「We are the 99%! パナソニックの首切りNO! パナソニック本社・関電守口包囲デモ」を闘う
元町中公園での集会
「吉岡さんをパナソニックの職場に戻し、人権侵害・不当な雇い止めをなくす会(吉岡会)」などで構成される「12・7デモ実行委員会」は12月7日、「パナソニック本社包囲デモ」を闘った。「反戦・反失業を闘う釜ヶ崎労働者の会」も決起し、ともに闘いぬいた。
当日のビラでは、次のことが呼びかけられた。「10月31日、パナソニック社長・大坪は決算が大幅赤字(4200億円)になると発表し、2012年度末を1年繰り上げて来年3月末までに35万人以下の体制に『思いきって切る』と宣言した。その内容は酷い。茨木市パナソニックPDP工場でのプラズマテレビの製造中止などテレビ事業大幅縮小。尼崎の第五工場の生産中止・減損処理、第三工場の設備廃棄(太陽電池増産撤回)、半導体事業の縮小、PDP生産は第四工場だけに集中し、生産台数は半分以下にして1000人規模の人員削減。千葉・茂原工場を休止。そして、三洋電機との合併で約1万4000人の削減を実施しようとしている」「パナソニックPDPは兵庫県や尼崎市から『雇用創出』という名目で多額の補助金や市税の優遇措置を受けてきた。今回の問題は尼崎市民や兵庫県民のみならず、兵庫県知事や尼崎市長ですら不快感を示している。この問題はパナソニックPDPで働く労働者の雇用破壊という問題のみならず、地域経済の破壊という問題にまでも発展している」「『非正規雇用』というシステムは一パーセントの資本家のエゴのために作られたシステムで、今や若者や女性の50パーセント以上がこのような差別的な働かされ方を強いられ、多くの人達(九九パーセント)が苦しめられている」「韓国では韓進重工業の解雇撤回闘争の勝利を実現させた『希望のバス』の取り組みに代表されているが、アメリカの『We are the 99%!』の運動の前から『非正規職撤廃!』の運動に多くの韓国の市民が連帯する取り組みが行なわれている」「関西の地域からも『非正規雇用』労働者のみならず、労働者をモノのように扱う企業の代表であるパナソニックに対して『We are the 99%!
Occupy Panasonic』の運動を作り出し、労働者をモノのように扱い、使い捨て、差別的な扱いをすることを容認するような人権侵害の働かせ方である『非正規雇用』をなくしていくためにも、パナソニック争議の職場復帰という形での勝利をかちとっていこう」。
午前11時30分、パナソニック本社(大阪府門真市)の間近にある元町中央公園で、「吉岡会」事務局次長・山川氏の司会のもと集会が開始された。
山川氏は、「吉岡君のパナソニック争議は、中央労働委員会での第1回審問が終わりましたが、今度、新証人を立て、実質的な審議内容をつくっていきたいと思います」「何としても来年、運動の力でパナソニックとの交渉も開かせる力にするということで、中労委闘争を位置づけていきたい」と決意を述べた。
続いて、「なかまユニオン」委員長・井手窪氏は、「最高裁は吉岡君の地位確認は認めなかった。しかし、パナソニックの行なった『雇い止めするまでの一連の行為』を違法であるとはっきりと認定した。『雇い止め』が違法であるならば、元に戻せというふうに法律的に決着がつくべきだが、最高裁は非常に政治的な判断をして、この部分を回避し、判断を避けた」「最高裁が事実認定した部分については、それを救済するのは、労働組合活動を保障すべき労働委員会であるということで、今、労働委員会に訴えています。しかし、大阪府労働委員会は不当にも『訴えの期間が過ぎている』と、非常に形式的な理由で中身を一切検討することなく、これを門前払いしています。中央労働委員会では、そういう杓子定規な審理ではなく、『実質的な審理をぜひやってほしい』ということで、私たちは、新たな証人を申請しています」「この闘争は、日本で最初に『偽装請負』を告発し、大阪高裁で画期的な判決をかちとった。本当に『非正規雇用』労働者の闘いの先頭を走っている闘いです。今、数十件の裁判が同じように闘われていますが、残念ながら連戦連敗という形で、最高裁の非常に政治的な判断が、たいへんな影響を持っています。これをくつがえしていくためにも、私たちが運動の力で、そして労働委員会闘争の力で、吉岡君を職場に戻していくということが絶対に必要です。日本の『非正規』労働者の闘いを責任をもって前進をさせるためにも、頑張っていきたいと思います」とした。
次に、「韓国金属労組現代自動車非正規職支会」のファン・イナ氏からの発言だ。「韓国の現代自動車よりきびしい闘いを強いられている吉岡さんを激励し、また、力をもらいにやってきました」「私は今月復職しますが、去年、自分に火をつけて抗議をしてから、ちょうど一年くらい経ちます。職場に戻って闘って、現代自動車の争議が解決するために頑張っていきたい」。
