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東北関東大震災被災労働者人民支援大運動を

12・26-28沖縄防衛局による「評価書」の年内提出阻止! 連続闘争に決起 (1003号1面)

 政府―防衛省は、沖縄防衛局長・田中(当時)の暴言に激しい怒りを燃やす沖縄労働者人民に向けて、「環境影響評価書」を2011年内に提出すると宣言した。野田政府は、「評価書」提出を「犯す」と表現した田中の暴言を追認したのである。一方、知事・仲井真は12月に入り関係閣僚らと密談をくり返し、「沖縄振興予算」の大幅増額(昨年比で636億円増の2937億円)と引き換えに「評価書」の「年内提出容認」を表明した。

 「基地の県内移設に反対する県民会議」は、12月26日から28日にかけて「『評価書』の年内提出を阻止する行動」を大衆的に呼びかけた。沖縄労働者人民は名護新基地建設をごり押しする野田政府への怒りをもって、12・26―28連続闘争に決起した。

「県」庁舎内で座り込み(12月26日)

 12月26日午前六時頃から、闘う沖縄労働者人民は「県」庁に結集しはじめた。「評価書」が持ち込まれようとしている環境生活部環境政策課がある庁舎4階のエレベーターホールに座り込む。「評価書」の「年内提出」に対する怒りとともに、具体的な阻止方法が現場で練られ、10時45分頃から、主催者より状況報告と集会が行なわれた。7時半より集結し東西の車両入り口と四階に部隊を配置したこと、全体で250人が結集していることなどが共有化され、「午後5時15分まで座り込み明日も7時半に結集する」ことが呼びかけられた。管財課による妨害をはねのけアピールが続く。沖縄平和市民連絡会の城間勝氏は「今日明日の闘いは沖縄の未来をかけた闘いだ」、「全沖縄の民衆がバックアップしている行動である」と熱を込めて語った。ヘリ基地反対協の安次富浩氏は「新基地を阻止する」と決意を述べ、普天間爆音訴訟団の島田善次氏は「怒りを武器にして闘おう」、「知事は500億円の上乗せで『評価書』受け取りを容認した。知事は信用できない」と訴えた。

 昼過ぎには「防衛局が郵送する手続きに入った」という情報が現場に流れる。沖縄労働者人民をなめきったやり方に、さらに怒りが沸き起こった。座り込みを貫徹し「県民広場」前での集約集会で、1日目の行動を終えていった。

「県」庁通用口で「評価書」搬入を阻止(12月27日)

 12月27日午前七時半より「県民広場」において突入集会が開催された。主催者は「郵送で事を済ませようとすることなぞ許してはならない」、「カネと引き換えに『評価書』を受理する知事の姿勢は、かつて米総領事であったメアが言った『ゆすりとたかり』というメッセージを送ってしまうことになる」と訴え、「『県』環境生活部とは、8時半から5時15分までの通常業務時間内でしか受理しないと約束している」と報告し、阻止行動とともに詰めの協議も併せて行なうとした。

 集会後、車両入口各所に部隊が配置され、郵送による搬入を阻止する鉄壁の布陣がしかれた。天皇上陸阻止沖縄青年実行委員会れが陣取った東側の通用口においては参加メンバーが、防衛局の卑劣さを充分すぎるほど知るがゆえに1台1台車両を停止させ荷物を確認していった。

 11時20分頃、「中央倉庫運輸(株)」と書かれた白いワゴン車がやってきた。荷台には複数の段ボールを積んでいる。追及するといったん引き返し20分後再びやってきた。配送業者は「防衛局からの荷物。中身は知らない」、「会社でない人から通用口の入口で待機するよう言われている」と言う。さかんに携帯電話で連絡を取り合う。「防衛局はわれわれが妨害していると描きだし、機動隊導入を画策しているぞ!」と声が飛ぶ。いよいよ荷物は「評価書」に間違いないと確信した参加者は車両を包囲し、「『県』庁に入れないぞ!」、「防衛局につき返せ!」と殴りかからんばかりの勢いで追及した。「県」管財課が間に入り業者の携帯電話に出ると、相手は「防衛局」と名乗り荷物が「評価書」であると認めた。圧倒的な闘いを前にして、防衛局は業者を引き返させるしかなかった。防衛局はマスコミを通して「26日提出」や「郵送する」といったデマを流したが、沖縄労働者人民はこうした策謀を粉砕し「評価書」搬入を実力阻止したのである。

