JR御茶ノ水駅頭で情宣に起つ
3月3日、反戦・全学連の部隊は、「国連平和維持活動」(PKO)―自衛隊ゴラン高原第33次派兵阻止を訴える情宣行動に起ちあがった。
午前10時、JR御茶ノ水駅頭に結集した反戦・全学連の部隊は、一糸乱れず情宣の配置につく。「ゴラン高原への第33次派兵を阻止するぞ」「中東反革命戦争を粉砕するぞ」「パレスチナ―中東労働者人民と連帯して闘うぞ」。シュプレヒコールが御茶ノ水駅頭に響き、情宣の開始を告げる。そして、アジテーションを行ないながら、ビラ撒きを開始する。首都中枢の駅頭に登場した青ヘルメット部隊は労働者・学生の注目を集める。ビラは次々に受け取られていく。反戦・全学連の部隊は最後に再度のシュプレヒコールを挙げ、権力の弾圧を一切許すことなく情宣行動を貫徹した。
1月20日、野田政府は、中東・ゴラン高原の「国連兵力引き離し監視軍」(UNDOF)に参加している自衛隊の活動期限(3月31日)を2012年9月30日まで6ヵ月間延長することを閣議決定した。国連安保理がUNDOFの活動期間をさらに半年間延長したことを受けた決定だ。
この閣議決定を受けて防衛省は2月15日、「第33次ゴラン高原派遣輸送部隊」の概要を発表した。「第33次隊」は北部方面隊の第2師団(司令部・北海道旭川市)を主力とした43人で編成された。第2師団を主力とする部隊のゴラン高原出兵は、第11次、第21次出兵に続いて3回目となる。2月16日には朝霞駐屯地で出国行事が行なわれ、防衛政務官・神風は「自らの活動が国際社会の平和と安定の礎になっていることを自覚して任務に邁進せよ」と言い放った。イスラエルによるシリア領ゴラン高原の軍事占領の防衛とパレスチナ解放闘争圧殺の任務を貫徹せよと訓示を垂れたのだ。2月18日には第33次派兵の第1陣約30人が成田空港から民間機を使って出兵し、3月3日の闘いは第2陣15人が出兵する日に当たり、これを直撃する闘いとなった。
日帝・自衛隊は1996年1月のゴラン高原へのPKO派兵以来、16年にもわたってパレスチナ―中東労働者人民に銃口を向けつづけている。UNDOFの目的は米帝―帝国主義がイスラエルによるシリア領ゴラン高原の軍事占領を固定化し、パレスチナ―中東労働者人民の決起の圧殺を「国連」の名をかたって強行することだ。1967年、イスラエルは第3次中東戦争をしかけ、パレスチナ労働者人民をたたき出してデッチ上げた「イスラエル国家」を防衛するための軍事的要衝であるゴラン高原をシリアから強奪した。シリアとイスラエルとのあいだの「和平交渉」は2001年1月以来いき詰まり、イスラエルは占領の既成事実を積み上げ、「既得権化」を狙っている。しかし、昨年6月にはゴラン高原で生活するシリア労働者人民がゴラン高原占領44ヵ年を弾劾する実力デモを闘い、イスラエルの「既得権化」への反撃の狼煙を上げている。日帝・自衛隊がこれらの事実や背景を充分に知りながらゴラン高原でパレスチナ―中東労働者人民に銃口を向けつづけているのは、帝国主義による中東の反革命支配の一角を軍事的関与を行なうことで占めるためであり、同時に自衛隊を世界で通用する実戦軍として強化するための「練兵場」として位置づけているからだ。ゴラン高原派兵を経験した自衛隊部隊や指揮官が次にはイラクなどへと出兵した事実がそのことを物語っている。ゴラン高原に派兵された指揮官は「海外に出たら日本人としての誇りを持つことが必要だと思いました。物怖じすることなく、自信をもって臨めば世界でも十分に通用すると確信しました」なぞと、日帝の利害を貫徹するためにパレスチナ―中東労働者人民に銃口を向ける反革命任務を「誇り」や「確信」などとほざいている。絶対に許してはならない。陸自のPKO―ゴラン高原派兵を粉砕し、ゴラン高原からの即時撤退をかちとれ。
