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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

5・12 護衛艦「さわぎり」のソマリア沖派兵阻止
 佐世保現地闘争に決起  (1018号2面)

 
 5月12日、福岡県反戦と全学連九州ブロックは、福岡・築港日雇労働組合の闘う労働者とともに、「海賊対処法」による海自・護衛艦「さわぎり」のソマリア沖アデン湾への出撃を阻止すべく、佐世保現地闘争に決起した。

 「さわぎり」は、62口径76ミリ単装速射砲1門、ハープーン艦対艦ミサイル2基、シースパロー艦対空ミサイル八連装発射機1基など、殺戮と破壊の兵器を山のように搭載した護衛艦で、今回、第12次派兵部隊として約190人を載せている。11日に海自・横須賀基地を出港した護衛艦「いかづち」(乗員約180人)と途中で合流し、6月初旬に現地に到着する予定だという。出撃前の式典では、出席した防衛相・田中が、「民間船に寄り添い、海賊を監視することで安心を得ることができる」などと訓示したが、「海賊の監視」なんぞが目的でないことは明白だ。目的は、海外派兵の既成事実を積み重ねること、何よりも、「海賊」相手に戦闘行為に持ち込み殺害することで、自衛隊に実戦経験を積ませることだ。こんな血に飢えた自衛隊の出撃を許すわけにはいかない。

 午前9時、青ヘルメット・旗ザオの部隊は、海自・佐世保基地を見渡す前畑岸壁に登場する。赤旗、横断幕が海風に翻る。岸壁には、佐世保地区労をはじめ、長崎県下の労働者たちも続々と結集してくる。午前10時前、「さわぎり」がけたたましい警笛とともに動き出した。出撃だ。青ヘル部隊は、眼前に迫る「さわぎり」に対して、ただちにシュプレヒコールを叩きつける。岸壁に集まった多くの労働者とともに、出撃阻止の闘いをうちぬいた。

 自衛隊の海外派兵の拡大と本格的な武力行使の接近のなかで、自衛隊の腐敗が激しく進み、上官によるいじめ、しごき、セクハラ、パワハラも蔓延して、隊員の自殺が後を絶たない状況だ。今回出撃した「さわぎり」はその典型とも言うべきもので、1999年には、艦内で当時21歳の三等海曹が自殺し、遺族が国家賠償請求を起こすに至っている。それは、自衛官の自殺をめぐる最初の国賠訴訟となっている。この裁判の中で、艦内での激しいいじめの実態が露呈し、さらに艦内での飲酒、バクチや、別の海上自衛官の貯金を上官が勝手に引き出した事実も発覚するなど、「不正・腐敗」の巣窟となっていることが明らかになり、当時の艦長をはじめ乗員180人のうち実に61人が処分されるという事態となった。

 政府・防衛省が「いじめ防止」だの「綱紀粛正」だのをいかに叫ぼうが、戦争情勢の煮つまりのなかで、自衛隊の腐敗は歯止めなく進む。日帝の中東反革命戦争参戦、朝鮮反革命戦争突撃の加速は、帝軍解体・基地解体・兵士獲得の絶好の機会の到来でもある。

 われわれは、中東労働者人民の反帝武装闘争に連帯・呼応し、自衛隊の海外派兵を粉砕する。佐世保の国際反革命戦争の出撃拠点としての打ち固めを断じて許さず、佐世保基地解体に向け闘いぬく。