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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

1・15 佐藤さん虐殺27ヵ年 山岡さん虐殺26ヵ年弾劾!金町一家解体!
日雇い労働者全国総決起集会・デモが闘われる(1004号6面)

 越冬闘争をやりぬき全国から寄せ場・日雇い労働者が結集

 全国で越年・越冬闘争を闘いぬいた寄せ場・日雇い労働者が、1月15日、東京・山谷に結集し、天皇主義右翼ファシスト・国粋会金町一家の解体を新たに決意し、2012年「反戦・仕事よこせ」の闘いの前進をかちとるべく総決起集会を開催した。集会後には戦闘的な山谷デモを貫徹した。
 1984年12月22日、山谷労働者と共に闘っていた映画監督・佐藤満夫さんが国粋会金町一家によって虐殺されて27ヵ年、1986年1月13日、山谷争議団の代表的人格であった山岡強一さんが虐殺されて26ヵ年をむかえる。
 山谷争議団が金町一家解体戦を放棄する中で、東京・山谷日雇労働組合は「天皇主義右翼ファシストの寄せ場支配を許すな!ファシストとの攻防に勝利しなければ労働者の勝利はない!やられたらやりかえせ!」と山谷労働者に呼びかけ、毎週金曜の朝行動や2・11「建国記念の日」粉砕の山谷朝行動を貫徹してきた。
 この日の早朝、城北労働・福祉センター前には赤ハチマキをつけた山谷の労働者が結集し、炊き出し準備を開始する。午前6時半になると、炊き出し準備の部隊と山谷通りと玉姫公園での情宣隊とに分かれそれぞれの作業を続行する。また、大阪・釜ヶ崎や福岡・築港から結集した労働者がセンター前に合流してくる。情宣隊は玉姫公園の朝市でビラを配り、闘争への結集を呼びかけた。
 参加する労働者を連れて情宣隊が戻ったセンター前では炊き出しの準備も順調に進んでいる。時間が経つにつれてセンター前に集まる労働者の数も増えてきた。
 午前9時半、炊き出しで腹を膨らませた赤ハチマキ姿の労働者がセンター前の路上に整列する。そして、「ワッショイ!」の掛け声とともにが集会場である玉姫公園に進撃を開始する。清川のドヤ街から玉姫公園への通りに出ると、機動隊が阻止線をはっている。「無届けデモだ!解散しろ!」と浅警の警備課長は怒声を浴びせかける。しかし、部隊はひるむことなく整然と進撃を続け、玉姫公園内に到着する。玉姫公園で待っていた労働者とも合流し、玉姫公園は完全に闘う労働者で制圧される。
 午前10時、いよいよ集会の開始だ。東京・山日労の委員長が司会に立ち、全体でシュプレヒコールを上げる。そして集会の冒頭、昨年七月に亡くなった岡本暢夫氏への追悼の言葉がささげられた。岡本氏は全国寄せ場交流会の代表として、全国の日雇い労働者とともに常に「反戦・仕事よこせ」の先頭にたって、闘いぬいてきたかけがえのない同志だ。「彼が情熱を傾けて闘いぬいた寄せ場―日雇い労働運動の飛躍・前進のために、われわれもまた自らの生涯をかけ、命をかけて闘いぬくことを、ここに誓うものである」。司会の仲間が、岡本氏の遺志を引き継ぎ、闘う決意をあらためて宣言する。
 集会場の正面に飾られた佐藤氏、山岡氏、岡本氏の遺影に向かって集会参加者一同が追悼の黙祷をささげる。

