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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

7・1高江ヘリパッド建設阻止!「座り込み5周年報告会」が開催される〈沖縄〉(1026号5面)

「座り込み5周年報告会」に600人が結集

 七月一日、東村農民研修施設において高江ヘリパッド阻止を闘い続ける「ヘリパッドいらない住民の会」主催の「オスプレイパッドいらない! 座り込み五周年報告会」が開催された。闘う沖縄労働者人民と全国から結集した高江座り込みの支援メンバーなど600人が結集した。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会と沖縄・首里日雇労働組合も結集した。

 午後2時、「住民の会」のメンバーより「安保がなければ、やんばる(沖縄島北部)の森も軍事基地から平和の森になる。オスプレイはいらない、ヘリパッドはいらない」と開会あいさつが行なわれる。

 次々とマイクを握った発言者は、高江ヘリパッド建設阻止の決意と軍事基地への怒りを表明した。「ヘリパッド建設阻止! 危険なオスプレイNO!」と題する講演をおこなった「沖縄平和市民連絡会」の真喜志好一氏は、映像を駆使し「左右に回転翼がついたオスプレイは、不安定で前後左右のバランスがとれないという構造的欠陥がある」と指摘しオスプレイの危険性を明らかにした。また、米海兵隊が実施した「MV22オスプレイ配備運用に関する環境レビュー」をもとに「米軍は沖縄にある既存のヘリパッド69ヵ所を調査し、50ヵ所でオスプレイが訓練するとしている」、「飛行ルートは九州、四国、東北にまで及ぶ」、「低高度飛行訓練するやんばるの森は下降気流と熱風で破壊される」と明快な解説を加えた。そして最後に、「高江ヘリパッドと辺野古海上基地建設を阻止し、オスプレイ配備を許さず普天間基地の即時閉鎖をかちとろう。わたしたちは15年間勝ってきた。勝利を積み重ねて積み重ねて、完全勝利しよう」と締めくくった。

 つづいて、「ヘリパッドいらない弁護団」から「高江座り込み弾圧訴訟」の報告を受ける。「高江座り込み弾圧訴訟」は2008年11月、国が15人(8歳の子供については徹底批判され、すぐに取り下げ)に対して「通行妨害禁止」などを求める仮処分申立で開始された。那覇地裁は国の意を受けて高江住民2人に対し「妨害行為」があったと認定したが(他12人は棄却)、その後の本裁判に対する高江住民を先頭とする沖縄労働者人民の攻勢的な闘いによって今年3月の判決で住民1人は棄却せざるをえなかった。しかし、もう1人に対し「国が各土地を通路として使用することを物理的方法により妨害してはならない」という不当判決が下されている。「住民の会」と弁護団は、3月27日に控訴を決定している。

支援団体が闘う決意を表明

 音楽とダンスのパフォーマンスをはさんで、支援団体より連帯あいさつをうける。「沖縄平和市民連絡会」の城間勝氏は「10月初めからMV22オスプレイ一二機が本格運用されようとしている。来年夏には2番目の飛行隊(12機)が普天間基地に配備されようとしている。日本政府はこのことをすでに合意した。昨日から防衛大臣の森本が来沖しているが、意見を聞きに来たのではない。県民を虫けらのように扱っている」「『県民大会』で内外に訴えよう。しかしそれだけじゃダメだ。実力的な闘いでオスプレイ配備を妨害していこう。政府が沖縄を差別し踏みつぶしていくことを止めよう」、「断固として阻止する。これまでの沖縄の闘いは身体をはった闘いで勝利してきた」。「ヘリ基地反対協」の安次富浩氏は「7月4日で座り込み3000日を迎える。これを超えて闘い、新基地建設を阻止していく」、「辺野古のV字型滑走路はオスプレイ専用だ。オスプレイ配備を中止させれば新基地はいらない。オスプレイ配備を身体を張って止めねばならない」。

 閉会あいさつでは「住民の会」のメンバーが「知事や東村長は『オスプレイ配備はダメだ』と言っているのに、高江のオスプレイパッド建設は容認している。理解できない」、「なぜ『県』議会は、高江ヘリパッド建設反対決議をあげないのか理解できない」と憤りを示した。住民は基地推進派の本音を見抜いているのだ。
 集会は団結ガンバローで閉じていった。

オスプレイ配備阻止・高江ヘリパッド建設阻止へ

 6月13日、政府―防衛省は米海兵隊が実施した「環境レビュー」を「県」、宜野湾市、浦添市に提出した。オスプレイ(2個中隊、400人)は「考えられうる最も過酷な状況下でも交戦能力を有し、不確実な将来の戦闘作戦への即応性を有した迅速で決定的な遠征部隊」の一翼を担い、「遠征地における海上または陸上からの運用、強襲支援及び航空退避」という主要任務を遂行するため、沖縄全域で訓練を強行する。例えば、北部訓練場やキャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブなどにある50ヵ所のヘリパッドで離着陸訓練などを行ない、北部訓練場では低高度飛行訓練も実施する。高江ヘリパッドの使用も前提だ。伊江島飛行場では年2500回も空母艦載機着陸訓練(FCLP)を強行し、普天間基地には「コンテナ型シミュレータ施設2基」を新設し、夜間訓練は急増する。飛行訓練は全国にも拡大する。オスプレイは岩国基地やキャンプ富士へも展開する他、FA18ホーネットやAV―8Bハリアーなどが使用している六本の低空飛行ルートでも訓練する。なお墜落の危険性の指摘については「優秀な運用上の安全記録を誇る高性能航空機」として一蹴し、懸念される環境への影響については「全体として最小限」と切り捨てた。何が何でもオスプレイを配備し、今まで以上の実戦的な訓練を拡大・強化し、沖縄を出撃拠点としてうち固めようとしているのだ。

 野田政府はこの「環境レビュー」を丸飲みし、この線で「説得」しようとしている。一体、誰が首を縦に振るのか。6月30日から防衛相・森本が来沖したが、行く先々で沖縄労働者人民の怒りと闘いが直撃したことは言うまでもない。知事・仲井真は沖縄労働者人民の怒りが自らに向かうことを恐れつつ、「オスプレイを無理やり配備するなら、全基地即時閉鎖という動きにいかざるを得なくなる」と語ってみせた。

 日・米両政府にとって、日米安保の強化に敢然と立ちふさがる沖縄労働者人民の闘いを叩き潰すことが焦眉の課題となっている。オスプレイの沖縄配備は、何度もの実力阻止闘争の地平を切り拓いてきた普天間基地解体・名護新基地建設阻止の闘いに対する重大な挑戦である。オスプレイ配備阻止の機運は日に日に高まっている。沖縄労働者人民の闘いと怒りを背景に、6月中に「県」議会と全41市町村議会において配備反対の抗議決議・意見書が採択されている。闘う沖縄労働者人民は「身体を張った闘い」を前面にすえて真っ向対決する道を選択している。われわれはオスプレイ配備実力阻止を全力で闘いぬく。高江の現地攻防に執着し、ヘリパッド建設阻止に向け奮闘する。沖縄―日本「本土」貫く安保粉砕・政府打倒闘争の爆発をかちとろう。