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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

2・21東京総行動を闘う (1008号6面)

  2月21日、東京・山谷日雇労働組合の仲間と東京都地域連合労働組合の仲間は、「非正規」で不当解雇され職場復帰を闘う「パナソニック事件」の吉岡氏、ヤンマー争議を闘う稲森氏などの争議支援や、労組つぶしのための解雇攻撃と闘うフィリピントヨタ労組支援のために、東京総行動に結集した。

日本基礎技術東京本社前行動

 午前10時、日本基礎技術本社前の路上には当該をはじめ支援の労働者が続々と集まってきた。主催者あいさつに続いて、「なかまユニオン」が経過報告を行なう。
 昨年12月26日、大阪府労働委員会は、本田氏の申し立てをしりぞけた。団交応諾義務を果たさない会社側に立った府労委命令を弾劾し、引き続き中央労働委員会闘争を闘っていくことが述べられた。また、2月10日には本田氏の「地位確認訴訟」の大阪高裁判決が出されたが、そこにおいても地裁判決同様、原告の請求を棄却するという不当判決だった。「試用期間中の解雇」が過去において争われた「三菱樹脂事件」でも解雇理由の正当性が問われたが、本田氏のケースでは会社側の裁量を大きく認めるもので、「解雇のハードルを低くするもの」と批判し、「若者の未来をかけた闘い」として全力で闘っていくと決意表明がなされた。
 JAL争議の仲間の連帯発言に続いて、国会前でのリレーハンストを闘った佐久間忠夫氏が「(国労)闘争団は解散しましたが、やはり納得できないものは納得できない」「1人でも納得できなければ最後まで闘いぬく、それが民主主義だと思う」「今の社会では労働組合は守られていない、特に裁判所はひどい」「総行動運動を闘いみなさんの力でもって連帯を広げていく。共に闘おう」と発言した。そして、当該の本田氏は「今年は中労委も終わり、会社対ユニオン、会社対私というように現場の闘いになると思います。会社はこれまで弁護士まかせだったが、これからは直接交渉しなければならない」と現場闘争強化の決意を述べた。会社への要請団が編成され、要請行動に入る。その要請行動の最中も結集した支援の連帯あいさつが続く。日本基礎技術での社前行動を、シュプレヒコールで締めくくった。

2つのコースを闘った仲間が日本経団連前で合流、要請行動を闘う

 午後12時30分、2つのコースに分かれて午前中の東京総行動を闘った仲間が大手町の日本経団連会館前に結集した。そして、全労協の「けんり春闘」の第一波行動として経団連前での集会が開催された。「けんり総行動」の実行委員長でもある東京全労協の纐纈議長が開会あいさつを行ない、金澤全労協議長の発言の後、争議を闘っている労働団体の発言に移る。
 まず、JAL解雇撤回闘争を闘っている原告団事務局長の鈴木氏が発言のために宣伝カーの屋根に登壇する。鈴木氏は「日本航空は経営破綻の中での人員削減で私たちを不当解雇しました。経営破綻した原因は、長年、湯水のようにお金を使ってきた会社の経営方針によるものです。私たち労働者には全く原因はありません。3月には判決が出ます。どのような判決が出ようと、私たちは最後まで頑張りたいと思います」。
 次に、日本郵政による「非正規雇用」労働者への「65才定年」を理由とした解雇と闘う「郵政ユニオン」が発言を行ない、その次に2012年春闘の決意をこめて全国一般全国協議会の平賀委員長があいさつを行なった。「フィリピントヨタを支援する会」の仲間は経団連の会員企業であり過去、会長も輩出したトヨタによるフィリピンでの労組つぶしの労務政策を厳しく弾劾し、「10年経っても、トヨタは組合潰しを改めようとしていない。何としても早期に解決するためにみなさんと共に春闘を闘っていく」と決意を述べた。
 東北・関東大震災の被災地・南三陸町などでの支援活動を続けている全関東単一労働組合の鳥井氏は「名無しの救援団」として「私たちは3月20日以降9月まで毎週炊出しを行なってきました」「私たちは争議を通して、職場作業を通して、人と人のつながり、メンタルヘルス相談などを取り組んでいきたいと思います」。
 集会を終えて、経団連に対する要請書を携えた要請団が、会館入り口に向かうと今年もガードマンが立ちはだかり、要請書の受け取りを拒否、経団連への取次ぎすらしないという対応に出ている。経団連前に結集した労働組合、争議団体など闘う仲間たちは、怒りをこめたシュプレヒコールをたたきつけていった。そして、最後に「団結ガンバロー」三唱で経団連前の行動を終了した。

ヤンマー東京支社前行動

 午後2時30分、東京駅八重洲口に面したヤンマー東京支社前には争議当該である稲森氏をはじめとする仲間が結集して集会が開催された。
 司会の仲間がヤンマー争議の経過報告を行なった後、当該の稲森氏は、ヤンマーが争議を支えた仲間の就職活動を妨害するために滋賀県商工会議所に所属する企業に「雇うな」と指示していた事実を暴露した。そして滋賀県における「びわ湖ユニオン」の労働相談活動の中から「JRの下請け企業で線路の保全に20年以上従事していた9人の日系人が(ユニオンに)加盟した。その下請け企業が『日本語の読み書きができない日系人に保全作業を任しておけば安全が確保できない』との理由で大量の解雇を行ないました。こういった人権侵害を行なう企業を私たちは絶対に許すことはできません。JRの争議の当該と私たちヤンマーの争議と連帯して解決するまで徹底的に闘っていきたいと思います」と決意を述べた。その後、ヤンマー東京支社への要請団が要請行動を行ない、全石油昭和シェルの仲間が連帯発言にたち、ヤンマー東京支社前での行動を終えていった。