玉姫公園で総決起集会

 集会の最初に、沖縄・首里日雇労働組合から寄せられた連帯メッセージが紹介される。「沖縄においてもファシストの動きは年々強まっています。幸福実現党なるファシスト集団が闘争現場に対抗的に登場するといった事態が開始され、天皇や自衛隊を賛美する育鵬社版教科書の採択運動が吹き荒れています。反共・排外主義煽動で反戦・反基地闘争つぶしを狙っているのです。断じて許すことはできません。沖日労はファシストの跳梁を許さず、米軍・自衛隊解体、基地解体に決起します。普天間基地解体・名護新基地建設阻止を断固として闘います」。連帯のメッセージを圧倒的な拍手で確認する。
 次に東京、神奈川の地域連合労働組合、反安保労研全国センターからの連帯あいさつが行なわれる。東京都地域連合労組は「2011―2012年越年・越冬闘争をともにやりぬいた。山谷越冬闘争にかけつけた元国鉄労働者は、『なかまの命を守りぬいたのは行政ではなく労働者だ』と喝破した。金町一家の越冬破壊を許さず闘った力が、本日の闘争に結集している。山谷の越冬闘争には『非正規雇用』労働者も熱い注目と関心を寄せている。『非正規雇用』労働者と連帯して『労働者派遣法』の撤廃をかちとっていこう」と決意を示した。神奈川県地域連合労組は「東北・関東大震災被災労働者人民支援を闘いぬこう。原発労働者の闘いを呼び起こすような戦闘的労働運動をつくっていこう。金町一家解体をともに闘おう」と呼びかけた。反安保労研全国センターは「労働者を苦しめてきた資本主義経済は最終局面にむかっている。日本は昨年11月、貿易収支が赤字に転落した。ブルジョアジーは、戦争への動員と大収奪で生き延びようとしている。資本主義を防衛しようとする右翼ファシストとの闘いは、日本の労働運動の課題だ。日本の労働運動で、山谷における右翼ファシストとの闘いは誇ってよい闘いだ。昨年の12月11日の反安保全国労働者研究交流集会で、全国労働組合運動交流会結成が呼びかけられた。『連合』、全労連を突破していく階級的全国統一センター建設をかちとろう」。最後に、昨年12月18日の不当逮捕、そして起訴攻撃に対決し獄中非転向で闘っている明治大学学生会中執・学苑会中執の仲間からの連帯メッセージが代読された。明大の仲間は「権力の弾圧に屈することなく、早期に戦列に復帰して闘いぬきたい。労学共闘の下、『反戦・仕事よこせ』をともに闘っていこう」とした。すべての連帯あいさつ、獄中からのアピールに対し、参加者から圧倒的な拍手が送られた。
 闘いの基調提起に東京・山日労の書記長が立つ。「右翼ファシストが活性化している。『在日特権を許さない市民の会(在特会)』は、各地で反革命襲撃をくり返している。山谷―全国の寄せ場は天皇主義右翼、ヤクザの暴力に反撃し、労働者の闘いと団結を実力で防衛してきた拠点だ。山谷―全国の寄せ場からうってで、右翼ファシストを撃滅していこう。1・15日雇い労働者全国総決起集会を闘い、戦争と大増税の野田連合政府を打倒していこう。2012年の激闘へと進撃していこう。全国の寄せ場・日雇いの仲間たち! ともに闘う仲間たち!黙って野垂れ死ぬな! やられたらやり返せ! これがおれたちの闘いの基調だ。隊列をうち固め、機動隊のかべを突き破って山谷をゆるがすデモにうって出よう」と基調が提起された。参加者全員の圧倒的な拍手で確認される。

金町一家解体の山谷デモ

 集会の最後は全国の寄せ場からの決意表明だ。最初に福岡・築港日雇労働組合は「おれたち福日労は12・31〜1・2に明治公園を拠点に越冬闘争を闘った。2月には大分県日出生台での在沖米軍の移転演習阻止を闘う。福岡でも蠢動する『在特会』や愛国党など右翼ファシストの街頭制圧を許さず、闘いぬいていきたい。全世界で暴虐な帝国主義の支配や戦争と闘う世界中の労働者と結びついて、ともにがんばろう」と決意を明らかにした。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」は「12・24に上映集会を開き、岡本氏の遺志をついで闘っていこうと越冬闘争を呼びかけた。新しい多くの仲間が越冬闘争に結集した。12月29日から1月3日までビラやおにぎり、カイロ・タオル・防寒着を配る夜回り人民パトロールを闘いぬいた。おにぎりは延べ884個を作った。山谷・玉姫公園、福岡・明治公園のような拠点越冬が越冬闘争の原点だ。おれたちも釜ヶ崎において拠点越冬に近づけるよう奮闘していきたい。虐殺された仲間に対しては、金町一家に報復し解体することこそ本当の追悼だ。ともに闘おう」と決意表明した。東京・山谷日雇労働組合の決意表明には副委員長が立ち、「おれたちは金町一家解体を掲げ、毎週金曜日の朝行動を続けてきました。また、金町とつるむ浅警―国家権力の弾圧を粉砕し、闘いぬいてきました。今後も、佐藤さん・山岡さん虐殺に対する報復、金町解体戦を一歩も後退させることなく、この課題をやりとげるまでなかまの先頭で闘っていきます。12月28日から1月4日までの8日間、この玉姫公園を拠点に、越年・越冬闘争を貫徹しました。おれたちの越冬闘争には、山谷のなかま以外にも、飯場を出てきたなかま、野宿のなかまがかけつけました。おれたちはさらに『反戦・仕事よこせ』を強化して闘いぬきます。寄せ場春闘の大爆発にむかって闘います」と決意表明をおこなった。それぞれの決意に圧倒的な拍手が送られた。
 集会を終えた全国寄せ場交流会の部隊は横断幕、各組合・団体の旗を先頭にして玉姫公園から山谷一帯を席捲するデモに進撃する。明治通りの金町一家事務所に入る露地の入口には機動隊が阻止線を張り金町防衛体制を取っている。公安デカや機動隊が「立ち止まるな!」と怒鳴ってくるが、デモ隊は堂々と布陣して、金町一家事務所に向かって「佐藤さん・山岡さんの虐殺に報復するぞ!」「金町一家を解体するぞ!」と怒りのシュプレヒコールを叩きつけた。泪橋交差点を山谷通りに左折して、浅草警察のマンモス交番前にさしかかると、再び隊列を止め「金町とつるむマンモス交番を許さんぞ!」とシュプレヒコールを叩きつける。再びデモ終点の玉姫公園に近づくと、仲間同士がスクラムを固く組みなおし、駆け足の歩調で進撃する。公園前路上で楯を構える機動隊に迫る戦闘的なデモを貫徹した。集会とデモを終えた仲間たちは、清川区民館に会場を移し、各寄せ場での越冬闘争の報告と交流会を開き、全国寄せ場春闘集中行動の大爆発を誓い合い、この日の闘いをしめくくった。