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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

6・10大飯原発再稼働阻止の情宣闘争と福井県庁前抗議行動を闘いぬく 〈福井〉 (1021号7面)

 全学連、JR福井駅頭で情宣闘争に決起

 野田政府による大飯原発三、四号機の「再稼働正式決定」が間近に迫るなか、全学連は6月10日、JR福井駅頭において、大飯原発再稼働阻止の闘いを呼びかける情宣闘争に決起した。

 全学連の情宣隊は午後1時、「大飯原発の再稼働阻止!」と書かれた横断幕を掲げ、アジテーションを行ない、ビラ配布と署名活動を展開する。「原発労働者はストライキで大飯原発の再稼働を阻止しよう」「すべての原発の廃止をかちとろう」「日帝の核武装を阻止しよう」と、闘いへの決起を呼びかける。「署名します」「がんばってください」と、多くの労働者人民から共感が寄せられる。情宣隊は、最後にシュプレヒコールをあげ、約二時間の情宣闘争を締めくくった。

 情宣闘争を闘いぬいた全学連の部隊は、福井県庁前に移動する。この日、福井県庁では、「福井県原子力安全専門委員会」の会合が開かれ、「政府が示した安全性に関する判断基準は妥当」「大飯原発三、四号機の安全対策は十分」とする報告書案が示された。「同専門委員会」は、福井大学名誉教授・中川英之を委員長とする12人の専門家で構成されているが、政府や電力会社の方針に専門家としてのお墨付きを与え追認する御用学者などの集まりである。福井県庁への入口には、「同専門委員会」への抗議行動に対する阻止線が張られている。全学連の部隊は、「同専門委員会」による再稼働方針の追認を許さないため、そして、福井県知事・西川による再稼働への同意を許さないため、阻止線前で抗議のシュプレヒコールを叩きつけた。

野田政府による大飯原発の再稼働決定を弾劾する

 首相・野田は、6月16日、大飯原発三、四号機の再稼働をめぐり、福井県知事・西川と首相官邸で会談した。この会談で西川は野田に対し、「安全技術の向上」「中間貯蔵対策」「日本海側の地震・津波調査」「原発運転期間の統一ルールの策定」など8項目を要望し、「国の安全確保への一層の努力と支援を約束いただいた。主な電力消費地である関西の生活と産業の安定に資するため、同意する決意を伝えたい」として、再稼働への同意を表明した。これを受けて野田は関係閣僚会議を開催し、「立地自治体の理解が得られた今、再起動を政府の最終判断としたい」と「再稼働正式決定」を強行した。徹底弾劾する。

 福井県知事・西川の再稼働への同意に対し、これまで「再稼働反対」のポーズを見せてきた連中も、「福井のみなさんに感謝しなければいけない」(大阪市長・橋下)、「関西の厳しい電力事情にも配慮され、判断をされたことに、感謝申し上げる」(兵庫県知事・井戸)、「原発の危険性をよく知る中で、関西の経済、生活を守るために同意なさったのは苦渋の決断だったと思う。敬意を表したい」(滋賀県知事・嘉田)などなど、「感謝」「敬意」の表明に終始した。

すべての原発の廃止かちとり、日帝の核武装を阻止しよう

 関西電力は同日午後、配管の清掃や弁の点検など再稼働に向けた作業を開始した。関西電力によると、先に再稼働させる三号機がフル出力に達するのは最短で7月8日とされ、四号機は最短で7月24日になるという。

 労働者人民に膨大な被害をもたらす福島原発事故を引き起こしておいて、誰も何の責任もとらない。事故原因もまともに究明しない。事故調査と関係なしに即席で「仮の安全基準」を作って「もう安全」と宣言。何事もなかったかのように原発再稼働を決定する。これが今の政府と官僚どものやっていることである。こんな連中の好き勝手を許したら、日本の労働者人民に待つのは、破滅的な大事故と破滅的な核武装の将来だけだ。人類の手に負えない膨大な「死の灰」、核兵器製造の役にしか立たない「死の灰」を作り出す原発は、即刻廃止にするしかない。

 政府と電力会社は、大飯原発の再稼働を突破口に、現在停止している全国の原発を次から次へと再稼働させようとしている。これを全力で阻止しなければならない。また、原発の新設・増設を阻止し、核燃サイクルを粉砕しなければならない。大飯原発再稼働阻止の現地闘争を闘いぬいた地平を拡大し、すべての原発の廃止かちとり、日帝の核武装を阻止しよう。