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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

 2・27野田来沖弾劾に決起〈沖縄〉 (1009号5面)

ファシストの敵対粉砕し抗議集会を貫徹

 首相・野田が、2月26日から27日にかけて来沖した。闘う沖縄労働者人民は、27日の「県」庁での知事・仲井真との会談を迎え撃つ態勢をととのえた。野田政府の名護市辺野古への新基地建設ゴリ押しに怒りを燃やす沖縄労働者人民が、「県」庁前の「県民広場」に結集した。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会も呼びかけに応え決起した。
 マイクアピールが行なわれ集会準備がすすむ中、「幸福実現党」なる反共ファシストども20人ほどが、「辺野古移設賛成」を掲げて抗議集会への敵対を図ってきた。参加者から批判を浴びると、「沖縄に言論の自由はないのか」、「われわれも県民だ」などとおっかなびっくりの形相でちゃちな敵対をしかけてくる。会場前の交差点付近には「日の丸」を掲げた天皇主義右翼ファシストも登場する。憎悪に満ちた罵倒を投げかけ挑発してくるファシストに対し、結集した沖縄労働者人民は毅然として構え、「集会破壊を許さんぞ!」、「右翼は出ていけ!」と一喝し、敵対・介入を粉砕した。
 会場は労働組合や市民団体の旗が林立し、400人以上の結集で埋められた。午前7時45分、集会はシュプレヒコールで開始される。「首相来県に抗議するぞ」、「普天間基地を返還せよ」、「辺野古新基地建設を阻止するぞ」、「埋立申請を許さないぞ」、「工事着工を許さないぞ」、「政府の圧力に屈しないぞ」。力強いシュプレヒコールは、出勤前の労働者や通学途中の学生の大きな関心を引き寄せた。
 結集した諸団体の発言を受けていく。沖縄平和運動センターは、「野田政府は沖縄を侮辱する発言を続けてきた」、「新基地建設は条件がととのえばやるということ。許してはならない」と訴えた。沖縄平和市民連絡会の城間勝氏は、「日本政府は沖縄に基地を集中させ、辺野古を未来永劫にわたって米軍と自衛隊の拠点にしていこうとしている」、「米国からも辺野古は不可能という声が出てくるなか、辺野古にこだわっているのは日本政府だけだ」と野田政府を徹底弾劾し、「戦後日本は沖縄に対し構造的差別を続けてきた。復帰40年の節目に当たって、普天間基地の固定化をダシにした辺野古新基地の建設を止める大衆運動をつくっていこう」とさらなる闘いの構築を呼びかけた。
 すべての発言が終了した後、シュプレヒコールで集会を閉じ、参加者全体は「県」庁車両入口へむけて移動を開始する。

弾圧はねのけ野田に怒りを叩きつける

 部隊全体は、まず道路を挟んで「県」庁に向かいあうように陣取った。車両入口の一方の側には「幸福実現党」の輩が居座り反中国―反共・排外主義煽動をくり返していたが、闘う沖縄労働者人民は闘争破壊を打ち破り、車両入口の両側にも部隊を配置して周囲一帯を制圧した。権力は制服警官を立たせ、私服をそこかしこに配置し、怒りの爆発を封じ込める弾圧態勢をしいた。
 8時40分ごろ、白バイ数台があらわれた。「県庁に入れないぞ!」、「ただちに帰れ!」。抗議団は「怒」と書かれたレッドカードを掲げながらシュプレヒコールを叩きつけていった。白バイと警備車両は対向車線にまではみ出し道路封鎖して防衛線をはり、野田らを乗せた車両を「県」庁内に次々と入らせた。こうした権力の横暴にも怒りの矛先が向けられる。
 部隊は闘う態勢を維持し、政府弾劾の声を高めていった。名護からかけつけたヘリ基地反対協の安次富浩氏は、「辺野古は破綻している。それなのに首相は『理解してもらう』と言いながら基地を押し付けてくる。理解すべきは首相の方だ」と怒りをあらわにし、「首相は会談のあとヘリで上空から辺野古を視察する。辺野古の浜では那覇の闘いと連携しながら抗議を行なう」と報告した。
 知事・仲井真との会談を終えた野田は、9時40分前に「県」庁舎を去っていった。入庁時を倍する「帰れ」コールが野田に襲いかかったことはいうまでもない。参加者は悔しさと怒りを胸に次なる闘いへの結集を互いに確認し合い、闘いの全過程を終了した。

反戦・反基地闘争の飛躍を切り拓け

 野田は名護新基地建設について「日・米両政府は唯一有効な方法と確認している」と言い放った。深々と頭を下げて「お詫び」したその口で、「普天間基地の固定化」で圧力を加え名護新基地建設推進をつきつけたのである。踏みつけたその足を離すことも緩めることすらもなく、さらに強く踏みつけて「お詫び」を表明する野田に対し、沖縄労働者人民の怒りが叩きつけられたのは当然のことであった。
 そもそも、激しい反発を受けると百も承知の上で野田が来沖を強行したのは、頑強な反戦・反基地闘争を叩きつぶすことに主眼があった。あえて「平和の礎」や「ひめゆりの塔」など南部戦跡を訪問したのも、「沖縄戦の犠牲と基地問題を結び付けるな」と突きつけるためであった。野田政府にとって、沖縄労働者人民の新基地建設阻止闘争を鎮圧することが喫緊の課題となっているのだ。
 また、野田は「沖縄の負担軽減を具体的に進める」とくり返し強調した。これは、日・米両政府が「米軍再編見直し」において、「海兵隊のグアムへの移転及びその結果として生ずる嘉手納以南の土地の返還の双方を普天間飛行場の代替施設に関する進展から切り離す」とした「パッケージ切り離し」を念頭に置いたものである。しかし、「パッケージ切り離し」とは、「アジア・太平洋地域」を重視する米帝の軍事戦略のもとで、グアムと沖縄を一体的な軍事拠点として強化するための措置でしかない。沖縄の出撃拠点化は、よりいっそう強まるのだ。にもかかわらず野田政府は、「パッケージ切り離し」で「嘉手納以南の先行返還」をちらつかせては「負担軽減」だと触れまわり、反戦・反基地闘争を分断・破壊するために最大限利用しているのだ。こうした策謀を断じて許してはならない。
 一方、仲井真は辺野古堅持に難色を示しつつ、「沖縄振興への取り組みに感謝」した。「県外移設」要求を掲げて沖縄労働者人民の新基地建設阻止闘争を基地容認・安保容認の枠内に押しとどめ、それをネタにカネを引き出すという手法が一段と鮮明になった。このような手法を許しておけば、必ず腐敗する。
 われわれは、朝鮮反革命戦争遂行のための米軍再編そのものを打ち砕き、帝国主義軍隊解体・日米軍事基地解体へ進撃していかねばならない。「移設」論議に終止符を打ち、反戦・反基地闘争の飛躍を切り拓く。天皇主義右翼ファシストを撃滅し、大衆的実力闘争を巻き起こす。普天間基地解体・新基地建設阻止を必ずやかちとる。沖縄―日本「本土」貫く団結を強め、安保粉砕・政府打倒闘争の爆発をかちとろう。