「PKO協力法」改悪を阻止せよ
ゴラン高原や南スーダンなど世界各地に自衛隊を派兵している野田政府は2月29日、自衛隊がPKOに参加する際の「武器使用基準」の緩和にむけた検討に入った。現行の「PKO協力法」で定めた「PKO参加5原則」のうちの「武器使用基準」は、自衛隊員による小銃などの武器使用を「要員の生命などの防護のため必要最小限に限る」「正当防衛や緊急避難の場合」とし、「防護の対象」は自己や自己の管理下にある国連職員などに制約している。これを「宿営地外で活動する国際機関やNGOの職員らを防護するための武器使用」も認め、野放図な武器使用を可能にしようとしているのだ。日帝が南スーダン派兵を機に「武器使用基準」の緩和を強行しようとしているのは、南スーダン情勢が「PKO参加5原則」に該当せず、いつ戦闘が起きても不思議ではない状況であるからだ。これまで日帝はPKOに参加する際の条件である「PKO参加五原則」を「PKO協力法」で(一)紛争当事者間の停戦合意(二)紛争当事者の受け入れ同意(三)中立的立場の厳守(四)以上の条件が崩れた場合の中断・撤収(五)要員の生命防護のため必要最小限の武器使用としてきた。しかし、日帝の狙いは一切の制約を取り払った日帝軍・自衛隊の海外派兵の全面化と制約なき武器使用を実現することで「世界の日帝」としての位置を軍事的にも確立することだ。この狙いを南スーダン派兵を機に一気に実現しようとしているのだ。南スーダンが独立するまでの20年以上の内戦では200万人以上が死亡している。独立後も昨年末には民族対立が発生し、武装集団の攻撃で3000人以上が死亡している。また、南スーダン各地には武装勢力が根を張り、独立後も武装解除に応じない勢力が多数存在する。これらの状況を見れば「5原則」の中の「紛争当事者間の停戦合意」なぞ存在しないことは明らかだ。にもかかわらず「自衛隊が展開する首都・ジュバは安定している」なぞというデマで自衛隊派兵を強行し、派兵後は「制約なき武器使用」に持ち込もうとしている。野田政府は「PKO協力法」改悪案の今国会への上程をもくろんでいる。PKO派兵の恒常化のうえに、さらに世界で通用する反革命実戦軍としての強化のための「制限なき武器使用」にむけた「PKO協力法」改悪を阻止せよ。
シリア「政変」への反革命介入―パレスチナ解放闘争圧殺攻撃を粉砕せよ
チュニジアやエジプトで親米政権を転覆した中東―アラブ諸国労働者人民の決起がつづくなか、米帝―帝国主義はパレスチナ解放闘争の圧殺を核心として「アラブ民族主義」を掲げた諸国での「政変」への反革命介入を強めている。その「標的」となっているのがシリアだ。米帝はパレスチナ支援を行なってきたが故にシリアを「テロ支援国家」に指定してきた。そのシリア・アサド政権は「ジャスミン革命」以来の「政変」の危機に直面している。米帝―帝国主義はこれ幸いと一気にアサド政権転覆―パレスチナ解放闘争圧殺を強行せんとして、国連安保理の場で「アサドの権限の副大統領への委譲、与野党による挙国一致内閣樹立」というアラブ連盟の仲介案を内容とする対シリア決議を採択しようと画策したが、中東―アラブ諸国への影響力の一挙的な喪失という事態に直面することになる中国、ロシアの拒否権発動によって頓挫している。武装闘争路線の放棄に入っているハマスはこれまで資金援助を受けてきたシリアやイランから支援国をエジプトなどの親米諸国に変更しようとしている。
