闘う沖縄労働者人民は、のぼり旗や「オスプレイ配備NO!」と書かれたポスターを持って「県」庁車両入口周辺に駆けつけた。闘いを制動しようとする権力に対し、参加者から怒号が飛び交うなど緊張感が漂っていた。
5時20分より緊急集会が開始される。「オスプレイ配備をやめろ」、「森本を『県』庁に入れないぞ」「高江のヘリパッド建設工事を中止しろ」、「米兵の犯罪を許さないぞ」、「岩国と連帯して闘うぞ」とシュプレヒコールをあげ、続いて各メンバーから発言が行なわれる。高江ヘリパッド阻止を闘う「住民の会」のメンバーは「防衛局は早朝から工事に来ている。止めるために5、6時には起きている。現場で寝起きする人もいる」、「知事や東村長はオスプレイ反対なのに、オスプレイパッド建設は認めている。反対の声を防衛局や『県』庁につきつけて欲しい。現場にも来て欲しい」と訴えた。
再度シュプレヒコールで気勢をあげた後、普天間基地爆音訴訟団から発言がなされた。「宜野湾市役所前で抗議行動を行なった。市長に会うのに森本は30分遅れてやってきた。経済団体や四軍調整官とは1、2時間とるのに。いったい誰に顔を向けているのか」、「オスプレイを止めないと命を保障できない。基地ある限り事件・事故はなくならない。いつまで我慢しなければならないのか。これで終わりにしたい」、「『県民大会』を起点に、『基地はいらない』『米軍は出ていけ』という運動を拡げていこう」、「すべての基地の前に座り込もう」と基地への怒りと闘う決意を表明した。
予定時刻となっても、森本は姿をあらわさない。参加者同士が互いに怒りを口にする中、6時5分頃おっかなびっくりやってきた。参加者は「オスプレイの配備をやめろ!」、「森本は沖縄から出て行け!」、「普天間基地を即時返還せよ!」と一斉に怒りを浴びせかけた。
知事との会談の間、参加者はその場から一歩も引くことなくシュプレヒコールを繰り返し叩きつけた。中断していた発言も続けられた。「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏は「危険なオスプレイを沖縄に押し付ける行為を絶対に許さない」、「森本、われわれの前に出て来い。なぜオスプレイが『安全』なのか説明してみろ!」とつきつけ、「『島嶼防衛』の名の下に、自衛隊は水陸両用車を沖縄に配備し、自衛隊基地も強化しようとしている。中国脅威をやたらと煽る悪巧みを許さない。そんなものに惑わされない」、「基地機能を揺るがす闘いをつくりだしていこう」と力強く訴えた。
入庁から1時間後、森本は出てきた。「帰れ、帰れ!」の声に圧倒された森本は、逃げるように去っていった。
締めくくりのあいさつに立った「沖縄平和市民連絡会」の城間勝氏は「今日の会談はアリバイ作りだ。まず『県民大会』を成功させ、そしてオスプレイ配備を阻止しよう」と訴え、団結ガンバローで緊急行動を終えていった。
「安全」繰り返す野田政府を許すな
8月28日、政府―防衛省は4月にモロッコで発生したMV22オスプレイの墜落事故に関して、「モロッコにおけるMV―22墜落事故に関する分析評価報告書」を公表した。これによれば「経験の浅い(副)操縦士」が「マニュアルで『回避』すべきとされている行為」、「マニュアルで明確に『禁止』されている行為」を行なったことが「主たる原因」であるとされている。その一方で「機体自体が本件事故の要因となったとは認められない」とした。「『人為的ミス』が原因にすぎないからオスプレイは安全だ」とする結論は、沖縄労働者人民にとって怒りしか沸いてこないものだ。
そもそもこの「報告書」は「分析評価」の名に値しない。6月末に「CH―-46飛行隊をMV―22飛行隊に改編」するという米国防総省からの「接受国通報」を受けた防衛省が、7月にオスプレイ墜落事故の「分析評価チーム」を設置。そして8月中旬にわずか4日間で米国防総省からのブリーフィングと模擬操縦装置(シミュレーター)視察などを実施し、初めと終わりにたった2回の「会議」を経て「報告書」を書き上げたのだ。闘う沖縄労働者人民は、15年以上も前から沖縄への配備そのものを隠蔽してきた日本政府を徹底追及し、数々の根本的な技術的欠陥を暴露してオスプレイ配備阻止を闘いぬいてきた。何がわずか1ヵ月で「分析評価」か。米側の「事故報告書」だけに依拠した、ほとんど丸写し文書ではないか。端から「配備ありき」であると厳しく追及されることをかわすためのアリバイ作りに他ならないことは、すべての沖縄労働者人民が見抜いている。
8月30日には六月米フロリダ州で発生したCV22オスプレイ(空軍)の墜落事故に関して、米国防総省が「事故報告書」を公表している。事故原因は「編隊で飛んでいた二機のうち後方の機体が前方を飛んでいた機体の気流に巻き込まれた」というもので、それが「シミュレーターで再現できない」としているにもかかわらず、「人為的ミス」と結論づけ居直った。これに依拠した防衛省の「分析評価」なぞ推して知るべしである。
日・米両政府は、9月試験飛行―普天間基地への移動―10月本格運用というシナリオを問答無用で推し進めている。われわれはオスプレイ配備強行に対し、普天間基地の機能を停止し突入・解体する実力闘争を対置し断固として闘いぬく。沖縄―日本「本土」を貫く団結をうち固め、安保粉砕・政府打倒闘争の爆発をかちとろう。 |