005 ありがとう


 ― ソルジャーになりたいんだって?・・・・頑張れよ。


 アンタが俺を見つけたあの日。




 ― お前、やるな〜!
 ― ・・・・俺も田舎の出だから・・・・。
 ― どこ?
 ― ・・・・・・ニブルヘイム・・・・・


 俺の出身を聞き、大笑いしたアンタ。


 ― ザックスは?
 ― 俺?ゴンガガ。
 ― ・・・・・・・プッ。
 ― あ。笑った!今笑ったな!?知ってるのか?ゴンガガ。
 ― ・・・行った事は無いけど、田舎っぽい感じがする。


 くだらないやり取りで、また2人で笑った。
 雪が積もってたけど、アンタと居て楽しかった。


 ― 喜べ、ツォン。俺と・・・・・
 ― ・・・・・クラウド。
 ― 俺とクラウドが居れば、辺境の地は怖いものなし!!


 アンタとのはじめての任務。




 ― あの・・・さ。
 ― 何?
 ― いや、こんな事言って・・・・引かれたくないんだけどな?
 ― ・・・・・だから何?
 ― その・・・・・・・・・ね?
 ― は??
 ― ・・・・・俺と付き合ってくんね?


 それがきっかけで俺達は付き合い始め、アンタの突発的な行動に振り
 回されてた。けれど、それはそれで楽しかったよ。




 ― 俺もソルジャーだったらな・・・・・。
 ― ソルジャーなんかモンスターみたいなもんだ。止めとけ。


 二度目の任務もアンタと一緒だった。
 この頃からアンタは何かを悟っていたんだろうか。


 ― ・・・・クラウド・・・・止めを刺すんだ・・・・。


 俺達の運命の歯車が狂い始めた瞬間。
 もう後戻りが出来ない所まで来てしまっていた。
 そして・・・・・・・これがアンタとやった最後の任務。



 ― ミッドガルに着いたら『何でも屋』をやるんだ。ちょっとした
   事から危険な事まで、報酬次第で何でもやる。儲かるぞ〜。
   なぁ。お前はどうする?・・・冗談だよ、怒るなって。お前を
   見捨てたりはしないよ。・・・『友達』・・・だろ?違うか。
   俺達はちゃ〜んと『恋人』やってんだよな。


 意識がハッキリしない中で聞こえたアンタの言葉。アンタの顔。
 出会った時からは随分と大人びた・・・・。




 ― ・・・・・ザックス・・・・・
 ― ・・・っ。・・・・俺の・・・分まで・・・・
 ― ・・・・アンタの・・・ぶん・・・・?
 ― そうだ。・・・お前が・・・生きる。・・・お前が・・・俺の
   生きた証・・・。俺の夢や誇り・・・全部・・・やる・・・。
 ― ・・・・・俺が・・・・お前の生きた証・・・。


 それきり、目を開ける事を忘れた様にその命の灯火を消してしまった。




 『 夢を持て。英雄になりたきゃ、夢を持つんだ。
   スラムに花を売ってる子が居る。・・・その子、この青くて綺麗
   な空が恐いと言ってたんだ。
   もしエアリスに会ったら・・・・宜しくな?クラウド。
   ・・・・なぁ・・・。俺・・・・英雄になれたかなぁ・・・? 』




 最後にそういうアンタの声が聞こえた様な気がした。
 でも、それはきっと空耳なんかじゃない。


 『 もしも〜し。・・・・私、エアリス! 』



 ・・・・ありがとう・・・・忘れない・・・・。


 おやすみ、ザックス。・・・良い夢を・・・・。



                            ≪ Fin. ≫



2008.01.20

はい。言い訳の時間ですよ〜〜〜!(笑)
ごっつネタバレです。所々の台詞が違うのは、勿論ザックラサイトだからです!!(笑)
っつーか、流石に1時間でネタ考えるのはキツいですね;
もう一本行けるかな???