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5・23 石川氏不当逮捕四九ヵ年糾弾闘争を闘う(1018号6面)

 有楽町駅頭で情宣闘争を闘う

 石川氏不当逮捕から49年目の5月23日、反戦・全学連の部隊は、不当逮捕49ヵ年糾弾の独自情宣行動に決起した。

 午後、1時45分、政府中枢直近の山手線・有楽町駅日比谷口に登場した部隊はすぐさま青ヘルメット・ゼッケンを身につけ、横断幕を掲げ力強いシュプレヒコールを駅頭一帯に轟かせる。「石川氏不当逮捕49ヵ年糾弾!」「東京高裁は事実調べを行なえ」「東京高検は全証拠を開示しろ」「石川氏と共に闘うぞ」「狭山闘争の勝利を勝ちとるぞ」と響き渡るシュプレヒコールは一瞬にして駅頭を行きかう市民の注目を集めた。慌てふためく私服公安が早くも弾圧を目論み、部隊を取り囲み始める。われわれは弾圧体制を物ともせず、駅頭を行きかう労働者や買い物客、学生に対してビラまきを開始した。

 有楽町駅は官庁街も近く、オフィス街の中心であり、多くの労働者・市民が絶えることなく行き交う。平日の午前ということもあって、忙しく行きかう背広姿の労働者が目立つ。「石川氏不当逮捕49ヵ年を糾弾しよう」「石川氏の無実を勝ちとろう」「狭山闘争の勝利を勝ちとろう」と声をかけながらビラを撒いていく。アジテーションは狭山事件が捜査、逮捕から取り調べ、裁判の全ての過程において部落差別に貫かれていることを暴露しながら、石川氏の無実を訴え、狭山闘争勝利へ向けともに決起することを呼びかける。多くの労働者が声に耳を傾け、横断幕を見上げながらビラを受けとっていく。用意したビラは次々と吸い取られるように受けとられていった。圧倒的な労働者の支持をうけ情宣行動を行なう部隊を何とか止めようと、私服公安・警察権力は、闘争破壊の弾圧を仕掛けてきた。「情宣許可書を見せろ」「今すぐに止めろ」と仲間の身体を引っ張り、行きかう労働者・市民が驚き立ち止まるなか暴力的な闘争破壊・排除を強行してきた。アジテーションを行なっていた仲間の周りを取り囲み、「マイクは使うな!」と声を荒げ恫喝しながらマイクを取り上げようと力ずくで妨害してくる。抗議する仲間に対して暴言を吐き散らす様は、国家権力の体質そのものが差別と偏見で石川氏を不当逮捕した49年前と全く変わっていないことを暴露している。部隊は排除しようとする権力の恫喝に一歩も引くことなく情宣を敢行し、最後に石川氏不当逮捕49ヵ年への怒りを込めシュプレヒコールを叩きつけた。反戦・全学連の部隊は権力との攻防戦をやりきり、石川氏不当逮捕49ヵ年糾弾の情宣闘争を断固闘いぬいた。

第三次再審棄却策動を阻止しよう

 第三次再審闘争がまさに重要な局面へと突入している。4月23日には第10回目の「三者協議」が開催された。検察側はスコップに係わる18点の証拠と筆跡に関する証拠1点の計19点の証拠を開示している。しかし、この間弁護団が要求する「万年筆を隠したとされる場所の図面」や「筆跡関係で番号が抜けている証拠の特定」などについては回答を出していない。東京高検はこれまでも「殺害現場とされる雑木林でのルミノール反応検査」について「不見当」をくり返し、挙句に「ルミノール反応検査は行なわれなかった」などと言い放ち、まったく開示する気配も見せていない。石川氏の「自白」を殺害現場の根拠としている以上、その裏付けの証拠が「不見当」であるわけがない。石川氏の無実はデッチ上げ不当逮捕した司法―国家権力こそ誰よりも承知している。だからこそ開示をすれば国家権力の証拠捏造と石川氏の無実が明らかになることを恐れ、あくまでも「部落民である石川が犯人」として開示を拒否し続けているのだ。東京高裁・小川は、東京高検の石川氏無実を示す証拠開示拒否に対して、傍観を決め込み「証拠開示命令」すら出さず、ずるずると時間稼ぎをしているだけであり、小川自身も事実調べを行なおうとしていない。弁護団は4月19日付けで「『犯行現場』に関する再審請求補充書」「証拠開示に関する意見書」「Oさんの証人尋問の早期実施に関する要請書」「証拠開示勧告申立書」「鑑定嘱託申立書」などを提出しているが、次回の「三者協議」が10月に設定され、これまでにない長期の期日期間を設けていることから、この間にいつ棄却が打ち下ろされてもおかしくない状況になっている。

