5月7日、2012年度入学式での「君が代」不起立に対する「再発防止研修」が強行された。
今回、「戒告」処分を受け、「再発防止研修」を強制されたのは、都立特別支援学校に勤務する男性の教育労働者1人だ。
これまで入学式での不起立被処分者に対する「再発防止研修」は例年、7月の夏休み開始の直後に、3月の卒業式被処分者と合わせて行なわれてきたが、今年の最高裁1・16判決(累積加重処分で減給以上の処分を加えることは不当とする内容)で都教育委員会の処分について一部の取り消し命令がだされたことを受けて、都教委は不起立闘争つぶしのために強行してきた「減給」「停職」の処分を出せなくなった。そのため、今年3月の卒業式での不起立者に対しては「戒告」どまりとなった。その代わりに「再発防止研修」をより過酷なものへと変更してきているのだ。3月卒業式被処分者に対して強行された4月5日の「再発防止研修」では事前の報告書作成を義務付け、「研修」時間の長時間化、「研修」後の再度の「研修」受講の義務付けなどエスカレートさせてきている。
2012年度の入学式で不起立闘争を闘い今回「再発防止研修」を強制されているこの教育労働者は、2011年度卒業式でも不起立を貫いた労働者だ。つい1ヵ月前の「4・5研修」を受けさせられた上に5月7日にも内容的にはまったく同じ「研修」を受けさせられているのだ。まさに「研修」とは名ばかりで、闘争つぶしのための「イジメ」「嫌がらせ」と「転向強要」のための「研修」に他ならない。
入学式で不起立を闘ったこの教育労働者を支援するべく、緊急の呼びかけにもかかわらず午前8時20分になると、「研修」場所である文京区水道橋の都立研修センターの入り口前には約50人の支援の労働者人民が結集した。東京・山谷日雇労働組合の仲間もかけつけ、都教委に対する弾劾と被処分者激励の行動をやりぬいた。
この日の行動を呼びかけた「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の星野共同代表がシュプレヒコールの音頭をとり、都教委に対して「処分を撤回しろ」「イジメ・転向強要の研修を中止しろ」「都教委こそ『反省』しろ」と怒りの声をたたきつける。近藤徹事務局長が抗議・激励の行動のタイムスケジュールを説明し、九時前には、「研修」会場に向かう被処分者である教育労働者への激励を行なう。
そして、受講が終了する12時15分になると、再度、研修センター前に結集した。
「研修」を終えてセンター前での集会に合流したこの教育労働者は「卒業式での再発防止研修と同じもの。私としては不起立行為はなんら恥じるものではない。今回ははじめて一人で研修を受けるので少し不安でしたが、支援の方々の大きな応援で安心できました」とあいさつを行なった。ねぎらいの気持ちをこめて全員が拍手で確認し、最後に都教委に対して怒りのシュプレヒコールをあげ、この日の「再発防止研修」に対する闘いを終えていった。
都教委は処分発令直後の「研修」の他にも、勤務学校での「研修」また研修センターに出頭しての「再研修」などを予定している。「君が代」不起立闘争を根絶するため、闘う教育労働者を孤立させつぶしていくための「処分」と「研修」を粉砕していかなければならない。
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