 その後も警戒を解くことなく阻止行動を貫き、午後5時15分過ぎには「県民広場」で集約集会を行ない、全体行動は閉じられた。

未明の「評価書」搬入に怒りが爆発(12月28日)

 12月28日は、早朝より「県」庁内に怒号が響きわたった。なんと防衛局は、夜明け前に「評価書」を強行搬入したのだ。午前7時半には「県民広場」での突入集会において、徹夜で見張っていた「県民会議」事務局長より報告がなされた。「午前4時頃、車で待機していたら玄関で音がしたので行ってみると、防衛局職員が大勢でダンボール箱を守衛室に運びこんでいた。止めようとしたが押し倒されて阻止できなかった。わずか数分の出来事だった。防衛局の車のドアを開けると、そこには真部局長がいて陣頭指揮をとっていた。車両を一時間以上止めたが警察の介入でそれ以上はできなかった」と悔しさいっぱいに報告した。さらに「運び込まれたのは16箱で持ち帰った分もある。荷物受け取りには預け証が必要だが、慌てていたためサインすらない。『県』は『受け取っていない』と明言している。今も荷物を監視中だ。われわれの了解なしには指一本触れないと確認させた」と訴えた。

 参加者は「評価書」の受理と残部の搬入を阻止するために、ただちに庁舎4階の環境政策課前と一階の守衛室前の廊下に座り込んだ。午前中いっぱい「県」や防衛局との協議がなされ、防衛局は「守衛室に持ち込んだ時点で手続きが完了した」と主張していること、「県」側は「年内受理」の方針に向かっていることなどが参加者に報告された。「県」管財課、総務部長、知事公室長らの主張は食い違い、沖縄労働者人民の怒りが「県」に向かないように必死となる姿勢がうかがえた。

 昼からは守衛室前での座り込みに集中した。通常業務時間を越えて座り込みは続いたが、「県」は「行政手続きなので関連法令にのっとってやる」と同日付で「受理」する方針を闘う労働者人民につきつけた。

普天間基地解体・名護新基地建設阻止へ

 提出された7000ページに達する「評価書」は、環境アセス法に基づく「埋め立て事業」部分と、「県」環境アセス条例に基づく「飛行場事業」部分からなる。「評価書」を受理した「県」は、「埋め立て」部分について90日以内、「飛行場」部分について45日以内に「知事意見」を防衛省に提出する。それをふまえて防衛省は「評価書」を「補正」し、30日間の公告・縦覧をはさんで、早ければ6月にも知事への「公有水面埋立免許申請」の手続きに入り、通常なら半年から1年かけて判断が下される。政府は知事から埋立許認可権限を剥奪する「埋立特措法」や、仲井真が承認しない場合でも地方自治法に基づく「代執行」で強行するとしている。

 われわれはより凶暴に名護新基地建設をごり押しする野田政府と、カネと引き換えに「評価書」提出を容認した知事・仲井真をともに撃つ闘いに決起しなければならない。「県外というスタンスは変わっていない」と言う仲井真を「応援する」など全くの誤りだ。仲井真が「県外移設」を維持するのは、沖縄労働者人民の反戦・反基地・反安保闘争を「移設」論議に抑え込み、基地容認・安保容認の枠内で政府と交渉するためだ。知事はそのために、わざわざする必要もない「年内提出容認」を表明したのである。安保粉砕・日米軍事基地解体を鮮明にうち出し、普天間基地解体・名護新基地建設阻止を闘いぬこう。普天間基地へのオスプレイ配備を阻止しよう。