パナソニック本社を包囲するデモを闘う
門真市議からの報告を受けたあと、パナソニックPDP争議当該・吉岡力氏が発言に立った。「自分の争議がはじまった当初、自分の闘いというのは、日本の労働者が本当に人間らしい生活ができるのか、それとも奴隷のように働かされていくのか、それを決める闘いだということでやってきました。パナソニックPDPだけの問題ではなくて、パナソニックグループ全体の問題として勝利しなければならないと思っています」「韓国のファン・イナさんの闘いをみてもそうですが、グローバル資本が海外に進出するという形で、結局は安い労働力を求めて奴隷のように労働者を働かせている。こうしたことに対して、国際的にも闘わなければならない。パナソニックのやっている横暴をやめさせる闘いに勝利するために頑張っていきますので、皆さん、今後ともよろしくお願いします」。
正午にデモが開始される。「パナソニックは不法行為の責任をとれ!」「パナソニックは吉岡君の雇用責任を認めろ!」「吉岡君を今すぐに職場に戻せ!」「大量首切りを許さないぞ!」「パナソニックは1万4000人の首切りをやめろ!」「尼崎工場の1000人の首切りを許さないぞ!」「労働委員会闘争で闘うぞ!」。デモ隊は怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
また、関西電力・守口営業所へ「原発を止めろ!」のシュプレヒコールもたたきつけられた。デモ行進中に吉岡氏は、「今も韓国で『非正規職』撤廃を闘っているファン・イナさんの訴えを皆さんお聞きになったことでしょう。パナソニックの労働者は、今、1万4000人が首を切られるという状況にあります。おかしいことはおかしい、こういう声をあげていくことが、今の日本を変えることにつながっていくと思います。『非正規』で闘っている私たちの闘いにご支援とご理解をよろしくお願いします」と訴えた。
デモ後の集約集会では、はじめに、ヤンマー争議当該で「びわ湖ユニオン」書記長の稲森氏が「今後もヤンマーに対して徹底的に闘い、吉岡さんのパナソニック争議と連帯して、今日来られている現代自動車『非正規』争議とも連帯して、全ての『非正規』という働かせ方を無くしていきたいと思いますので、今後も引き続きよろしくお願いします」とあいさつした。
続いて、見習い期間中に解雇された日本基礎技術争議当該・本田氏が「昨日、大阪高裁で第3回目の弁論が開かれました。その弁論に先立って、公正判決を求める署名を約200筆、累計で1400筆以上を提出することができました。ご協力していただいた皆さん、本当にありがとうございました」「来年、2月10日、判決です。これからもぜひよろしくお願いします」。
次に、京都の晃洋書房で試用期間中に解雇されたことに対して闘っている当該からの発言を受けた。
カンパ要請に続き、「吉岡会」共同代表・田中氏が「前回の中労委の中で、労働者側委員との懇談がありました。労働者側委員は『この裁判で敗けたんでしたよね』と言いまして、こちらの弁護士が『いやこれは一部勝訴しています。不法行為のことは認定されているんです』ということを言いました。労働者側委員は『不法行為の一連の認定があってその後はどうなんですか』と質問し、それに対して『会社は一切認めていないんです。いわゆる賠償金・90万円は一応支払うということは言いましたけど、一切悪いことはしていないという声明も出しています。最高裁の不法行為の認定も、自分たちとしては納得ができないということまで表明しているわけです』と説明しました。『いったん裁判所が不法行為を認定したんだから、それについて団体交渉するのは、当たり前ですよね』と労働者側委員は考えています。そういう意味で、労働委員会闘争は非常に重要です。不法行為の責任をとらせていくのも労働委員会の場です。中労委そして大阪府労委での闘いがまだ続いていますので、みなさんの引き続きのご協力をぜひお願いしたいと思います」と訴えた。
最後は吉岡氏の「団結ガンバロー!」だ。「韓国では、韓進重工業のキム・ジンスクさんの100人近い整理解雇撤回という勝利があります。今日はファン・イナさんが来ていますが、そろそろ韓国の憲法裁判所で勝利判決が出ると、私は思っています。ずっと闘い続ければ、敗北する事はないということで、最後、団結ガンバローで締めくくりたいと思います」「韓国の争議、それから日本の『非正規』争議、すべての争議を勝利させるために、団結して、ガンバロー!」。
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