 「完全」な密室化のなかで、証拠開示を拒否し続ける東京高検と事実調べ一つも行なおうとしない東京高裁・小川の下での「三者協議」が進行している。他の「冤罪事件」と比較しても異様な状況なのだ。このことをこそ、弁護団は強く批判するべきだ。今こそ、東京高裁・東京高検を徹底糾弾する闘いを強力に推進していかなければならない。第三次再審棄却策動を何としても阻止し、第三次再審闘争の勝利を勝ちとろう。

狭山闘争の幕引き策動を許さず、歴史的勝利へ進撃せよ

 部落解放同盟内社民・こえ派は狭山闘争が重要な局面に突入しているにもかかわらず、昨年に続き5・23闘争を完全に放棄した。「三者協議」にのめり込み、この間「三者協議」に合わせた日程で中央闘争を開催しているが、3月22日の市民集会は150人足らずの会場でDVD上映が目的の屋内集会であり、4月20日にいたっては、参院議員会館において「冤罪被害者が訴える取調べの可視化と証拠開示の法制化を求める集会」と題した集会と、東京高裁と東京高検に「公正・中立」を求める要請行動である。部落解放同盟内社民・こえ派は「三者協議」の進展のみに期待し、戦闘的部落大衆を先頭に闘いぬいてきた狭山闘争の地平を完全に破壊し、本格的な幕引きに入ろうとしているのだ。部落差別に貫かれた狭山事件は単なる「冤罪事件」としての取り組みでは勝利をかちとることはできない。狭山事件は「部落は悪の温床」などと差別煽動を繰り返したあげく、捜査段階から被差別部落へ差別捜査を集中し、部落への予断と偏見の下で、「部落民が犯人」と結果を先に出しているのである。そして、石川氏をデッチ上げ不当逮捕し、拷問とペテンでウソの「自白」を強要したのだ。狭山事件を単なる「冤罪事件」へと流し込み切り縮めることは、捜査・取調べ・裁判の全過程を貫く許しがたい部落差別と、石川氏の血叫びと命をかけた闘いを制動・抹殺し、果ては部落解放運動のファシズム融和運動への転換のテコとするものである。「冤罪事件」「司法の民主化」運動として路線化し、「三者協議」にのめり込みながら狭山闘争の幕引きを策動する部落解放同盟内社民・こえ派の策動を絶対に許してはならない。

 石川氏にとって5・23は49年間も「犯人」としてデッチ上げられ続けた怒りと無念の日である。5・23のメッセージで石川氏は「私、石川一雄の心は閉ざされたまま50年、半世紀を迎えるのが濃厚な現実に直面し、心に重く感じるのは否定しませんが、これからも『無罪』の二文字を勝ち取るまでは不退転に闘って参る所存です」と闘いの決意を明らかにするとともに、半世紀を迎え今なお「見えない手錠」で繋がれたままであることへの悔しさが滲み出るようなメッセージを送っている。石川氏にとって5・23は決して消し去ることなどできない日なのだ。石川氏のこの怒りと無念を我が物としてわれわれは闘っていかなければならない。

 第三次再審闘争が重要な局面を迎えている今こそ、戦闘的部落大衆を先頭とした階級的共同闘争と大衆的実力闘争・武装闘争で司法―国家権力を徹底的に糾弾・打倒する闘いが必要な時だ。狭山闘争の戦闘的闘いの地平を牽引し、〈差別裁判糾弾、階級裁判粉砕、国家権力糾弾・打倒〉の闘いの基調を鮮明に打ちだし、司法―国家権力への「公正・中立」の幻想を一切捨て去り、弁護団の準備する証拠をも武器としながら、第三次再審闘争の勝利、狭山闘争の歴史的勝利へと進撃しよう。

 差別を拡大する「人権侵害救済法」の成立を許さず粉砕しよう。部落解放運動の戦争翼賛運動=ファシズム融和運動への転換攻撃を粉砕し、戦争遂行の野田連合政府を打倒し、日帝国家権力を解体しよう。朝鮮反革命戦争突撃を粉砕する革命的反戦闘争の大爆発を勝ちとろう。今こそ部落解放運動の革命的飛躍・前進を切り拓け。