香登使信

日本イエス・キリスト教団香登教会

2021年3月14日第840号

「キリストの愛、われに迫れり」Uコリント5書11〜21節 工藤弘雄牧師

キリストを信じ、彼と結び合わされた者は、その人格も人生も全く新創造される。キリストの愛に迫られ、気が狂ったようにキリストのために生きる。人々が救われることを願い、キリストに代わって和解の使者となる。そうしたことが、ここに縷々記されています。

すべてが新しくなった

「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました」(17)。この聖句は私の生涯を決定的に変え、私に救いの確信をもたらしました。敬虔なキリスト者であった母、熱心な信徒であった長兄、そのわが家に「岡谷教会」という看板がつけられていた家で育ち、小島、森山、本田、長島、小豆、梅原と言った日本イエス・キリスト教団の草創期の先生方のメッセージを聞いてきた私でした。しかし、救いの確信のないまま、上京、様々な精神的葛藤の中でついに大学二年生の秋、荻窪栄光教会の一室で、モーセの十戒の光に照らされ、すべての罪を告白し、イエス・キリストの十字架はわがためなりと信じたその時、「御子イエスの血、すべての罪より我らをきよむ」の御言葉とともに、全く新創造された夜を忘れることはできません。その夜は教会で一泊、前夜の雨も止み、庭の木々に水晶のように水玉がキラキラ輝いていた新生の朝から私の新しい人生が始まりました。

古いものは過ぎ去った!古い過去も、古い私も、古い未来観も全く一掃され、何もかも新しくなったこの救いの恵みをこの聖句は私に刻み付けてくれました。

キリストの愛、われに迫れり

使徒パウロほど劇的な回心をした人はおりません。回心とはその人の人生が180度反転することです。キリストの迫害者がキリストの使者に、厳格な律法主義者が自由な福音の人に、己のために生きていた者がキリストのために生きる。使徒パウロはまさにそうした回心をダマスコ途上で経験しました。今や彼はキリストの愛に迫られ、気が狂ったように「自分のために死んでよみがえった方のために生きる」(15)ようになったのです。キリストの愛が私たちを捕らえている!キリストの愛が私たちをとり囲んでいる!四方から締めつけている。この14節はいくつもの訳がありますが、私は「キリストの愛、われに迫れり」と書きもし口ずさんできました。

私が新生の恵みを受けた翌年、東京クリスチャン・クルセードという大伝道集会が千駄ヶ谷の東京都体育館で五月、一ヶ月にわたって行われました。私はカウンセラーとして夢中で奉仕していました。世界的なクリスチャン音楽家の音楽、何百人もの聖歌隊、メイン講師のポップ・ピアス博士の迫力あるメッセージ、時にはテレビでも放映、朝日新聞の「天声人語」にまで取り上げられました。クリスチャンとして誇らしく奉仕していた私でしたが、三日目か四日目の夜、私はボップ・ピアス博士の招きの時、博士の頬につたわる涙、博士の青く澄んだ悲しみの目を見たとき、キリストの愛に迫られました。今、キリストは泣いておられる。滅びゆく同胞をご覧になり神は泣いておられる。思いがけなくも、私は献身を迫られました。今、立て、今、従え、キリストの愛の使者として献身しなさい!献身と言えば、母や兄がよく塩屋の神学生を話題にしているのを黙して聞いていました。たとえクリスチャンになったとしても、あのような人たちだけにはなりたくないと心に決めていました。父が幼い時亡くなり、母や兄、姉たちの応援で大学まで行かせて頂いている。経済的になんの恩返しもできないとも思わされました。しかし、キリストの愛、われに迫れり!それから数か月、様々な戦いはありましたが、磐梯聖会において、私は「みこころのままに」とすべてをささげ、献身を表明いたしました。

神の和解を受け入れなさい

使徒パウロは、キリストに代る使者として「神と和解させていただきなさい」(20)と人々に勧め続けてきました。磐梯聖会でわが身わがたまを主に明け渡し、聖霊のバプテスマの恵みにあずかった私は、直接献身者の道をまっすぐに進みました。献身者の仲間たちに、岸、柿谷、安海、津村といった同世代の青年たちがいました。大学卒業と同時に塩屋に進み、四年間、沢村、小島、向後諸師のご薫陶を受け、卒業後、垂水教会で6年、中島先生ご夫妻の下で牧会、その後23年、塩屋の関西聖書神学校で奉仕、英国での二度目の学びをマンチェスターで終え、高橋先生ご夫妻の後を受け、香登に導かれてきました。高橋先生方の祈りと備えの中で礼拝堂大改築、新ゴスペルホール建築、再び塩屋との八年間の兼任奉仕、聖化運動、新しい聖書の刊行、ハンガーゼロの働き、ギデオン応援など、皆さんと一緒に、神の和解の使者として23年間奉仕させていただきました。

救いの喜び、聖化の恵み、信仰回復などから、誕生、入学、結婚、試練、告別など喜びも悲しみも共に分かち合った23年でした。

キリストにあって新創造され、キリストの愛に迫られ、キリストに代る和解の使者!これはすべてのキリスト者の行程です。この尊い使命に生きる者となりましょう。

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