キヤノンプラザ前行動

 午後3時、今回初めてキヤノンのショールームである銀座でのキヤノンプラザ前での要請行動が取り組まれた。司会の仲間が「御手洗が社長に復帰する。背水の陣が敷かれていると言われている。キヤノンは内部留保で巨大な利益を上げており、それは非正規労働者の低賃金で賄われている。さらにもっと利益を上げるために非正規労働者の首を切る。私たちの要求を聞き、非正規労働者を直ちに職場に戻すよう要求したい。私たちは、キヤノンで首を切られた非正規労働者が職場復帰するまで全力で支援します」と発言した。
 次に、当該の阿久津氏に代わって「キヤノン非正規労働者を支える会」の仲間が「阿久津さんの奥さんが出産のため入院しているので、阿久津さんは来られません。東京都労委、地裁での係争になっています。審議が長引いているのは、キヤノンが言を左右にして、偽装請負、不当労働行為を逃れようとしているからです。1日でも早い解決を求めて今日の行動を闘っていきたいと思います」。
 JAL争議の仲間、キヤノン電子労組から解雇され争議を闘う当該の仲間が連帯発言を述べ、要請団による要請行動に移る。銀座の繁華街での争議支援行動の衝撃は大きく、制服警官も出動したが、「争議に介入するな」の一喝で遠巻きにながめるだけだった。

パナソニック東京本社追及行動

 午後4時35分、芝公園のパナソニック東京本社での社前集会が開始される。司会の「なかまユニオン」のあいさつに続き、「けんり総行動実行委員会」の仲間が経過報告を行なう。
 当該の吉岡氏は「中村会長、大坪社長は7800億円の赤字を出したにもかかわらず、経営責任をいっさい取らずに居座っている。さらに役員報酬をアップさせている。その一方で、テレビ事業の縮小でリストラ・首切りをやろうとしている。こうしたパナソニックの労働者軽視のあり方を変えて、労働者が生き生きと働ける職場を作っていくためにも自分はこの争議に勝利して、職場復帰を果たしていきたい」と決意を述べ、さらに「パナソニック経営陣には警視庁時代に組織的に裏金づくりに関与していた竹花豊が天下りでコンプライアンス(企業倫理)担当として役員に名を連ねている。こんないい加減な役員人事を平気で行なう中村会長に経営の責任をとれるわけはない。退陣すべきではないでしょうか」とパナソニック本社に勤務する労働者にも呼びかけた。
 連帯あいさつは、JAL争議の仲間、全造船機械労働組合住友重工の仲間、新宿地区労の仲間が行ない、最後に入り口をチェーンで閉ざし、要請さえも受け付けないパナソニックに対して「吉岡さんを職場に戻せ」と参加者全員がシュプレヒコールをたたきつけ、追及の行動を終えていった。

トヨタ東京本社前行動

 この日の総行動のしめくくりとして最後に午後5時30分、トヨタ本社前での追及の行動が取り組まれた。午後の2つのコースに分かれた争議支援の仲間たちが、トヨタ本社前で合流した。
 東京全労協の纐纈議長があいさつに立ち、続いて「フィリピントヨタを支援する会」の仲間が「すでに233人の労働者が首を切られ、また、最近四人の労働者が首を切られるという状況の中にあって、14年にわたってフィリピンにおいて果敢な闘いが推し進められています。国際労働機関(ILO)に対する取り組みを進め、数度にわたってILOからフィリピントヨタに対して『問題解決』の勧告をするという状況になってまいりました。さらに私たち労働者の仲間はトヨタに対してこの問題を『しっかり解決すべきだ』というキャンペーンを全世界で行なっている」とあいさつする。
 「支援する会」の仲間が現況報告を行なう。「昨年のILO京都大会ではわれわれのビラ撒きにフィリピントヨタ労組の委員長と副委員長が参加した。各国の代表が極めて強い関心を示した。フィリピントヨタ労組では現在も4割近い労働者が抵抗を続けている。一刻も早い解決を目指す。そのためには2つの鍵がある。1つは、フィリピン現地での闘い。そしてもう1つは、日本も含めた世界の包囲網です。みなさんの力を借りて一日も早い解決へ向け、私たちも頑張ります。みなさんの支援をお願いします。共に頑張りましょう」。
 続いて、JAL争議の仲間、「強制連行全国ネットワーク」の仲間、「なかまユニオン」、「ネットワークユニオン」がそれぞれあいさつする。
 最後に、東京総行動のしめくくりのあいさつとして「まだ私たちの闘いは続きます。しかし、多くの仲間たち、先輩たちが勝利を勝ち得てきたことを確認したいと思います。長年の闘いを勝利的に闘いぬいてきた昭和シェル労働組合、郵政4・28の仲間たち、そういった東京総行動に結集して長年の闘いを貫いてきた先輩たちの私たちに対するプレゼントで、宣伝カーが始めての今回の行動で披露できました。総行動は3月13日に実行委員会を開き、次の行動をみんなで検討します。これからも総行動は皆さんの結集によって、すべての争議の解決のためにみなさんで盛り上げていきたいと思います」。
 そして、「郵政ユニオン」の仲間の音頭による「団結ガンバロー」でこの日の東京総行動の日程を終えていった。