イスラエルを尖兵とした米帝―帝国主義が狙うシリア・アサド政権転覆はシリア労働者人民の意志とは無関係であり、パレスチナ解放闘争圧殺を射程に入れたものである以上、パレスチナをはじめとした中東労働者人民の闘いの爆発は必死だ。また、武装闘争路線の放棄に入ったハマスなどのイスラム原理主義によってパレスチナ労働者人民の怒りと闘いが集約されることはない。中東―アラブ諸国労働者人民の闘いと連帯した日帝足下からの実力・武装の闘いが求められている。米帝―帝国主義によるシリア「政変」への反革命介入を許すな。
イランへの中東反革命戦争の拡大、日帝の参戦を粉砕せよ
米帝―帝国主義は、中東支配を安定させるためにパレスチナ解放闘争の圧殺を至上命題とし、イスラエル・シオニストを軍事的・経済的に支えながらパレスチナ労働者人民の虐殺とパレスチナ解放闘争の破壊を続けている。同時に、「和平」や「パレスチナ国家の建設」という方策でパレスチナ解放闘争の革命的発展を阻止しようとしている。一方、「ファタハとハマスの和解」―ハマスの武装闘争路線の放棄の動きも加速している。
しかし、パレスチナ労働者人民はこのような動きに集約されることなく実力・武装の闘いを貫徹している。2月24日にはヨルダン川西岸で闘われていたデモに対するイスラエル軍の鎮圧攻撃に投石で応戦していた青年が至近距離からの銃撃によって死亡し、これを発端として新たなデモが2000人規模で闘われ、イスラエル警察との投石戦に発展している。29日にはイスラエル軍の一団がヨルダン川西岸のテレビ局2局を襲撃し、「イスラエルの放送と航空通信を妨害する海賊放送局だ」として放送器材を押収し、放送停止にするという攻撃をしかけたが、このような攻撃にひるむことなくパレスチナ労働者人民は闘う姿勢を堅持し、3月6日には再びヨルダン川西岸の検問所近くで瀕死の重傷者を出しながらも青年による投石戦を貫徹した。このようにイスラエルはパレスチナ労働者人民を分離壁で包囲し、仕事も食料も水も困窮する封鎖状態に追い込み、抵抗の闘いには虐殺を繰り返し、放送も停止させ、言論さえ封殺しているが、それはパレスチナ労働者人民の怒りの炎に油を注ぐ結果に終わっている。日帝はイスラエルとの親密な関係を前面に押し出しながら中東支配への参画を強めている。パレスチナ―中東労働者人民の怒りは日帝にも向けられている。われわれは日帝足下からパレスチナ労働者人民の不屈の決起に実力・武装の闘いを貫徹することで応えなければならない。
米帝―帝国主義は「核開発」を口実にした対イラン反革命戦争突入の動きを加速させている。ゴラン高原への自衛隊派兵でパレスチナ解放闘争圧殺の実績を積み、中東の反革命支配に参画することを狙う日帝は、この動きに遅れまいとしてホルムズ海峡への自衛隊派兵にむけ、ソマリアに派兵している自衛隊部隊のホルムズ海峡への転戦や、新たな「特措法」制定を策動している。
米帝・オバマは3月5日、訪米したイスラエル首相・ネタニヤフがイランに対する「自衛権」を主張した空爆などの攻撃準備に入っていることに対して「イスラエルは脅威に対し自衛能力を持ち」「安全保障で独自の決定をする主権がある」と擁護し、3月6日には英帝・キャメロンとの会談をとおして「外交解決の機会は限られてきた」「あらゆる選択肢を検討する」と、米帝―帝国主義によるイランへの中東反革命戦争拡大を意志一致したことを明らかにした。
米帝―帝国主義が対イラン反革命戦争に突入する鍵となるのは、国際原子力機関(IAEA)による査察結果なぞではない。米帝―帝国主義にとって「体制攪乱要因」であるイランを体制崩壊させるのは「既定の方針」であり、開戦決断の条件となるのはイランの同盟国であるシリア「政変」への反革命介入の度合いや、イラン空爆の有効性といった軍事的要因にかかっているのだ。
世界大恐慌爆発情勢の深化でのた打ち回る米帝―帝国主義の中東反革命戦争のイランへの拡大、日帝の参戦を革命的反戦闘争の爆発で粉砕せよ。 |