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5・11 自衛隊のソマリア沖派兵粉砕!
横須賀現地闘争を闘いぬく (1018号1面)

 反戦・全学連、横須賀現地に決起

 5月11日、午前8時50分、反戦・全学連の部隊は、海上自衛隊・横須賀基地からの護衛艦「いかづち」ソマリア沖派兵を阻止すべく、横須賀基地に隣接するヴェルニー公園に登場し、「いかづち」の停泊している横須賀基地に向け、断固たるシュプレヒコールをたたきつけた。神奈川県警横須賀署は、われわれが登場する前から、ヴェルニー公園に部隊を配置し、青ヘルメット・青ゼッケンの反戦・全学連の部隊が登場し、シュプレヒコールをあげるや、直ちに阻止線をはってくる。そして、横須賀市の公園課の職員三人を前に出し、「ヴェルニー公園を君らに貸し出していない。ここは公園の敷地だ。直ちに退去せよ」と職員に言わせ、部隊で排除してくる。反戦・全学連の部隊は神奈川県警横須賀署の部隊での排除に抗議しながら、「護衛艦『いかづち』のソマリア沖派兵を阻止するぞ!」「横須賀からの出兵を阻止するぞ!」「中東反革命戦争粉砕!」「野田連合政府を打倒するぞ!」と力強いシュプレヒコールをたたきつけた。その後、横須賀中央駅に移動し、駅前で護衛艦「いかづち」の横須賀からのソマリア沖派兵阻止の情宣を開始する。ここでも横須賀署は部隊で情宣活動を妨害してくる。反戦・全学連の部隊は駅前で断固たるシュプレヒコールをあげ、情宣活動を貫徹し、横須賀現地闘争を終えていった。

海自護衛艦の出撃を阻止せよ

 ソマリア沖への護衛艦派兵は、今回で第12次となる。5月11日に横須賀基地から派兵された護衛艦「いかづち」(部隊約180人)は、12日に佐世保基地から派兵された護衛艦「さわぎり」(部隊約190人)と合流、6月初旬にはアフリカ東部ソマリア沖アデン湾に到着し、今年1月から展開している部隊と交代する。司令部約30人、総勢約400人の大部隊である。出港式では、防衛相・田中の「国民と国際社会からの期待を双肩に担っていると自覚し、任務を完遂せよ」との訓示を、横須賀地方総監・河村が代読したという。

 護衛艦「いかづち」は、2005年から2010年にかけて、「テロ対策特別措置法」、「新テロ対策特措法」によってインド洋にも何度も派兵されてきた。護衛艦「さわぎり」もやはり2001年から2002年、インド洋に派兵されてきた。どちらも米軍の空母とも連携し共同行動をとりながら中東反革命戦争を担ってきた軍艦である。

 自衛隊ソマリア沖派兵は、2009年3月に、当時の麻生政府が、「海上警備行動」を発令して海自護衛艦2隻を出撃させることで開始された。麻生政府は、同年5月に派兵規模を拡大し、P−3C哨戒機、陸自中央即応連隊、C130輸送機一機をジブチに送り、陸・海・空三自衛隊が統合しての、ソマリア沖での部隊展開に一挙に踏み込んだ。こうした派兵の「既成事実」を追認した「法」が、2009年6月に強行成立した「海賊対処法」である。

 日帝にとって、自衛隊海外派兵の拡大は、戦争遂行能力の拡大そのものであり、至上の命題である。ソマリア沖「海賊問題」は派兵の格好のネタとされた。民主党は「海賊対処法」採決時は野党であり、反対票を投じていたが、3ヵ月後に与党にまわると、当然のごとく「海賊対処法」を遂行していく。

 航空部隊として、P―3C哨戒機の派兵も継続されている。P―3Cはアデン湾上空から監視活動をおこなっている。2010年からジブチ国際空港の中に自衛隊独自の基地をつくり、2011年6月には、まぎれもない海外基地として運用を開始している。この6月には厚木基地から第10次の派兵が強行されようとしている。

日帝に「海賊問題」を語る資格はない

 「海賊問題」は帝国主義がソマリアへの介入と収奪を繰り返した結果として生み出されたものである。日帝を一員とする帝国主義諸国の商業漁業船は、ソマリア内戦に乗じて、ソマリア沖で密漁・乱獲をおこない、大量の漁業資源を略奪している。また、放射性物質ウランや、カドミウム、医療廃棄物など、有害物を廃棄している。ソマリアの海岸線では、皮膚病、ガンや、鼻・口などから血を流しての死者が数多くでたといわれ、「300人は死んでいる。ソマリアは国連等に問題を訴えたが国連は動かなかった」と告発する声もある。密漁・乱獲や産業廃棄物投棄は、国際資本と地元の軍閥の間の取り決めによっておこなわれているという。「海賊対策」なぞと言いながら、日帝はじめ帝国主義諸国は、「海賊」を組織し管理している元締めの軍閥たちとは「盗人の密約」を交わしてきたのだ。日帝軍=自衛隊が「いざというとき」殺す相手は、貧困を強いられる中で実際に船に乗って「海賊」よばわりされる、少年をも含む地元の漁民たちなのである。「海賊対処法」案の審議過程でも、こうした実情は確認されていたはずである。だが日帝の本音は、「自衛隊を派兵できればそれでよい」「金と力を持たぬくせに刃向かってくるものは撃ち殺す」というものだったのだ。何が「国民と国際社会からの期待」(防衛相・田中の「訓示」)だ。日帝の本音とは、なんという手前勝手な、なんという汚らしいものであることか。これぞ、反革命戦争遂行の理屈である。野田連合政府は、このようなソマリア沖派兵に莫大な予算をつぎ込み、まだまだ予算が足りないと、消費税大増税をもくろんでいる。野田連合政府を打倒せよ! 日帝軍=自衛隊を解体せよ! 自衛隊員は労働者人民虐殺に向かう出兵を拒否し、帝国主義軍隊に反旗を翻し、闘う労働者人民の側につけ!