「ホットライン大阪」事務局代表・黒田氏のあいさつと池田知隆氏の講演
「大阪市立学校活性化条例」の成立を阻止すべく、7月14日の午後6時から大阪府立労働センター(「エルおおさか」)において、「『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪全国集会実行委員会」主催で、「大阪市立学校活性化条例の何が問題か?
教育を壊す橋下『改革』ホットライン学習集会」が開催された。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」の仲間もこの学習集会に参加した。
集会のはじめに、「ホットライン大阪」事務局代表の黒田氏があいさつを行なう。黒田氏は、7月5日に「大阪維新の会」が出した「維新八策改定案」について、「『維新八策』では、『教育改革の理念』として『自立する国家、自立する地域を担う自立する個人を育てる』と言っている。『自立する個人』というが、橋下には、自分の思い通りにならない人間は厳罰をもって排除するという、パージの思想しかないのではないか。まさに、口さわりのいいことを言って人を集めていくという大衆迎合主義、ポピュリズムの最たるものだ」と批判した。さらに、「橋下は、『職員の政治的行為の制限に関する条例』で公務員労働者をみずからの奴隷にしていこうとしている。大阪的な『改革』を全国化していくのが『維新八策』だ」と橋下―「大阪維新の会」を徹底弾劾した。黒田氏は最後に、「大阪市立学校活性化条例」や「職員の政治的行為の制限に関する条例」の成立を阻止する闘いへの決起を訴えて発言を終えた。
つづいて、「橋下教育改革とは何か? いま大阪で起きていること」と題して、池田知隆氏(元大阪市教育委員長、元毎日新聞論説委員)の講演を受けていく。池田氏は講演の冒頭、滋賀県大津市の「いじめ自殺問題」についてふれ、「学校とはいったい何なのかが今問われている」と発言した。「大阪市立学校活性化条例」案の内容について、「子供を育てるという視点が盛り込まれていない。学校の成績を上げるということだけが目標となっている」と指摘し、「大阪でいま問題なのは、子供の学力ではなく子供の学ぶ意欲が低下している点だ。学校は子供を大人に育てる所であり、教育には、どんな社会をつくっていくかという視点が必要だ」とした。
「ホットライン大阪」事務局・伊賀氏が「現状報告」
「ホットライン大阪」事務局の伊賀氏より、「『学校選択制』の問題点と論議の現状」について報告を受ける。伊賀氏は、最初に「『学校選択制』を推進してきたのは政府、財界であり、1997年から実際に文部科学省が推進してきたが、全国的にはまったく広がらなかったのが実態だ。『学校選択制』を導入も検討もしていない自治体が4分の3にのぼる。全国的に突出しているのは、東京都、埼玉県、広島県」とした。そして、前橋市や長崎市、杉並区で「学校選択制」廃止が決定されるという流れのなか、なぜ大阪市で「学校選択制」導入が狙われているのかが明らかにされた。さらに、「『学校選択制』をめぐる大阪市の議論では、学校関係者が外されているのが最大の問題。『学校選択制』が導入された際、どういう問題があるのか、まったく学校関係者に聞こうとしていない」と、学校現場とは離れた場で議論がどんどん進められているとした。伊賀氏はまた、橋下が教育委員会に指示して行なってきた「教育フォーラム」で「学校選択制」への反対意見が圧倒的多数であったこと、「教育フォーラム」参加者のアンケートで「『越境』入学は差別・偏見によるものであり、『越境』入学はやめようというのが大阪市の方針だったはず。これを覆すのが『学校選択制』ではないか」という意見があったことも明らかにした。伊賀氏は最後に、「大阪市立学校活性化条例」成立と「学校選択制」導入を許さない闘いへの起ち上がりを訴えた。
質疑・応答に移り、「大阪市立学校活性化条例」案や「学校選択制」をめぐる闘いについて、活発な意見が出された。
つづいて、「卒業式・入学式『君が代』不起立処分人事委員会不服申立」当該の4人の教育労働者から決意表明を受け、集会の最後に、7月26日、「大阪市立学校活性化条例」などの成立阻止に向け、大阪市役所前での「ホットライン大阪」主催の集会への結集が訴えられ、参加者全体の拍手で確認し、学習集会を終えていった。
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