京橋公園での集会
4月25日、「吉岡さんをパナソニックの職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会(吉岡会)」の呼びかけで、「パナソニック・大企業の大量解雇許すな!
新自由主義的労働法制全面改悪阻止! 4・25パナソニックデモ」が闘われた。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」も結集し、ともに闘いぬいた。
午後6時、京橋駅の間近にある京橋公園で集会が開始される。まず、パナソニックPDP争議当該である吉岡力氏が発言に立ち、「パナソニックの社長は、今年6月の株主総会後に、大坪社長から津賀社長に交代する。津賀社長は、パナソニックの財産である人を活かした経営を行なうと言っている。しかし、まったく具体的な経営戦略を明らかにしていない。私の争議を通して徹底的に闘い、労働者の権利を守る闘いを行なっていく」と訴えた。「なかまユニオン」の松田氏、枚方市議の手塚氏と「平和と民主主義をめざす全国交歓会」の発言に続き、「吉岡会」共同代表の田中氏は、「4月19日、中央労働委員会が開催され、井手窪委員長と当該・吉岡君が証人として採用されることになった。一連の不当労働行為が争点になる。中労委が証人調べを行ない不当労働行為を審議するということは、非常に重要であり、ご協力をお願いする」と、中労委の報告を行なった。
午後6時半、大阪ビジネスパーク(OBP)にあるパナソニックの象徴=「ツイン21・OBPパナソニックタワー」へむけ、「パナソニックは首切りやめろ!
吉岡君を職場に戻せ!」の横断幕を掲げ、デモが開始される。「パナソニックは赤字の責任を取れ!」「大坪社長の会長就任を許さんぞ!」「大坪社長はパナソニックから立ち去れ!」「大量首切りを許さないぞ!」「吉岡君を今すぐ職場に戻せ!」。デモ隊は怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
「ツイン21・OBPパナソニックタワー」へむけたデモ
デモ行進中に吉岡氏は、「パナソニックは、1万4000人以上といわれる大量首切りを断行しました。大坪社長は、自身の経営判断ミスで会社を窮地に落とし入れ、大量の社員の首を切って路頭に迷わせ、いち早く社員の給料だけを大幅削減したのです。そんなことをしておきながら、自らは会長職に留まり、年間約8000万円もの収入を得ようとしています」「新社長・津賀一宏氏に交代し、刷新した新体制となるこの機に、今年で7年目を迎える『パナソニック・吉岡争議』の解決を求めます」「現在、大企業による大量解雇が続いています。そして、38・7パーセントといわれる『非正規労働』のあり方そのものが大きな社会問題となっています。しかし、日本経団連と政府は、『非正規労働』に対する批判の高まりに対しても、『労働者派遣法』のさらなる改悪、『有期労働法制』を契機に、『多様な正社員』の導入で『正規労働』の解体を促進するなど、新自由主義的労働法制改悪を推し進めようとしています。物のように扱われる『派遣』という働き方や、合法的に解雇される短期雇用のくり返しという働き方を撤廃し、労働の原則を資本家・政府に要求し、社会のあり方を根本的に転換していきましょう。『非正規』争議の象徴でもある『パナソニック・吉岡争議』を解決し、誰もが安心して働き続けることのできる社会をつくりましょう」と訴えた。
デモ終了後、「なかまユニオン」委員長の井手窪氏は、「中労委で私と当該・吉岡君の証人申請が認められました。非常に大きなチャンスです。大阪府労委は時効と判断して門前払いにしましたが、パナソニックが不当労働行為を行なったかどうかを、証人からじっくり聞いて判断するという態度です。争議の好機として、一気に解決をはかる闘いをしていきたい」と決意を明らかにした。最後に吉岡氏が、「争議は7年間続いています。ずっと不当労働行為が続いているということを中労委の公益委員に印象付けることができるかどうかが、一番の争点になります。ぜひ注目していただきたい」と訴えた。「吉岡さんの争議解決、そして、すべての争議が解決するまで、団結ガンバロー!」でこの日の闘いを締めくくった。
パナソニックPDP争議の勝利をかちとろう
パナソニックは、吉岡力氏をはじめ多くの労働者を「偽装請負」状態にして劣悪な労働条件でコキ使い、膨大な利益を上げてきた。吉岡氏が組合に加入し大阪労働局に「偽装請負」を告発したところ、パナソニックは吉岡氏を元の職場から排除し真っ黒なテントで隔離し「みせしめ労働」をさせたあげく、2006年1月、5ヵ月で「雇い止め解雇」を強行した。最高裁は2009年12月、吉岡氏とパナソニックとの間にあった「黙示の労働契約」を認めず、吉岡氏とパナソニックの雇用関係を認めた大阪高裁判決を覆し、雇用関係を認めない不当判決を下した。しかし、その最高裁ですら、吉岡氏の内部告発に対しパナソニックが報復として行なった黒テントでの「みせしめ労働」と「雇い止め解雇」を「不法行為」と認定し、損害賠償を認めざるをえなかった。にもかかわらず、いまだにパナソニックは「不法行為」の責任を取らず、吉岡氏を職場に戻していない。
吉岡氏は、大阪府労働委員会に「不法行為」である不当労働行為の「救済申立」を行なってきたが、府労委は、パナソニック出身者が会長を務める会社の社外監査役をしていた井上隆彦を公益委員に据えたうえで、2011年5月、不当にも理由を述べることもなく、「救済申立」を却下・棄却し、パナソニックを擁護する極めて不当な命令を出した。これに対して吉岡氏は、事実上の利害関係者である井上を公益委員に任命した大阪府知事と、井上を公益委員に推薦した大阪弁護士会に対する責任追及など、井上を担当公益委員から降板させる闘いで反撃し、さらに、中央労働委員会での闘争を闘いぬいている。
闘う「非正規雇用」労働者と連帯し、「労働者派遣法」撤廃―「直接雇用」「無期限雇用」をかちとれ。「労働契約法」改悪―「有期労働契約」法制化攻撃を粉砕せよ。 |