都教職員研修センター前に決起
4月5日、都教育委員会は東京都教職員研修センター(水道橋)で「日の丸」「君が代」強制に反対した教育労働者に対して「再発防止研修」を強行した。今回の「再発防止研修」は、これまで七月の夏休み時期に行なってきた「君が代」処分該当者の「研修」を、入学式前に行ない、入学式での不起立闘争を事前につぶすために行なわれたものである。そして、研修の内容もこれまで以上に重いものとなっている。
早朝から都教職員研修センター前には教育労働者をはじめ多くの労働者人民が駆けつけ、都教委に対する抗議の闘いに起ち上がった。約80人の仲間が参加。東京・山谷日雇労働組合、そして東京都地域連合労働組合の仲間も闘いに合流した。
2011年度卒業式では、不起立をした教職員3人(都立高1人、特別支援学校2人)に対して不当にも戒告処分を強行している。他に「式場外での警備」の「職務命令」に従わなかったという理由で都立高校教員1人に対して文書訓告の処分がなされた。4月5日の「研修」は戒告処分を受けた教職員3人を対象とした「研修」だ。
「研修」の中味は質量ともに強化されている。「研修」の中味は、従来の「地方公務員法(服務規律)について」から「教育における国旗掲揚及び国歌斉唱の意義と教職員の責務について」に変更された。これは教育労働者の「内心」にまで踏み込み、「日の丸」「君が代」への忠誠を強要し、転向を迫るものだ。
また、従来の戒告処分者対象の「研修」は、当日の「センター研修」のみで、「全体研修」での地方公務員法(服務規律)についての講義一時間と受講報告書の作成の45分、計95分の「研修」だった。それが、今回は事前課題(受講前報告書)の作成を義務付けし、当日の「研修」も「全体研修(集合研修)」以外に「個別研修」を加えた(「個別研修」とは1人を都側4人で取り囲む「缶詰研修」だ)。その結果、計195分と「研修」時間を倍増させている。
さらに、2ヵ月の長期に亘る「所属校研修」を導入した。月一回程度、研修センター等の訪問指導があり、「所属校研修」終了後には2回目の「センター研修」を義務付けるとしているのだ。
司会役を務める「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」の近藤徹事務局長が行動の時間割を説明し、まず怒りのシュプレヒコールを都教委にたたきつけていった。「いじめ・転向強要の研修をやめろ!」「われわれは『反省』しないぞ!都教委こそ反省しろ!」と結集した仲間たちが唱和した。
被処分者が「研修」を弾劾
そして、「君が代」訴訟弁護団所属の弁護士による「再発防止研修」の中止を求める要請」を行なった。
「研修」受講のために戒告処分を受けた該当者の仲間がセンターに入場すると、支援行動に結集した仲間たちが、「ガンバレー」の激励のシュプレヒコールをあげる。9時過ぎに、一旦、センター前での行動を終え、12時15分の再結集を確認し、解散となった。
12時15分、再結集した支援の労働者人民が再び都教委に対するシュプレヒコールをあげる。そして、「研修」を終えて、センターから出てきた被処分者の仲間2人が「研修」の内容についての報告を行なう。
都立高校に勤務する被処分者の仲間は今回の「研修」について、「『研修』という名に値しないもの。形式的で効果の低いもの。電子黒板やホワイトボードに講師はただ原稿を早口に読み上げるだけ。質問にも『時間がない』と言って答えない。『ふりかえりシート』は小テストのようなもので、お粗末なもの。その後の『個別研修』は独房に連れて行かれたようなもの。10人くらいの役人が自分の周りを取り囲んで、廊下にも張り付いている。トイレの中まで入ってきた」と怒りをこめて「研修」という名の弾圧について暴露した。その報告を受け、支援の仲間たちはあらためて都教委の「研修」強要に怒りを燃やした。
最後にシュプレヒコールを都教委にたたきつけこの日の抗議・激励行動をしめくくっていった。
都教委は「戒告」以上の処分については簡単には出せなくなったかわりに、「再発防止研修」の質を強化し、不起立に起ち上がる現場の教育労働者への弾圧を強めてきている。
今後の、所属校での「研修」、さらには2ヵ月後の「センター研修」と不起立の闘いに対して見せしめの攻撃をエスカレートしている。都教委による処分と「研修」強要をはねかえし、不起立に決起する教育労働者の闘いを孤立させることなく、「日の丸」「君が代」強制を打ち砕こう。 |